きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

サニー 永遠の仲間たち

2012年05月22日 | 韓国
サニー

「過速スキャンダル」のイ・ヨハン監督作品
クスッと笑いながら観ることはたまにあるけど、こんなに声出して大笑いする映画って珍しい
ばか笑いして観ました
コメディ作品かって言われると全然違うんだけど、笑った記憶ばかり残る感じ

かつてサニーという名のグループだった仲間たちの話
40代になった彼女たちの今と、10代だった1980年代を行ったり来たりするんだけど
彼女たちの青春時代がキラキラしてて眩しかった

結末が大団円過ぎなんですけどね
それでもいいんだーって思っちゃった
だってそこで現実を突き付けられたってどうしたらいいのかわからないもん

7人の今と昔
誰が誰だかちょっと混乱するのよね
最後のひとりふたりがちょい迷いながら観てました

映画自体はちょっとチグハグだったり、突っ込みたいところもあるんだけど
全体としてはともかく笑って楽しく観られます
そしてテーマが誰にも当てはまるでしょ
エンディングロール見ながら何とも言えない感動があったのは
その普遍なテーマにしみじみするんだと思ったのでした



サニー 永遠の仲間たち(原題:써니)  2011年
監督:カン・ヒョンチョル
出演:ナミ→ ユ・ホジョン、シム・ウンギョン
   チュヌァ→ チン・ヒギョン、カン・ソラ、
   チャンミ→ コ・スヒ、キム・ミニョン
   チニ→ ホン・ジニ、パク・チンジュ
   クモク→ イ・ヨンギョン、ナム・ボラ
   ポッキ→ キム・ソンギョン     キム・ボミ
   スジ→ ユン・ジョン、ミン・ヒョリン

ナミ(ユ・ホジョン)は夫と高校生の娘に恵まれ、主婦として平凡だが幸福な毎日を送っていた。そんなある日、彼女は母の入院先の病院で高校時代の親友チュナ(チン・ヒギョン)と思わぬ再開を果たす。25年ぶりに再会した友人はガンに侵され、余命2カ月と宣告されていた。チュナの最期の願いはかつての仲間たちと出会うことだった。


ムサン日記~白い犬

2012年05月19日 | 韓国
ムサン日記

渋谷のシアター・イメージフォーラムで鑑賞 
  → こちら

イ・チャンドン監督の『詩』で助監督を務めたパク・ジョンボムの監督デビュー作。
主人公が独特の風貌なんですよね。誰だろうと思ってたけど、なんと監督自ら主演だそうです。
北野武監督の「HANA-BI」を見て映画に興味を抱いたそうで、自ら主演するスタイルも北野流ですよね。
ムサンとは中国と国境を接する北朝鮮の街の名。ここから脱北したパク監督の大学時代の後輩が主人公のモデルだそうです。

いい映画だった。そして重い。
ずっしりと重い気持ちで映画館を出たときに外はちょうど雨上がりの晴天で、明るい空を見たとき、自分でもびっくりするくらいにホッとした。
現実の世界に戻ったものすごい安堵感があって、そんな感覚にちょっと驚いた。

主人公はおかっぱ頭なんですよ。
脱北者ということで仕事は限られて生きるだけで精一杯。不器用ながらも正義を貫いて暮す彼は寡黙。言葉少なに暮してるけど心の奥底に言いたいことや思いがいっぱい詰まってる。彼の代わりに思いっきり叫んであげたい気持ちになった。

ペックという白い犬は、苦しい状況でも彼が堂々と生きていることの証のような存在だったのかな。
そんな彼がおかっぱ頭をやめ、彼なりの生きる道を模索し始めたときにペックに、、
衝撃のラストでした。



ムサン日記~白い犬(原題:무산일기)  2010年
監督:パク・ジョンボム
出演:パク・ジョンボム、チン・ヨンウク、カン・ウンジン

中国との国境に接する北朝鮮の街ムサンから、脱北して韓国に来た青年スンチョル(パク・ジョンボム)。脱北仲間のギョンチョル(チン・ヨンウク)と安アパートを借りて暮らしていたが、北での生活と代り映えするものではなかった。一方、韓国での暮らしにすぐさま順応したギョンチョルは、危ない仕事に手を出して金を稼いでいた。いつまでもおかしなおかっぱ頭にダサい服の、いかにも脱北者らしい風貌のまま、わずかな賃金でポスター貼りのアルバイトを続けるスンチョルのことを、ギョンチョルは歯がゆく思っていた。スンチョルは定職を探すが、住民登録番号が“125”で始まることから脱北者であることがばれてしまい、すぐ断られてしまう。そんなスンチョルは、教会に心の拠りどころを求める。そして、白い制服を着て歌う美しい聖歌隊の女性スギョン(カン・ウンジン)に密かに憧れるが、近づくこともできない。ある日、スンチョルは白い犬を拾う。スンチョルは犬に、韓国語で白い犬を意味する“ペック”と名付けて可愛がる。たいした金も稼げないくせに犬を飼うスンチョルに、ギョンチョルは苛立ちを隠せない。やがて、ペックと心を通わせ、必死に生きようともがくスンチョルの前に、厳しい現実が容赦なく立ちはだかる。


僕たちはバンドゥビ

2012年05月16日 | 韓国
20120516-1.jpg

ミンソ役のペク・チニは「フェスティバル」でチャヘを演じてた女優さんだったのね。
どっかで見たことあるなぁってずっと思いつつ見てました。

ミンソは実は英語塾に行きたくてバイトしてるんだから勉強する気もあるし頭もきっと悪くないと思うんだけど、拾った財布はネコババするし、ガソリンを車内にかけるし、無表情で無愛想でちょっとイヤな感じの女子高校生。

バンドゥビってベンガル語で「真の友人」という意味なんだそうです。
バングラデシュから韓国へ働きに来たカリムという青年を通していろんなことを感じてミンソが大人になる話。

なんたってラストのシーンがすごくいいです。
学校から学ぶことは何もないと思ったミンソは、学校をやめて働くことを選ぶ。
ちょっと大人になった(服装が落ち着いている)ミンソがバングラディシュ人がやっているレストランへ行き、カリムが作ってくれた料理と同じものを注文して、それを黙々と食べるの。
真の友人のカリムのことを思い出しながらエンディングロールが流れる横でひたすら黙って食べる。
黙々と食べるシーンに驚いて、そして感動したのでした。



僕たちはバンドゥビ(原題:반두비)  2009年
監督:シン・ドンイル
出演:Mahbub Alam Pollob、ペク・チニ

恋人の世話で忙しい母親を持ち、自立心と孤独感のはざまに立つ女子高生ミンソ(ペク・ジニ)。ネイティブ英語塾に通おうとさまざまなアルバイトを始めるものの、資金を思うように貯められないミンソは、バングラデシュ出身の出稼ぎ労働者カリム(マーブブ・アラム・ポロブ)の財布を拾い、そのまま知らんふりしてしまう。


テルマエ・ロマエ

2012年05月16日 | 日本
テルマエ・ロマエ


主人公のお風呂の設計技師のルシウスを阿部寛が演じた時点で、もうこの映画は面白さは決定したようなもんよね、いや、彼以外は考えられない~
いつだったかこの映画を話題にしたテレビ番組で、イタリア人がこの映画の主人公は日本人なのか!って驚いてたのを見て笑いました

舞台はずっと日本の銭湯かと思ってたら、時代をあっちいったりこっちいったりするのね
現代では古代ローマ語(かな?)を話すのに、古代ローマではなぜか日本語なんですよね(笑)
平たい顔族を最初は下に見てたのに、日本独自の文化にカルチャーショックを受けて模倣していくの
笑った笑った

徹夜で初級ラテン語を勉強して古代ローマで暮すようになった上戸彩(真実)
これはもう、絶対にドラえもんの翻訳コンニャクを食べたとしか思えないよね(笑)

タイムスリップするときに、人(人形)が渦に巻き込まれてグルグル回っていくとこなんて
あまりのバカバカしさに大笑いしました
おバカなものを一生懸命に真面目に作る感じっていうか(笑)こういうの好き~

最後は平たい顔族のおじいちゃんたちが大活躍です
知恵があって団結力があって思いやる心があって、、日本人っていいなぁって思った

上戸彩のほのかな色気にちょいビックリ。大人になったのね(今更な感想?笑)



テルマエ・ロマエ  2012年
監督:武内英樹
出演:阿部寛、上戸彩、北村一輝

古代ローマの浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は生真面目すぎる性格から時代の変化についていけず職を失ってしまう。落ち込んだ彼は友人に誘われて公衆浴場を訪れるが、そこで突然、現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまう。そこで出会ったのは漫画家志望の真実(上戸彩)たち“平たい顔族”、つまり日本人だった。日本の風呂文化に衝撃を受けたルシウスは古代ローマに戻ると、そのアイデアを利用して大きな話題を呼ぶ。タイムスリップを繰り返すルシウスはローマで浴場技師としての名声を得ていく。

桑の葉

2012年05月16日 | 韓国
桑の葉

前から観たかったんだけどツタヤで発見、喜び勇んで借りてきました。
面白かった~~♪
コリアンエロスと呼ばれる映画だけど健康的なエロスよね。若いイ・ミスクさんがともかく可愛くて魅力いっぱい。綺麗だわ。

「桑の葉を摘みに行こう」は抗日活動家の隠語だったそうで彼が抗日運動に関わっていることが示されている。だからいつもサンボに日本人憲兵の尾行がついてたのね。
小さな村のお色気話のような話なんだけど深いです。
良い映画だわ~。



桑の葉(原題:뽕)  1985年
監督:イ・ドゥヨン
出演:イ・ミスク、イ・デグン、イ・ムジョン

1920年代、村一番の美人アンヒョプ(イ・ミスク)は賭博好きで年に数回しか家に帰らない夫サムボ(イ・デグン)に金を渡すために桑の実の収穫を引き受けるが、村の男たちはそんな彼女に言い寄り、彼女も良心の呵責を感じながらも生活の苦しさから金と引き換えに体を許していく。しかしそれが村の女たちの知るところとなり、長老が追放を告げにいくが、彼女の魅力の前に骨抜きにされ、引き下がってしまう。そんな中、アンヒョプにしつこく言い寄りながら相手にされないサムドル(イ・ムジョン)が腹立ちまぎれに全てをサムボに話してしまう。サムドルを殴り倒したサムボはアンヒョプを問い詰めるが、全ては自分が置いてけぼりを食わせたことが原因だと彼女を許し、また都会へと去っていく。


春香秘伝

2012年05月16日 | 韓国
春香秘伝

韓国では有名な『春香伝』のもう一つの物語。
これは、やっぱり元の物語を知っておかなくちゃいけないよね。

李朝時代、南原府。貴族の息子、夢龍(モンニョン)が、妓姓の娘、春香(チュニャン)にひと目ぼれし彼女を妻にすることを約束する。二人は人目を忍んで愛を育むが、夢龍は父の昇進に伴い転居することになり、身を引き裂かれるような思いで、二人は再会を誓い合った。時が経て、科挙試験に及第した夢龍は密命を受けて南原に戻ってくる。だが、春香が新しい長官のそば仕えを拒否したため、拷問の末に処刑を宣告されると告げられる。

原題を直訳すると『房子伝』
邦題は『春香秘伝』(シュンカ秘伝、チュニャン秘伝これ日本語ではどう発音するの?、)
正直、原作を詳しく知らない私にタイトルが馴染まなかったんだけど、房子というのはバンジャという名前じゃなくて下男とか下僕という意味だそうです。なるほど~納得。

この作品の情報として最初に流れてくるのが「エロいよ~」なんですが
屋敷で寝起きを共にしているマ老人に恋愛相談したのでそうなっちゃったのね(笑)
性の奥義を極めたマ老人、はい、御存じ愛しのダル様。
前作の『恋の罠』に続いてのご出演~☆
ダルスさんがいるだけで映画が面白くなっちゃう。
でもそのエロさは本質的に作品に必要なのかどうかわかんないけど、、

ロミオとジュリエットのような純愛物語よね、身分制度の厳しかった李朝鮮時代は愛していても身分の差はどうしようもない。ラストは切ない終わり方です。
もうひとつの春香伝。うまい具合に「秘伝」になってるなぁと感心したのでした。




春香秘伝(原題:방자전)  2010年
監督:監督:キム・デウ
出演:キム・ジュヒョク、リュ・スンボム、チョ・ヨジョン、オ・ダルス

貴族の子息モンニョンに仕える下男のバンジャ。ある夜、絶世の美女とうたわれる、妓生(キーセン)の娘チュニャンの歌声に魅せられたモンニョンはバンジャに命じて逢引の手はずを整えさせる。しかしそのバンジャもチュニャンの美しさに心奪われてしまった。はじめは主人を立てて身を引いていたが、モンニョンのあまりの横暴さへの反発から、チュニャンを物にしようと考えるようになる。ともに暮らすかつての稀代の遊び人、マ老人の手ほどきを受けて夜這いを決行したバンジャ。もとから密かにバンジャの男性美に惹かれていたチュニャンは驚きつつも抗うことが出来ない。ついに想いを遂げたバンジャに、今度はチュニャンから意外な約束を迫られる。


シラノ恋愛操作団

2012年05月11日 | 韓国
シラノ 恋愛操作団

シラノ・ド・ベルジュラックは大きな鼻をもつ男。ロクサーヌに密かな思いを寄せていたが、ロクサーヌは同じ近衛兵である美男のクリスチャンに思いを寄せ、クリスチャンもまたロクサーヌに想いを寄せていた。想いを伝える優雅な言葉を知らないクリスチャンのかわりにシラノは手紙を送りつづける。

9世紀のフランスの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』からヒントを得て作られてるんですね。

劇団の資金不足解消のために恋愛エージェンシーを運営するっていうアイデアが抜群ね。
脚本を書き、芝居の主人公のように行動させ、最高の場面を演出して恋愛とゲットするなんて面白い。
但し現実に自分がされたらちょい考えますけどね。
だって二人だけのキスのはずが、あっちこっちからカメラで撮られてるのよ。後でそれを知ったときがどうなるのか怖い~(笑)

笑いどころも随所にあって、それもオシャレな雰囲気で楽しめてホント面白かった。

ビョンフン(オム・テウン)とミニョン(パク・シネ)の今後を匂わせる終わり方にしたかったのは納得だけど、最後がちょっと長かったですけどね。
最後がもっと簡潔に終ったら最高だったのになぁ。



シラノ恋愛操作団(原題:시라노 ; 연애조작단)  2010年
監督:キム・ヒョンソク
出演:オム・テウン、イ・ミンジョン、チェ・ダニエル、パク・シネ、パク・チョルミン

100%の成功率に挑戦する「シラノ 恋愛操作団」は、恋愛に奥手な人たちの代わりに恋愛を成就させる恋愛操作団だ。時には映画の撮影会場をほうふつさせる程の組織的な動きをし、時には秘密作戦を遂行するように完璧に構成された脚本で、依頼人の愛を成就させる恋愛エージェンシー。彼らの信条は「日陰で仕事をし、日の当る場所を指向しない」だ。そんなある日、エージェンシー代表のビョンフン(オム・テウン)と彼の作戦要員ミニョン(パク・シネ)は、予測不可能の依頼人サンヨン(チェ・ダニエル)と会う。なにもかも最高だが、恋愛はまるで駄目な2%不足したサンヨンが愛した女性は予測不可能な愛らしい容貌のヒジュン(イ・ミンジョン)だ。依頼人のターゲットであるヒジュンのプロフィールを見た瞬間、ビョンフンは苦悶に陥った。


HOME 愛しの座敷わらし

2012年05月10日 | 日本
HOME 愛しの座敷わらし

水谷豊の演技してるとこと見たの何年ぶりかなぁ。
安定感たっぷりでいいんだなぁと再認識。
安田成美も久しぶり(CMではチラチラ見ますけど)、毎朝家族のお弁当作ってそうなイメージがぴったり。お二人のしっくり感がとても心地良かったです。

座敷わらしって、口減らしのために間引かれた子の霊という言い伝えもあるのね。主に岩手県に伝えられる精霊的な存在で、座敷に住む神と言われて家に富をもたらすなどの伝承があるそうです。

壊れかけた家族関係が座敷わらしによって再生されていく、心温まるホットウォーミングな話。
せっかく可愛い座敷わらしちゃんが登場するんだから、もう少し彼をめぐって物語が動くと面白かったかも。

古民家や周りの風景が素晴らしくて、昔、遠野の近くに住んでたことがあったので懐かしかった。



わが母の記  2012年
監督:和泉聖治
出演:水谷豊、安田成美、濱田龍臣、橋本愛、草笛光子

父・晃一(水谷豊)の転勤で東京から岩手の田舎町へと引っ越してきた高橋一家。晃一がよかれと思って選んだ新しい住まいは、なんと築200年を数える古民家だった。東京での暮らしに馴れていた妻の史子(安田成美)は突然の田舎暮らしに不安と不満でいっぱい。老人ばかりの近所付き合いにも乗り切れないでいた。中学2年の長女・梓美(橋本愛)にも古民家はただのボロ家にしか見えず、転校先の学校生活を考えると心が落ち着かない。転校前の学園生活でも人間関係で悩んでばかりだったからだ。また、同居する晃一の母親・澄代(草笛光子)は田舎住まいには支障を語らないものの、最近、認知症の症状が始まりつつある様子。唯一、古民家への転居を楽しんでいる小学4年の長男・智也(濱田龍臣)は治りかけている喘息の持病を今も史子にひどく心配され、サッカーをやりたくてもやれずにいる。五者五様、どこかぎくしゃくしている一家をやんわりとまとめたい晃一だったが、家族の不平不満をなかなかうまく解消することはできず、異動先の支社でも馴れない営業職に悪戦苦闘の毎日だった。そんなある日、不思議な出来事が高橋家に起こり始める。


わが母の記

2012年05月09日 | 日本
わが母の記

井上靖の自伝的小説「わが母の記〜花の下・月の光・雪の面〜」を映画化したもの。
撮影は伊豆や井上靖が家族とともに過ごした世田谷区の自宅でされたそうです。(井上邸は撮影終了後北海道の旭川へ移築)
物語の舞台は昭和30年代。どっしりした家のたたずまいや風景や、家長と中心とした家族の在り方をみてるだけで郷愁を感じる。
なんででしょうね、実際そんな家庭で育ったわけじゃないから懐かしいというのはちょっと違うはずだけど、、、

・少年時代に書いた詩を母の八重が全て諳んじて洪作が号泣する
・海辺で洪作が八重を背負う

映画の予告編ではまさにこの二つのシーンが使われていて、こりゃもう見る前から泣くしかない映画だと(笑)、ある意味覚悟して行ったわけなんですが、そういう感じじゃないところがよかった。

多感な子供時代に他人に預けられた洪作は母は自分を捨てたんだと心の奥底ではずっと憎みつつ、母への愛を持っていた。その憎しみと愛情が母の痴呆を受け止めながら日常生活の中で昇華していくさまが淡々と伝わってきてとても自然だった。見てる側も自然に納得していくといいますか、、

なんと言っても樹木希林が素晴らしいのひと言でした。
こんな風に愛されながら、こんな風にわがままになって、こんな風に可愛く呆けていきたい。
彼女を見るだけでも映画を観に行く価値はあったと思ったのでした。



わが母の記  2011年
監督:原田眞人
出演:役所広司、樹木希林、宮崎あおい

1959年。小説家の伊上洪作(役所広司)は、父・隼人(三國連太郎)の見舞いに行った湯ヶ島の両親の家から東京の自宅に帰ってくる。妻の美津(赤間麻里子)、長女の郁子(ミムラ)、二女の紀子(菊池亜希子)が、伊上の新作小説にせっせと検印を捺している。それはベストセラー作家の家族の大切な仕事であったが、三女の琴子(宮崎あおい)の姿はない。自室にこもって夕食にも降りて来ない琴子に不満を募らせる伊上。深夜、持ち直したかに見えた隼人の訃報が入る。1960年。父亡き後、伊上の妹・桑子(南果歩)が母・八重(樹木希林)の面倒を見ているが、八重の物忘れはますますひどくなっていく。1963年。八重の誕生日に、川奈ホテルに集まる一族。伊上のもうひとりの妹・志賀子(キムラ緑子)、夫の明夫(小宮孝泰)、運転手の瀬川(三浦貴大)、秘書の珠代(伊藤久美子)も参加しての盛大なお祝い会。だが、八重の記憶はさらに薄れていた。