きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

スリー・ビルボード

2018年03月27日 | アメリカ・イギリス



面白かったー☆

上映館が少なくなってきて心配したけど間に合いました。
渋谷シネパレス。
日曜日だったのでそこそこ混んでました。
映画館で観られて良かった、これはお薦めしたい!

娘がレイプされて殺されて焼かれ、
犯人捜しの話という前情報からすると、
悲しくて苦しい内容かと思いきや、
意外にエンターテイメントで、笑える部分もあって、突き抜けてた。

同情を買うような弱弱しいお母さんじゃないんですよ。
いでたちが、バンダナを巻いてつなぎで、まるで戦闘服のようなんですよね。
昔見た西部劇を連想する。
荒くれもの揃いの町で、誰とも群れずに一人でガン片手に戦ってる姿をイメージしちゃう。




私が思うにテーマは「怒りは怒りを来す」

負の感情はループとなって、
余命を宣告された警察署長を巻き込み、
看板屋の青年を巻き込み、
差別主義の警察官を巻き込んでいく。
家族を捨てて若い女に走った夫も許せない。

このお母さんともかく怒ってる。
そして何より自分に怒ってる。

娘と最後に交わした言葉を思い出して、たまらなく自分に怒ってる。
そりゃそうだ、娘と最後に交わした言葉があれだったら辛すぎる。

なので、シカに対したときの素直な感情の吐露に思わず涙しました。

すごい面白かったんだけど、
家に帰って冷静に考えたら、あのお母さんはどうして逮捕されなかったんか、、って思ったもん。警察官もな、クビだけじゃすまないでしょ。
あれじゃ犯人も見つからん(笑)

で、お母さんが主人公かと思ってると、
余命宣告を受けた警察署長の話になってくる。
これもまた壮絶なんだけど、なんか若い奥さんがなんかバカっぽい。

そこからまた、差別主義者のマザコンの警察官の話になっていく。
話が予定調和に進まなくて、どう転ぶのか予想ができない。

そんな感じで引き込まれて観ていたら、
「へ、、、」って感じで物語が終了した。

へ、、、って思ったけど、思わずニタって笑ってしまった。

好きだわ、こういう終わり方。

怒りは怒りを来す。
けれど、どこかで終わらせることができる、それもまた人がなせること。

結末をはっきり提示されたわけじゃないけれど、
私はすごく明るい気持ちで終わらせることができたし、
清々しい気持ちでエンドロールを観てた。

差別発言が多くて驚いたんだけど、
ミズーリ州というところに意味があったのね。(白人警察による黒人への暴行)
あと砂だらけの場所ってどこだって話だとか。

ニュースから得るものより、映画から得る情報はリアルってことですね。

フランシス・マクドーマンドの作品を他にも観たくなったのでした。
調べたら同級生♪  コーエン兄弟のお兄ちゃんの奥さんだったのね。




スリービルボード  2017年  ☆☆☆☆☆ 
   (原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)
監督:マーティン・マクドナー
出演:フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル

ミズーリ州の田舎町。7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を逮捕できない警察に苛立ち、警察を批判する3枚の広告看板を設置する。彼女は、警察署長(ウディ・ハレルソン)を尊敬する彼の部下や町の人々に脅されても、決して屈しなかった。やがて事態は思わぬ方へ動き始める。

パンズ・ラビリンス

2018年03月19日 | アメリカ・イギリス


日本カルチャー大好きのオタク監督、ギレルモ・デル・トロ。
トトロみたいな風貌が可愛らしくてすっかりファンになりました。
独特な作風のものが多いけど、ちょっとね、いろいろ観てみたいと考えてます。

で、「パンズ・ラビリンス」
タイトルのパンは牧神という意味。 
ギリシャ神話において羊飼いと羊の群れを監視する神として登場し、ヨーロッパではポピュラーな存在なんだそうです。

戦時下における不思議の国のアリスみたいな話(でもラストは対極)
1944年の内戦さなかのスペインが舞台。
独裁主義の戦いがとても残酷に描かれる部分と、
オフェリアが迷宮に入り込むファンタジー部分が並行して進む。

登場するクリーチャーが独特で、可愛いけど超気持ち悪い。







大尉があれほど冷酷なのは、そういう時代だったってこともあるし、
父親との関係もあったんだろうと推測できる。
彼は彼なりに自分の息子に夢を託して愛してたんだということは感じられた。

オフェリアは心底怖かったんだと思う。
お伽話と読書が大好きな彼女は、迷宮(不思議の国)に逃げ込むことできっと自分を保ってたんだろうな。

そう思うととても切ない。

過酷な時代に対する痛烈な批判だ。
疑似体験したような辛さ悲しさが残って辛い。

そして映像がとても綺麗。
できれば映画館で観たかった。

戦争とファンタジーが同時にある、とても不思議な作品でした。





あとは「ヘルボーイ」「クリムゾン・ピーク」あたりを観ましょうかね。
「ホビット」「ロード・オブ・ザ・リング」までいけたらいいなぁって思っております。




パンズ・ラビリンス(原題:PAN'S LABYRINTH0)2006年  ☆☆☆☆☆
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:イバナ・バケロ、セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ、ロジェ・カサマジョール

1944年のスペイン内戦で父を亡くし、独裁主義の恐ろしい大尉と再婚してしまった母と暮らすオフェリア(イバナ・バケロ)は、この恐ろしい義父から逃れたいと願うばかり自分の中に新しい世界を創り出す。オフェリアが屋敷の近くに不思議な迷宮を見つけ出して足を踏み入れると、迷宮の守護神が現われ彼女に危険な試練を与える。

坂道のアポロン

2018年03月19日 | 日本



まっすぐで外連味のない良作。

ジャスセッションが秀逸で気持ちよかった。


ジャズ好きの旦那がテレビの番宣を見て行きたいと言い出しましてね。
評判もよさそうなのでレイトショーで行ってきました。

いわゆる高校生の胸キュンドラマだったらチトきついかなーって心配もしつつ、、
いぇいぇ全くの杞憂でした。
私たち年齢層にもピッタリ、いやむしろ私たちがターゲットとかじゃないですかね。

なにせ舞台は1966年の佐世保。
街並みの懐かしいこと。
子どもの頃に乗ってたダイハツミゼットがチラッと映った時は、
懐かしくて涙ちょちょぎれそうでした。
十円玉積み上げて公衆電話とかね、
カブに乗ってたし、
そもそも舞台となるレコード屋って響きがね、(今でもレコード屋って言っちゃうけど)
大分県豊後高田市にある「昭和の町」で撮影されたんだそうです。

知念くんのメガネのかけ方やピアノ演奏の雰囲気とか、
ビルエバンスを意識してるなーって旦那が楽しそうに言ってました。

登場するレコードや曲は定番中の定番で、あれからしばらく我が家で流れ続けてます。


ジャズのセッションシーンがともかく良いの!
吹き替えなしで全部自分たちで演奏してるっていうから
すごい練習したんだろうなって感心する。
キャスティングメンバーのはピッタリでとても良かったけど、
この作品の主役はジャズなんだろうな。



最後に、、「小松菜奈歌わないのかーーっい」ってみんな内心ずっこけたよね。

今流行りの漫画原作の青春映画の中でも、幅広い層に受け入れられる良作であることは間違いない作品でした。




坂道のアポロン  2017年
監督:三木孝浩
出演:知念侑李、中川大志、小松菜奈、ディーン・フジオカ、中村梅雀

親戚が住む長崎県佐世保市へ越してきた高校1年生の西見薫(知念侑李)。周囲に心を開かずにいたが、ひょんなことから同級生で町のレコード屋の娘・迎律子(小松菜奈)と、素行の悪さで有名な川渕千太郎(中川大志)と言葉を交わすようになる。律子に恋心を抱き、千太郎と固い絆を育む薫。充実した日々を過ごす中、薫は千太郎を通じてジャズと出会い、その魅力に取りつかれる。

スターウォーズ

2018年03月19日 | アメリカ・イギリス
自分自身でも唐突なことだったんですけど、
なぜか「スターウォーズ」を毎日観てました。

40年分。

エピソード4→5→6→1→2→3→7
映画館で「最後のジェダイ」エピソード8
そしてもう一度、1→2→3→4→5→6

長かった。。。
家族から「また観てるー」って毎日言われました。

初期の作品はテレビのロードショーで観ていて記憶はあったけど、
意外だったのは、スターウォーズといえばハリソンフォード、マークハミルかと思いきや、
初期の3作品だけだったんですね(最近の作品は別にして)

それにしても40年ですよ。
私の何才の頃の上映かと考えると、、若すぎる(笑)、、驚くよね。
そして、いまだにスターウォーズの話題に熱狂するファンがいるってことが凄い。

私の行きつけの美容院のご主人がまさにそうなんですよね。
今更ですけど観てみようかなって思ったのもそれが一つの理由なんですけどね。

宇宙を舞台にした派手なSF映画かと思ってたら、
スカイウォーカー家(フォースと呼ばれる神秘的なエネルギーに対し強い感応力を持つ家系)の話で、
そういう環境にいるからこそダークサイドに堕ちる人間の弱さの話。
父と子の確執の話が終焉をむかえたら、そのまた子供が悪の道へ、、、っていう。
フォースの力を持つ人は普通にいい人のまま生きていくのは難しいのか、、問題。が繰り返される物語でした。
意外と暗~いんですよね、希望に向かっていくルンルンした物語じゃない。

簡潔に言い過ぎてダメだなこりゃ。

40年続く作品を今観てもちゃんと楽しめるってことが凄いことですよ。

いろいろ調べてみると、SFというジャンルを画期的に変えたとか、
ジョージ・ルーカス自身の父親との関係がテーマになってるとか、
他にも映画にまつわる興味深い話がたくさんあって、
ちょっと、本当に映画作品として単純に語り尽くせない、唯一無二の映画シリーズなんだってことがわかりました。

それが知りたかったわけですからね、
観て良かったです。

あとは「ローグワン」と、もうすぐ始まる「ハンソロ」を楽しんで、
来年の公開を楽しみに待ちたいと思います。



スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望 1977年


スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲 1980年


スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還 1983年


スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 1999年


スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 2002年 


スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 2005年


スター・ウォーズ/フォースの覚醒(エピソード7) 2015年


スター・ウォーズ/最後のジェダイ(エピソード8) 2017年

シェイプ・オブ・ウォーター

2018年03月11日 | アメリカ・イギリス
「私は何? 彼と何が違うの?」



もし前世というものがあるのなら、
水中にいたんじゃないかと思う程水の中が好きなわたくし、
なので、すごーく心癒される作品でした。

謎の生物に恋をするイライザの話ですが、ロンマチックなだけのお話ではございません。
冷戦時の米ソのスパイ活動あり、銃撃戦あり、差別や偏見の話でもあり、残酷な場面もあり、
エロチックな描写もあるR指定の作品です。
若干オタク女子系かも(笑)
いろんな要素があって、最後まで前のめりになって観ちゃいました。

1962年、孤児として育ち、喉の傷が原因で声が出ないイライザ、40才。
政府の秘密機関の掃除婦として、黒人のセルダと働いている。
アパートの隣人の老人ジャイルズはゲイで、全員が差別や偏見を受けがら生きざるを得ないんだけど、楽しみを見つけながら仲よく暮している。
彼女のアパートが映画館の建物の上階なんですよね。
憧れるわー。あんなところに住みたーい!!

全体のトーンがのほほんとしてるのは彼女のキャラクタによるものが大きい。
仕事が夜だから一日の始まりは夕方からで、
いきなりの衝撃的なシーン(しかも場所は、、)から始まって驚くけど、彼女の印象は変わらない。

開始早々の仕事に行くまでの日常を描く数分間で、
イライザがどんな人で、隣人や仕事仲間との関係性や、境遇が全部、説明的ではないのに全部わかっちゃう。
すーってその世界に入っていく感じが気持ちよかった。
画面全体が緑ががかった青色で綺麗だった。

主人公が声を発さないってことが逆にいろんなことが伝わってくるし、
家族もなく、孤独で辛いこともたくさんあるんだろうに、楽しそうに生きてるイライザ。
彼女なら受け入れるだろうという、寛容さと純粋さを感じる。
嫌な上司からもろに差別的にセクハラ発言を受けるんだけど、ちゃんと拒否できる強さも持ってる。
(あれはちょっと許せなかったわ、今ならMeTooで訴えてやりたい)

そこに登場するのが運ばれてきた研究対象の謎の生き物。
エラと肺で呼吸できる半魚人。

最初驚きましたね、特に目の膜が人間とはほど遠い。
でも見慣れてくるとそれなりにカッコいいんですよね。
たぶん半魚人界の中ではかなりのイケメンなんじゃない。
そこを受け入れられない人はこの映画は苦手かもね。



研究目的で彼を解剖しようとした上司のストリックランド(例のセクハラ上司)
ひたすら嫌な役割りを一手に引き受けて、ほんっと嫌だった。名演ってことね。
引きちぎられて縫合した2本の指がだんだん黒くなっていくんだけど怖かったわ。
指の状態の悪化と同様に人間離れして怪物化していく。

ラストはお伽話みたいでした。
私は好きよ。
まさか声が出なくなった原因の傷がね、、想像もしなかった。




アカデミー賞のギレルモ・デル・トロ監督の挨拶が素敵でした。

「私は移民です。多くの皆さんと同じようにね。25年間この国に暮らしてきました。私たちの業界の1番素晴らしいところは国境線を消し去ってしまえるところだと思います。世界がその“線”をより深く刻むときこそ、私たちは消し続けていくべきです。この道を私とともにしてくれたすべての人々に感謝します」

次は「パンズ・ラビリンス」を是非観てみようと思います。




シェイプ・オブ・ウォーター(原題:THE SHAPE OF WATER)   2017年  ☆☆☆☆
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、オクタヴィア・スペンサー

1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の清掃員として働く孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に秘密の実験を目撃する。アマゾンで崇められていたという、人間ではない彼の特異な姿に心惹かれた彼女はこっそり会いにいくようになる。ところが彼は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっていた。