きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

窓辺にて

2022年11月26日 | 日本

 

かなりの会話劇で始まり、登場人物の関係性をつかむまでは少しとまどったけれど、
妻の浮気を知っても、怒ることも言い出すこともできないフリーライター・市川茂巳の物語であると理解してからはすんなり入ってきた。

会話と生活音、音が途切れる瞬間もあり、彼らの日常生活に溶け込んだようなゆったりしたリズムが心地よかった。

妻に浮気されたのに怒りが湧かない主人公市川茂巳(稲垣吾郎)
浮気しながら感情が見えない市川紗衣(中村ゆり)
茂巳の友人でこれまた妻に内緒で浮気している有坂正嗣(若葉竜也)
その浮気相手でタレントの藤沢なつ(穂志もえか)

不倫の話だけど、そこがメインテーマでもないんですよね。
そもそも浮気というか、人を愛するって何だろうって考える。

「ラ・フランス」という作品で受賞した高校生作家の久保留亜(玉城ティナ)が物語を良い感じに動かしていて
交際相手への素直な感情が可愛くて面白い。

手に入れたものと、手放す人の話。
ちょっと哲学的。

タクシー運転手がパチンコって時間も金を消費していく贅沢な時間だって話から、パチンコに行くところ面白かったね。

今泉監督が稲垣吾郎を当て書きした脚本だけあって、すごくしっくりくる。
主人公が稲垣吾郎そのもののように感じるんだけど、でも主人公は吾郎ちゃんじゃなくて市川茂巳なんだよね。
絶妙な演技力でした、素晴らしい。

タイトルの「窓辺にて」
カフェの窓辺で思いがけず高校生作家の久保留亜とパフェを食べることになった光のような瞬間、そして光(光の指輪)
理屈ではなくあぁ、人生って瑞々しく幸せに溢れてると感じることができる。

彼らの心情はほぼ観てる私たちに託されてて、だからこそいつまでも考えてしまう思慮深い作品。
やっぱり今泉監督最高です。

 

窓辺にて  2022年  ☆☆☆☆☆  
監督:今泉力哉
出演:稲垣吾郎、中村ゆり、玉城ティナ、若葉竜也、志田未来、穂志もえか

フリーライターの市川茂巳(稲垣吾郎)は、編集者の妻・紗衣が売れっ子小説家と浮気していることを知りながら、妻にそれを指摘できずにいた。それだけでなく、彼は浮気を知ったときに芽生えた自身の感情についても悩んでいた。ある日、文学賞を受賞した女子高校生作家・久保留亜の小説に心を動かされた茂巳は、留亜に小説のモデルについて尋ねる。

 

No.11


ボクたちはみんな大人になれなかった

2022年03月25日 | 日本

 

どっかで聞いたことがあるタイトルだなぁって思ったら、燃え殻さんに興味あって何冊か購入して読もうと思ってたんだった(笑)

ポケベル・Stussy・ポータブルMDプレーヤー・小沢健二・ノストラダムス、、
90年代のファッションやカルチャーが満載でリアルタイムに過ごした人には懐かしいのかもしれない。
私はもうちょっと大人なのでね。

主人公の21才から46才までの物語で、46才のコロナ渦の今から始まって21才まで遡って描かれる。
結果があって、どうしてここに辿り着いたのかと思いながら観るので、余計にエモーショナルな印象を受ける。

初めてできた彼女「かおり」との出会いがとても重要で、普通でないのがいいという価値観。
うん、わからないでもない。
そういう気持ちは確かにあった。
でもいつのまにかそんなこと考えもしなくなっていた。

その時、その場所でいろんな人に会って、過ごした経験の積み重ねで今があるんだなって、ちょっと自分のことを振り返ったりした。

確かにそこにあって、過ごした時間たち、自分を形成してくれたものたち、でも今は存在しないもの。
ホント「普通」なんですよ、でもかけがえのない大切な今の普通。

大人になれなかったけれど、いつのまにか大人になってるんですよ、、なんか禅問答みたいな結論です。

 

 

ボクたちはみんな大人になれなかった  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:森義仁
原作:燃え殻
出演:森山未來、伊藤沙莉、東出昌大、SUMIRE、大島優子、篠原篤

1995年。佐藤(森山未來)は、文通相手のかおりと原宿のカフェで会う。「君は大丈夫だよ。おもしろいもん」と言われ、普通じゃない自分を目指していた佐藤は、その言葉を支えにテレビの美術制作会社で懸命に働きながら小説家を目指す。その後かおりが去り、小説家にもなれなかった彼は、テレビ業界の片隅で働き続けていた。バーテンダーのスー(SUMIRE)との出会い、恋人の恵(大島優子)との別れなどを経て、気が付けば佐藤は46歳になっていた。

 

No.9


空白

2022年03月25日 | 日本

 

「空白」の英題は「intolerance」、不寛容という意味。

感情のままに暴言を吐く、他人の感情を推し量ろうとしない、そして娘に無関心だった父。
店長はひたすら謝るだけ、人との関わりがとても苦手そうな人。後ろ向きな思考で感情が見えにくい。

開始早々に死んじゃった娘ちゃんが可愛そうだった。
存在感が薄くて、意思表示が苦手で、友達に何の印象も持たれないまま、この世から消えてしまった。
絵が上手だったんだよ、描くことで自分を表現していたんだね。

彼女は万引きをしたのか、真実はわからない。
店長は彼女にいたずらをしたのかも事実はわからない。
責任転嫁するように、あえて青柳の噂程度の話を父親に耳打ちする学校に嫌悪を感じた。

スーパーで働くベテラン店員は間違ったことははっきり正す、そしてボランティア活動に精を出し、自分を善意の人として自覚することで立っている人。
でも頑張っているのに周りと全く噛み合わない。

不協和音ガンガンなりまくりの方々。
疲れる、、現実にそうやって疲れてる人はたくさんいる。 

「どうやって折り合いをつけるんだろう」
最後に古田新太さんが放った言葉でなるほどとちょっと納得した。

折り合いをつけることがとても苦手な人たちの物語だったんだなって。

でもラストに起きた些細な出来事で少しだけ気持ちが救われた。
すれ違いながら、不協和音を奏でながら、折り合いをつけることは簡単じゃなく、
でも結局は人との触れ合いにホッとしながら生きていくもんなんだろな。

演技の巧い俳優だけで作ったって監督さんが言うくらいですから、本当に面白かったし、だからこそ観ていてずっしり疲れた(笑)
今回も自らの脚本でオリジナル作品。吉田恵輔監督作品は期待を裏切らない、ほぼ傑作です。

 

 

空白(英題:intolerance)  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:吉田恵輔
脚本:吉田恵輔
出演:古田新太、松坂桃李、伊東蒼、田畑智子、藤原季節、趣里、寺島しのぶ

スーパーの店長に万引きを見咎められた女子中学生は、逃げて車道に飛び出したところ、凄惨な事故に巻き込まれて命を落としてしまう。彼女の父親である添田は、事故の原因となったスーパーの店長を追い詰めようと、マスコミを巻き込みながら激しい憎悪をエスカレートさせていく。

 

No.8


まともじゃないのは君も一緒

2022年02月22日 | 日本

おもしろかったーー!!
テンポが良くて展開がすっきりわかりやすくて楽しい☆
更に更に、主演の成田凌くんと清原果耶ちゃんがともかくうんまい!!
二人の絶妙にかみ合わない理屈満々の掛け合いが楽しくてずーっと楽しい。
キャスティングもばっちりで、胡散臭い実業家の小泉孝太郎さんがジャストフィットで、婚約者の泉里香さんが綺麗で聡明で素敵。

もう最高じゃないですか☆

二人でしゃべってる時の大野の引き笑いが気持ち悪くてうまいわぁ、そしてツボる。
そして婚約者の女性に対すると急に感じよい人になる不思議さ(笑)
友達のバーで、エナジードリンク10杯飲んで酔っ払ったおじさんにくだまいてる香住もうんまいわぁ。

そもそもまとも(普通)ってなんなの?って話で、
いろんな普通が世の中にはあって、同時に案外みんなそれぞれちょっと変だったりするしね。

登場する人全員にどこか共感する部分があって、ひたすらに楽しく鑑賞できる作品でした。

 

 

まともじゃないのは君も一緒  2020年  ☆☆☆☆☆
監督:前田弘二
脚本:高田亮

出演:成田凌、清原果耶、泉里香、小泉孝太郎

予備校講師・大野は、独身・彼女なし。ずっと 1 人で大好きな数学の世界で生きてきた。今の生活に不満はないが、このままずっと 1 人なのかと不安になることもある。自分だって普通に結婚したい。ただ、普通が何かわからない。女の子とデートをしてもなんだかピントがずれているような空気は感じているが、どうしていいのかはわからない大野。教え子の香住はそんな大野を”普通じゃない”と指摘してくれる唯一の相手。大野は香住に「どうしたら普通になれる?普通を教えてほしい。」と頼み込む。

 

No.6


街の上で

2022年02月19日 | 日本

 

若い頃を思い出す懐かしい何気ない日々。違和感なく馴染んでしまって、ずっとこのままこの人たちとこの街で一緒に過ごしたいくらいな気分でした。
街の佇まいが本当によくて、古着屋も、古本屋も、行きつけのバーも、小さな劇場も、まるで自分がそこにいたような心地よさ、生活感が残る。

~誰も見ることはないけど、確かにここに存在してる~
まさにその通りで、街の上で起きていた誰にもある存在していたものたち。

あんな風に街に出て、人と出会い人とかかわることが、コロナによって失われて、格段になくなってしまった今だからこそ、いろんなことを感じるんだろな。
そして下北沢は再開発が進んで、今現在は風景が変わってきているんだそうで、そういう点でも意味の深い作品でした。

主人公の青、古本屋で働く冬子、映画仲間のイハ、監督の卵の町子、そして元カノになった雪。
他にも古着屋のカップルの客や、カフェやバーの店主、お巡りさん等々、皆さん愛すべき人たちで、キャラクタが際立っていて上手いんですよね。
前半は比較的淡々とした展開だったけれど、終盤の路上でのややこしい人間関係のもつれは大爆笑でした。
そしてゲスト出演だと思ってた成田凌がまさかのそんな役回り!!(笑)

青と4人の女性の関係が、近いわけでなく、遠いけど優しげで、好意的で、基本的に青は振り回されるんだけど、そこがすごく好きでした。平和だ☆




街の上で  2019年  ☆☆☆☆☆

監督:今泉力哉
出演:若葉竜也、穂志もえか、古川琴音、荻原みのり、中田青渚、成田凌

下北沢の古着屋に勤務している荒川青(若葉竜也)は浮気されて振られた恋人を忘れることができなかった。ときどきライブに行ったりなじみの飲み屋に行ったり、ほとんど一人で行動している彼の生活は下北沢界隈で事足りていた。ある日、美大に通う女性監督から自主映画に出演しないかと誘われる。

 

No.5


真夜中乙女戦争

2022年01月20日 | 日本

 

最初に感じたこと、声がいいよねー、私の声がいい。
今作のイメージの大きな要因になっているような気がする。
そしてとても美しい映画だった。

冒頭で私がこの作品は110分で終わると名言したので思わずニヤッとした。
そっか、これから始まることが寓話であることを宣言したんだな、って。
東京タワーから街の夜景が逆さまに映り、ぐるぐる回り、現実世界と違う世界に行ったり来たりしているんだという導入でした。

難解かもしれないという評判だったけれど、比較的わかりやすい作品だった
ともかくネタバレを一切避けたので公開初日に鑑賞、
ファイトクラブをもう一度観ておこうかとも思ったけど時間がなく、観なくて正解だったかもしれない。

黒服に影響を受ける私という関係だけれど、実は黒服は私の中に存在するものじゃないかとも感じていて、柄本さんがあえて存在感を重くしないように演じているんじゃないかと思ったりもした。
池田エライザさん演じる先輩がもっとミステリアスな役かと思いきや、真っ当に存在していそうな、私を現実に引き戻してくれるような役割でしたね。
先輩に思いを寄せる私だけれど、恋愛というよりは、二人はとても似ていて、まるで双子のような関係性を感じた

ともかく廉くんのビジュアルがとても綺麗、ああ綺麗だな、、思わず何度も思ったけれど(エライザさんも綺麗)、彼の凄い所は、その綺麗さが演技の妨げにならないところですね。そして目の表情がいい。
ちゃんと私の佇まいでそこにいて、鬱屈とした大学生で、母親だったらつかみどころがなくてイライラする男の子だった。

出演者はほぼこの3人で、素晴らしいキャスティングでした。

あえていうなら、中盤の黒服が徒党を組んで反社会的にエスカレートしていくあたりが少し弱いというか、もっと過激で危険だったらよかったけれど、逆に今の時代は凶暴性が見えない方がリアルなのかもしれない。
その後に続くラストまでの流れが良かった。
私と先輩が向かいあう場面、私と黒服が対峙する場面からのクライマックスは息を呑んで観た。
東京が破壊される映像が感動的に綺麗で最高のエンディング。
私がコロナ禍の今を笑顔で生きていると信じたい。

ビリーアイリッシュの曲を聴きながらのエンドロールの余韻がとてつもなく気持ちが良かった。

面白かったです☆

 

 

真夜中乙女戦争  2022年 
監督:二宮健
出演:永瀬廉、池田エライザ、柄本佑

上京して一人暮らしを始めるも友人も恋人もできず、大学の講義も身が入らず無気力な日々を送る大学生の“私”(永瀬廉)は、ひたすら東京タワーを眺めていた。やがて「かくれんぼサークル」で出会った美しく知的な“先輩”(池田エライザ)に好意を寄せるようになるが、人の心を一瞬で支配する謎の男“黒服”(柄本佑)と出会ったことで状況は一変。黒服と二人でささいないたずらを繰り返していくうちに、私は全ての退屈を破壊する“真夜中乙女戦争”という名の東京破壊計画に巻き込まれていく。

 

No.3


浅草キッド

2022年01月20日 | 日本

 

たけしが若い頃に浅草のストリップ劇場で働いていたことはなんとなく知っていたし、師匠の存在やエピソードもうっすらと聞いたことがあるような気がするんですよね。
なので物語の展開としては目新しモノではなかったんだけれど、
正直にね、良すぎてびっくりしました。

特筆すべきはビートたけし役の柳楽優弥の演技、凄まじく素晴らしかった!!
外見の印象は全く違うのに、何気ないしぐさや表情や立ち姿がたけしそのもので、ビートたけしが憑依したようで、マジで驚いた。

そして師匠の大泉洋が、笑われるんじゃない笑わせるんだ!という芸人として矜持を持ちながら、劇場にこだわりテレビに出演しなかったことから「幻の浅草芸人」と呼ばれた深見を凄い熱量で演じてました。
颯爽とストリップ劇場に入っていく様が粋でかっこいいんですよね、まさに昭和の粋な芸人。

時代背景が懐かしくて泣ける。
人間関係が希薄になりつつある今だからこそ、こういう師弟関係を拝見すると胸が熱くなる。

ネットフリックスでありがたく観ましたけど、近場の劇場で上映してくれたら、夫を連れて観にいきますけどねー。

満足すること間違いなしの作品でした。

 

 

浅草キッド  2021年   ☆☆☆☆☆ 
監督:劇団ひとり
出演:大泉洋、柳楽優弥、門脇麦、土屋伸之、鈴木保奈美

昭和40年代の浅草。大学を中退後、たけし(柳楽優弥)は「ストリップとお笑いの殿堂」と言われる浅草フランス座に転がり込み、「幻の浅草芸人」と呼ばれていた深見千三郎(大泉洋)に弟子入りする。東八郎や萩本欽一など、お茶の間を席巻していた大人気芸人を育てた深見の下で、たけしは大成することを目指し笑いの修行に勤しんでいた。しかしテレビが普及するにつれ、演芸場の客入りは減る一方だった。

 

No.2


ドライブ・マイ・カー

2022年01月20日 | 日本

2時間59分の長尺で、体感としてはもっと短かったけど、集中力が必要な映画館で観るべき作品。
とても良かった。
感じること(考えること)が多くて、感想を聞かれてひと言で説明できないよね。
物語が収束するというよりも広がって終わった感じで(←もううまく説明できてない)
ウェルメイドとか、伏線が回収されて納得とか、カタルシスですっきりするとか、そういう次元で語れないものだった。

始まりはえっ?という印象。
舞台俳優の家福と妻の音との不思議な夫婦関係と、家福の喪失感の理由をアバンでじっくりと描く。長かった。

大切な人を失った人の喪失と再生の物語。
ひと言で説明するとそうなっちゃうんだろうけどちょっと違う。

入れ子方式で描かれるのが、広島で行われた演劇祭の演目チェーホフの「ワーニャ伯父さん」
9ヶ国語で演じていて、普通ならコミュニケーションできるはずのない異なる多言語で会話するの。
これが面白かったですね。
言語とは何か、というか、コミュニケーションに必要なものは何だろうって考えるよね。
演じるってどういうことだろう、、とか。
本読みの場面が延々と繰り返されるの、凄いよね、ちょっと規格外(笑)、でも必要だったんだろな。

そして演出家の家福が結果として演じることになって、人は悲しみや後悔を抱えながらも生きるしかないと、自ら答えを示すように家福自身が演じる。
韓国手話は音を発しなくても、シンプルにダイレクトに伝わる感情があって素晴らしい、感動しました。

タイトルどおり、家福の愛車サーブでドライブする場面が物語の中心で、車の中でいろんな会話がされるんだけど、
高槻と奥さんとのその後の話(物語)はちょっとびっくりした。
結果として彼のその後の行動が物語を動かしたけれど、わかるようなわからないような、、でも人生ってそういうもんだよな、、説明のつかないことってある、という謎の説得力がある。
高槻と家福は対極にいるよね。

人と人とが分かり合う方法、伝え合う方法の話をしていて、声とか演じることもテーマのひとつ。

本読みは感情をこめずに言葉ではなく声で発する。
亡くなった妻の声で、車の中で台詞を繰り返し流して練習する。
みさきの母との話、本当のことかどうかはわからないけれど、母は心からその言葉(声)を発してた。

声にこだわっている意味はなんだろう。
と同時に車の中の会話だからか、言葉で説明することが多くて、それで違和感ないことが面白いと思った。

エピローグは韓国でしたね。
コロナじゃなかったら撮影は釜山で行われる予定だったらしいので韓国なのかな。
晴れ晴れとしたみさきの表情で納得したけれど、観る側に結末を預けているのも好きです。

タイトルを聞いて最初に浮かんだのは、ビートルズの「ラバーソウル」
1曲目が「ドライブマイカー」で2曲目がシタールで始まる「Norwegian Wood」ノルウェイの森
高校生の時に繰り返し聴いた大好きなアルバムなんだけど、なぜか村上春樹さんで繋がって面白いと思ったのでした。

 

 

ドライブ・マイ・カー  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:濱口竜介
出演:西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、岡田将生
原作:村上春樹

脚本家である妻の音(霧島れいか)と幸せな日々を過ごしていた舞台俳優兼演出家の家福悠介(西島秀俊)だが、妻はある秘密を残したまま突然この世から消える。2年後、悠介はある演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島に向かう。口数の少ない専属ドライバーの渡利みさき(三浦透子)と時間を共有するうちに悠介は、それまで目を向けようとしなかったあることに気づかされる。

 

No.1


きのう何食べた?

2021年11月04日 | 日本

 

大好きなドラマ、正月のスペシャルドラマも最高だったよね。
ドラマの劇場版って、基本的にはドラマでいいんじゃ?、、、と常日頃、若干否定的なとこあるんですけど、
このドラマに関してはシロさんとケンジに会える喜びで全面的に楽しみに待ってました。

初っ端の京都旅行のくだり、面白くてワクワクして、劇場でもあちこちで笑いが起きてた。

先日までおかえりモネで拝見していたお二人、とくにモネのパパだったケンジのあまりの変貌ぶりに感動感心しきりです。
(内野さん紫綬褒章おめでとうございます)

独別なことは何も起きない。仕事して、ご飯を作って食事する。
でも当たり前の日々が幸せなんだよなぁって再確認させてくれる。
丁寧に暮らしていこうと思えるし、家族に優しくなれる。

劇場版になったからといって何も変わらなかった。
ドラマで観ていた時と同じ、いつものほんわかとした日常だった。
そこがね、とっても良かったんですよ。

だだ、ちょっとだけ長かったかな。
後半のシロさんがケンジを心配するくだり、もうちょっとコンパクトだと良かったかも。

いやっ! でも最高だったです!!!!(大好きなドラマだから)

あの台所で作るお料理も美味しそうで、我が家の今夜の夕食は、ぶり大根と厚揚げにネギ味噌。
ぶりと大根を時間差で煮る方法、さっそく真似てみました。
美味しかったで~す。
京都にも行ってみたくなりました。
またシロさんとケンジに会えるといいな。

 

 

劇場版 きのう何食べた?  2021年  
監督:中江和仁
原作:よしながふみ
脚本:安達奈緒子
出演:西島秀俊、内野聖陽、山本耕史、磯村勇斗、松村北斗、田中美佐子

小さな法律事務所で働く弁護士・筧史朗(西島秀俊) は、同居する恋人の美容師・矢吹賢二(内野聖陽)の誕生日プレゼントとして京都旅行を提案。賢二は大喜びで旅を満喫するが、旅行中のある出来事をきっかけに、二人は互いに本心を明かせなくなってしまう。そんな中、仕事帰りの史朗は見知らぬイケメン(松村北斗)と賢二が親密な様子で歩いているのを目撃。動揺する史朗は、賢二にその青年のことを聞くことができず悶々とする。

28本目


朝が来る

2021年10月16日 | 日本

 

自然光を生かした映像、台詞なのか否なのかわからない自然な言葉や、ノンフィクションのような描き方(実際に一部分はそうだったような)
いかにも河瀬直美監督らしい。

特別養子縁組制度:育てられない生みの親との法的な親子関係を解消し、養子となる子と法的な親子関係を結ぶ制度、戸籍には養子ではなく長男・長女と記載される

前半は子供を授かることができなかった夫婦が「特別養子縁組」を知り、朝斗を受け入れ育てる話。
幼稚園で起きた出来事からトラブルになるけれど、世間体よりも幼い息子の言葉を信じる夫婦の暮らしを描く。

後半はまだ初潮を迎えてもいない少女、片倉ひかりが身ごもり、NPO法人「ベビーバトン」で出産する話。
親や世間との関係、その事実と向き合えなかった苦しみを描いてた。

娘の身体やあかちゃんより世間体を考える片倉家の描き方が定型化しててなんだかなぁ、、
狼狽える親の心情は理解できるけど、あんなに殺伐と高校進学のことしか考えないかな。
そりゃそんな家にいたくなくなるよね。
佐都子が手紙の消された言葉を読み取ってすべてを理解する出来すぎなくらいの優しい人で、片倉家の家族との対比がありすぎて違和感はあった。
ひかりがごく普通の素直で優しい少女として登場したから尚更ね。

お金が必要になる必然からハンコの保証人の借金のエピソードが必要なのかもしれないけど、
ひかりはそれよりも自分の子に会いたかったんじゃないかと思いたいですよ、私は。

そもそも蒔田彩珠ちゃん目的で観たので、こんなに出演部分が多いとは思わなくて、そういう意味では大満足の内容でした。
彼女は演じてる感じがなくて、まさにひかりがそこに存在しているんだと感じて、どうか彼女の今後が幸せでありますようにと思わず願う。

まだ若い蒔田彩珠がこれからどんな女優になっていくのかさらに楽しみになりました。

 

朝が来る  2020年 
監督:河瀬直美
出演:永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子

子供に恵まれなかった栗原佐都子(永作博美)と夫の清和(井浦新)は、特別養子縁組の制度を通じて男児を家族に迎える。それから6年、朝斗と名付けた息子の成長を見守る夫妻は平穏な毎日を過ごしていた。ある日、朝斗の生みの母親で片倉ひかりと名乗る女性(蒔田彩珠)から「子供を返してほしい」という電話がかかってくる。

 

26本目


キネマの神様

2021年09月23日 | 日本

 

多分これは、出演されてはいないけど、結果として志村けんさんの映画ですよね。

酒好きでギャンブル狂い、シニアの仕事で稼いだ金も競馬やマージャンにつぎこんで
さらにサラ金までして妻と娘に見限られそうな初老の男性。
家族だったら最悪、勘弁してくれって思うけど、でもなんかどっか憎めないんだよなぁ、、ってイメージのゴウさんですからね。
志村さんを当て書きの脚本だからそりゃしっくりくる。

でも、この状況で代役を受けたジュリーは素晴らしいし、男気を感じてかっこいいです。
久々に彼が演じる姿をじっくり見られて良かったという気持ちもある。
どこかで志村さんを変換させつつ観てた感じもあって、ジュリーもそれでいいと思ってるんじゃないかな(と感じる)

若い頃のゴウさん、才能もあって映画への情熱もる菅田将暉くんが熱演してたけど、
掴んだチャンスを下痢でふいにしちゃうって、、コントじゃ~ん(笑)
っていうテイストも、やっぱりお笑いが必要だった(志村さん~って!)

ゴウと淑子ちゃんの馴れ初めとか、なんだかんだ言いながら長年連れ添う夫婦愛っていうのが超ノスタルジックで、まあ、嫌いではない。
古臭いなーと思わないでもないけど、なんか安心する世代なんですよ。

永野芽郁ちゃん可愛かったし、北川景子さん綺麗でした。
東京物語かなって雰囲気の撮影風景もあったし、昭和の銀幕スターって原節子さんがモデルよね。
古き良き時代の映画の雰囲気を楽しめました。

 

キネマの神様  2021年

監督:山田洋次
出演:沢田研二、菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎、北川景子、リリー・フランキー、小林稔侍、宮本信子

ギャンブル狂いのゴウ(沢田研二)は、妻の淑子(宮本信子)や家族にもすでに見捨てられていた。そんな彼が唯一愛してやまないのが映画で、なじみの名画座の館主テラシン(小林稔侍)とゴウはかつて共に映画の撮影所で同じ釜の飯を食った仲だった。若き日のゴウ(菅田将暉)とテラシン(野田洋次郎)は、名監督やスター俳優を身近に見ながら青春を送っていた。

 

25本目


かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル

2021年08月21日 | 日本

 

舞台挨拶ライブビューイング付きで拝見いたしました、はい。
ういらぶ、前作ににつづき3回目(今後も頑張ります)
24時間テレビ当日の朝の挨拶で、今夜はゆっくり休んでという紫耀くんの天然発言が面白かったことも付け加えさせていただいて、、(笑)

前作はお二人のアップに耐えられるお顔をみられただけでもアイドル映画として堪能したって書いたけど、
今作もやはり美しかった、眼福。
これはどんな内容であったとしても、いかんせん一番に漏らしてしまう感想でして、良いんだか悪いんだか、って気もするけれど、
今作は笑える要素もきちんと面白かったし、ストーリとしても楽しめた。

ただ、ちょっと長い。
体育祭と文化祭の二大イベントがあってそれぞれにエピソードがあるのを一つにまとめたらもっとすっきり楽しめたのに。

ファイナルもそこそこヒットしたらしくて良かった。
次は平野くんに違うテイストの作品を、、、

 

 

かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル  2021年

監督:河合勇人
出演:平野紫耀、橋本環奈、佐野勇斗、浅川梨奈、堀田真由

上流階級の子供が通う私立秀知院学園史上、最も熱い戦いとなった第68期生徒会長選挙が終わっても、生徒会長の白銀御行(平野紫耀)と副会長の四宮かぐや(橋本環奈)は自分から告白したほうが負けだという考え方にとらわれていた。会計監査に新メンバーの伊井野ミコ(影山優佳)を加えた生徒会室で、白銀とかぐやによる相手に告白させるためのバトルが再び始まる。

 

23本目


ザ・ファブル 殺さない殺し屋

2021年07月03日 | 日本



序盤からの駐車場のシーンでぐぐぐっと釘づけ!
スタントなしであそこまでやれる俳優って凄すぎませんか。
とりわけ凄いのが、足場が張り巡らされた団地の場面。
もう凄すぎて笑えるレベル!
団地のおばちゃんおじちゃんがわさわさいるのに、どんだけスナイパー?って設定も笑えるんだけど、もうわけわからずな圧巻な状態で魅入った。
それだけでも本作は観に行く価値が十分アリでございます。

さらに、今回はヨウコのお色気アクションがセクシーで魅力的。
岡田くんが締め技を提案して、さらに足がよく見えるホットパンツにしたそうで、ばっちりでしたよ、女性から見ても気持ちよいカッコよさだった。もっと観たい☆

印刷屋さんのバイトも続けて働いてるのね、偉いねー。
二朗さんとのアドリブなんだかわかんないとこ、相変わらず笑えました

平手友梨奈、若いのに存在感がとても強い。

前作も迫力あって良かったけど、今作はよりシンプルで分かりやすくてパワーアップして、これはもう続編ありますよね。
安心して楽しめるシリーズ作品になりそうです☆





ザ・ファブル 殺さない殺し屋  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:江口カン
出演:岡田准一、木村文乃、堤真一、平手友梨奈、安藤政信、山本美月、佐藤二朗

最強の殺し屋「ファブル」として裏社会で恐れられていたものの、ボス(佐藤浩市)から誰も殺さずに一般社会に溶け込んで生きるよう命じられたアキラ(岡田准一)。相棒ヨウコ(木村文乃)と兄妹を装い、アルバイト先のデザイン会社オクトパスの社長・田高田(佐藤二朗)と社員ミサキ(山本美月)に素性を知られることなく平穏な日々を過ごしていた。そんな中でアキラはNPO団体の代表を務める宇津帆(堤真一)と出会い、やがて彼がターゲットから金をだまし取っては命も奪う危険人物であることを知る。

22本目

キャラクター

2021年07月03日 | 日本



いや、もっ!凄かったんっすよ!Fukaseくん!
不気味でむっちゃ怖い。
最近では「ヒメアノ~ル」の森田剛くんが断トツ凄かったけど、Fukaseくん!甲乙つけがたい感動するレベルの殺人鬼!

家族が惨殺される物語なので、相当に残酷(苦手な人にはおすすめしない)
なんだけど、スタイリッシュでお洒落な感じもあって、タイトルが出るタイミングがかっこいい。
全体的に絵が綺麗な作品だなという印象です。

一線を越えちゃった漫画家の菅田くんと、得体の知れないFukaseくんにフィーチャーしすぎてて、小栗旬くんが出ることすっかり忘れてまして、
小栗旬くんが登場して謎にホッとするという、、前半が猟奇的で怖すぎた、それだけ怖かったんですよ、マジ。
なので、中盤ええええーーっとびっくりしました。

絵は上手いのにキャラクタ造詣が苦手な漫画家がキャラクタ(殺人鬼)に絵を描かされている特殊な状況が起きて、
でも結果として、キャラクタ(殺人鬼)は創作された作品に影響されて模倣するという複雑な状況。
クライマックスは現実と創造物がクロスする展開で、とてもよくできてる。

ラストもね、これ解決しとるんですか???って言いたい。
あなたそんな無防備で大丈夫ですか?って声を大にして言いたい気分で終わったので、本当に怖い映画でした。
怖いっていうエンターテイメント、面白かったです。




キャラクター  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:永井聡
出演:菅田将暉、Fukase、高畑充希、中村獅童、中尾明慶、小栗旬

漫画家のアシスタントをしている山城圭吾(菅田将暉)は、画力は高いが、お人好しな性格のためか悪役をリアルに描けない。ある日、圭吾はスケッチに訪れた一軒家で、殺害された家族と犯人(Fukase)の顔を見てしまう。圭吾は犯人をモデルにキャラクターを創り上げ、ついに売れっ子漫画家になるが、漫画をなぞるような事件が次々と発生。そして、犯人の男が圭吾の前に現れる。

21本目

くれなずめ

2021年05月28日 | 日本


前情報をなるべく避けて観に行って、早々にもしや、、って思ったけど、
そもそも予告編でその辺を匂わせてるので、それは書いてもネタバレではないってことですよね、たぶん。

にしても、仲間内で最高に楽しそうで、部外者にはさっぱり乗れないネタでもりあがってるこいつらが最高だったし、
成田凌くんの、ひょろひょろっと、ふわふわっと浮いてるみたいな風貌がぴったりでしたね。
みんなで担ぎ上げたとき、重いんか~~~い!って思ったけどね(笑)

感動する場面が作られてるわけではないんだけど、なんかわかんないけど途中涙が出てきちゃった。
前田敦子さんとのくだり、、いい加減アカウント削除してよ!! は、かなりのツボで、そのあたりかな、じわじわと感情が揺さぶられてたの。

時間軸が行ったり来たりするのは「アズミ・ハルコは行方不明」を思い出す。
文化祭のコントネタで仮装して成仏する場面は、口がぽかーん状態だったけど、私は嫌いじゃない(つか、好き!)
現実世界と概念がごっちゃになる感じとか、疾走感と躍動感が、松居監督らしさ全開でした。

くれなずめは「暮れなずむ」を命令形にした監督の造語なんだそうです。
青くっさーーい青春を感じるんだけど、同時に暮れ始めている自分の人生にも思いを馳せる。
癖が強いから好き嫌いはあるかもしれないけど、私は大好きな作品です。

何気におしゃれなゲスト出演の皆さんなんですよ、そこも楽しかった。

  
⇒⇒ Radiotalk 映画『くれなずめ』 



くれなずめ  2021年 ☆☆☆☆☆
監督: 松居大悟
出演:成田凌、高良健吾、若葉竜也、浜野謙太、藤原季節、目次立樹

高校時代に帰宅部だった6人の仲間たちが、友人の結婚披露宴で余興をするため5年ぶりに再会。久々に出会ったアラサー男たちは、披露宴と2次会の間の中途半端な時間を持て余しながら、青春時代の思い出話に花を咲かせる。彼らは今までと変わらず、これからもこの関係は続いていくのだろうと思っていたが、ある出来事が起きる。

20本目