きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

少年の君

2022年03月25日 | 香港・台湾・中国

 

アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた、デレク・ツァン監督による香港製作の青春サスペンス

濃密な2時間15分、一瞬で引き込まれて、どうなるのかとハラハラして、
心底ズドンときました。

進学校で成績優秀でイジメのターゲットにされているチェンと、親もなく学校にも行かずに生きる少年シャオベイの物語。

いじめ
受験戦争
貧困

多くのテーマが混在しつつ、彼女たちが大人になっていく物語であり、
そしてなにより屈指の純愛映画。

ありがちなテーマだけど、デレク・ツァン監督の手腕が光る作品で、脚本も素晴らしく、映像も魅力満載だった。

高校生役のチョウ・ドンユイさんは小柄で中学生にも見えるくらいなのに、数年後の先生役もちゃんと大人に見えてびっくり(実際は28才くらいらしい)
シャオベイはボーイズグループのメンバーだそうで日本で言ったらジャニーズの誰か(誰だろ~)といったところ。
惹きこまれました。

子供の世界は大人の映し鏡なんだけれど、
子供たちは子供たちの世界で必死に闘っている。

岩井俊二監督の「リリイ・シュシュのすべて」を思い出すと言っていた人がいたけれど、
確かに子供たちが闘ってた。

  ⇒⇒ リリイ・シュシュのすべて レビュー

自分の力で生きていけるように、頑張って生き延びてほしいと願った。

感動しました。

 

 

少年の君  2019年  ☆☆☆☆☆ 
監督:デレク・ツァン
出演:チョウ・ドンユィ、イー・ヤンチェンシー、チョウ・イエ

進学校に通う高校3年生の少女チェン・ニェンは、大学進学のための全国統一入学試験を控え重苦しい日々を過ごしていた。ある日、一人の同級生が陰湿ないじめを苦に自殺し、彼女が新たないじめの標的となる。いじめっ子たちの嫌がらせが激しくなっていく中、チェン・ニェンは下校途中に集団暴行を受けている少年・シャオベイと出会う。共に孤独を抱えた彼らは次第に心を通わせていく。

 

No.7


薬の神じゃない!

2020年11月10日 | 香港・台湾・中国



評判の良さと「薬の神じゃない」という映画タイトルに惹かれて観てまいりました。
毎回思うけど新宿武蔵野館、リニューアルしてから素敵になったね。次に観たい作品も見つけてきました。

なるほど、納得の面白さでした。
中国やインドが舞台だからもっと混沌としてるかと思いきや、いえいえ、真面目で真っ直ぐな作品だった。

高額な治療薬代に苦しんだ白血病患者がインドから安価なジェネリックを手に入れて逮捕された、2014年に中国で実際に起きた陸勇事件という実話がベースの物語。
社会性が強い内容だけど、テンポも良くてしっかりエンタメしていて面白かった。

一番の病は貧困。

怪しげな漢方薬で生計をたてながら家賃も払えない主人公が、正義の男へと成長するべたな展開ながらも、説得力あるし応援しちゃうし、ラストは感動で涙しました。
満足度の高い、観て損はしない、いい映画だったわーー。

これは余談だけど、白血病患者の話なので感染を恐れてみんなマスクしてるんですよね。
で、こいう状況なので、こっちもマスクして鑑賞してる、、、
お互いマスクして向き合ってる感じがなんかちょっと不思議だなーって思ったのでした☆



薬の神じゃない!(原題:我不是薬神)  2018年  ☆☆☆☆☆
監督:ウェン・ムーイエ
出演:シュー・ジェン、ワン・チュエンジュン、ジョウ・イーウェイ、タン・ジュオ、チャン・ユー、ヤン・シンミン

上海にある男性用の回春薬を販売する店の店主チョン・ヨン(シュー・ジェン)は、店の賃料が払えず妻にもあきれられていた。何の喜びもない人生を送っていた彼のもとに、ある日、慢性骨髄性白血病患者のリュ・ショウイーがやって来る。彼は国内で認可された高額な薬の代わりに、インドのジェネリック薬を仕入れてほしいとチョンに頼む。チョンは断るが、大金に目がくらみ、密輸と販売を行うようになる。

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

2019年08月14日 | 香港・台湾・中国
私の推しの一人であります、シゲが(加藤シゲアキさんね)面白かったと教えてくれたのでチャレンジしてみました。
3時間56分!!
流石に長い~~!
なかなかの歯ごたえのある骨太な作品でした。
まさに映画は経験。

映画館で観たかったけど、実際に初見で観るときつかったかもしれない。
時代背景も詳しくないし、登場人物が多くて名前と顔を把握するのが難しかった。
友情、恋愛、家族愛、政治、歴史、抗争、あらゆる要素が詰まってる。
さらに、、、これは中学生の話よね、、、と何度も確認しましたわ。
スケールの大きな作品でした。



いろんな事件が起きるんですよ。
中学生だよね(何度も言うけど)、いやもう私が生きてる世界とは違いすぎます。

かつて日本の植民地であったため、小四の家族は古い日本家屋に住んでいて、
日本刀や拳銃が子供たちの日常にあり、遊び道具のようにあるバイオレンスな環境。
今私たちはいかに守られた、危険なものから遠ざけられた暮らしなのかと思う。

ビリヤード場を襲撃した台風の日、敵ボスの死に際を懐中電灯で照らす場面は強烈だった。

上海から渡ってきた小四の父はインテリであり、共産党思考ではないかと尋問を受ける。
最後は身を寄せ合って守りあうのは家族なんだよなぁ。

ラスト数十分、予定調和が完全に覆って、まじかーーーーー!という結末を迎える。
この長い長い映画を観終わってから、なんとも言えない複雑な余韻が残るのは、驚愕のラストだったからで、
何故こうなったんだろうと、それまでの出来事を我が身のように振り返ってしまう。

いやややや、これってもしかして愛の不条理を描く作品だったの?
いや世の中の不条理だよね。
しかし中学生だよ(しつこく言うけど)

小明が魔性の女で驚くけど、彼女も時代の波の中で病弱な母を守りながら、誰の支配も受けずに生きようとしてるんだろう。


「この世界はぼくが照らしてみせる」

中学生にこんなセリフを言われたら切ないよなぁ。


羽田圭介さんと又吉直樹さんが芥川賞を受賞したときの直木賞作品が東山彰良さんの「流」で、台湾出身の作者が家族のルーツと向き合った青春小説が絶賛されてたのを思い出すんだけど、時代背景はこの本を読むととても分かりやすいそうです。
チャレンジしてみる、、か、、(知らんけど)




牯嶺街少年殺人事件(英題:A BRIGHTER SUMMER DAY )  1991年  ☆☆☆☆☆
監督:エドワード・ヤン
出演:チャン・チェン(小四)、リサ・ヤン(小明)、ワン・チーザン(小猫王)


1960年代初頭の台北。建国高校昼間部の受験に失敗して夜間部に通う小四は不良グループ「小公園」に属する王茂や飛機といつもつるんでいた。小四はある日、怪我をした小明という少女と保健室で知り合う。彼女は小公園のボス、ハニーの女で、ハニーは対立するグループ「217」のボスと小明の奪いあいをして、殺して姿を消していた。ハニーの不在で統制力を失った小公園は、今では中山堂を管理する父親の権力をかさに着た滑頭が幅を利かせている。小明への淡い恋心を抱く小四だったが、ハニーが突然戻ってきたことをきっかけにグループ同士の対立は激しさを増し小四たちを巻き込んでいく。

食神

2013年10月14日 | 香港・台湾・中国
人気スター周星馳による料理対決アクション・コメディ

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セクサーン~~(食神)

おーちゃんがラジオで
面白かったって絶賛するもんだから
観ちゃいましたよ
確かにネット検索するとこの笑いのツボに嵌った人をチラホラお見受けします

料理の名人が料理対決するんだけど
観れば観るほど食欲が失せますな(笑)

カンフー映画はほとんど縁がないので
周 星馳(チャウ・シンチー)さんがどんな方かも存じあげず
笑いのツボはぴったりとは嵌んなかったけど
面白かった

凶暴なこのお姉さんが
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こんな方だったってことに驚いたのでした
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食神  1996年  
監督:リー・リクチー 、チャウ・シンチー
出演:チャウ・シンチー、ヴィンセント・コク、カレン・モク

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桃さんのしあわせ

2013年10月09日 | 香港・台湾・中国
桃(タオ)さんのように、静かに、丁寧に暮らしたい ☆☆☆☆☆

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60年もの歳月をひとつの家族の世話をしてきた桃さんは
毎日同じ市場で買い物をし、掃除をし料理をし、飼い猫と会話しながら暮らしてる。
なくてはならない空気のような存在でありながら、当然家族ではない。
雇主と家政婦という一定の距離を保ちながら労わり合う関係性が見事でした。
桃さんの生きる姿が凛として素晴らしい。

脳卒中で倒れ、誰の世話にもならないと入った老人施設は
埃ひとつなく綺麗に暮らしてきたものとはかけ離れた環境だったので悲しくなったけど
桃さんは黙って受けいれて、周りの人たちときちんとした関係を築いていくんだよね。
なんて素敵な人なんだろう。

ロジャーは息子のような気持ちで見守っていて
桃さんも訪ねてきてくれるロジャーを息子のように待ち焦がれながらも
主人と使用人という距離感は崩さない。
押しつけがましくなく、無理もせず、でもしっかりとした絆で結ばれている。

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ロジャーは映画プロデューサー。
作業着のようなジャンバーを着て、バックを背負って歩き
空調作業員と間違えられたり、タクシーの運転手に間違えられたり
そして女っけはまったくない独身男性。
女の独り身を貫いてきた桃さんと、どこか似ているような気がして
この二人、きっとものすごく相性がいいんだよね、きっと。

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桃さんの作る料理が本当に本当に美味しそうで
愛情と手をかけて作る食事は、この世の中でどんな贅沢にも勝るよね。
料理すること、食べること、暮すこと
大事に暮らしていきたいと、改めて思い直しました。

淡々と、そして静かに人生の終焉を描いた作品。
きっと何度も観たくなる、感動が静かに心にとどまっていつまでも残る作品です。



桃さんのしあわせ(原題:桃姐)  2011年  ☆☆☆☆☆
監督:アン・ホイ
出演:アンディ・ラウ、ディニー・イップ

広東省生まれの桃さん(ディニー・イップ)は、13歳から60年もの間梁家の使用人として4世代の家族の世話をしてきた。今は、生まれたときから面倒を見てきたロジャー(アンディ・ラウ)が彼女の雇い主で、彼は映画プロデューサーとして中国本土と香港を往復する多忙な日々を送っていた。そんなある日、桃さんが脳卒中を起こして倒れる。

⇒⇒ 公式HP

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ライジング・ドラゴン

2013年04月13日 | 香港・台湾・中国
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ジャッキーチェンのラストアクション映画
メモリアルな色が強かったのかなぁ

それほど関心のない私でも
それでも全盛期のジャッキーの映画って何本か観てるもんね
彼がどれだけ偉大な映画俳優・アクション俳優であるかはわかります

サンウ目当てで映画を観に行ったものとしては
簡単にレビューーできず
(なんだそのまどろっこしい言い方は、、)

いろんな楽しみがギューギュー詰まってたけど
盛り込み過ぎてそのわりには楽しめず
ストーリも思い入れもできず、、、

でも、素直に「お疲れ様でした」という気持ちになりました
最後のメイキングのシーンが印象的でした

TOHOシネマズ 六本木ヒルズで鑑賞☆



ライジング・ドラゴン  2013年
監督:ジャッキー・チェン
出演:ジャッキー・チェン、クォン・サンウ、ジャン・ランシン、ヤオ・シントン、リアオ・ファン

19世紀に起きたイギリスやフランスの侵攻によって、中国から持ち出されてしまった清王朝時代の秘宝。それは12のパーツから構成されていたが、残る数体の所在が不明となっていた。世界的アンティークディーラーから幻のパーツの捜索を依頼されたトレジャーハンター「アジアの鷹」ことJC(ジャッキー・チェン)は、チームを編成してパリ、南太平洋、中国などを飛び回る。しかし、行く手を阻もうとする謎の敵と対峙(たいじ)。さらに、秘宝とその捜索の裏に巨大な陰謀が隠されていることを知る。


7日間の恋人

2012年10月15日 | 香港・台湾・中国
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サンウの映画は上映されれば見に行きます
どんなんでも(←)
シネマート新宿で鑑賞☆

香港の映画なのでサンウはほとんどが吹き替えで
声が馴染まないわぁ
それよりもなによりも
事前にあらすじを掴んだ時点でそれほどの期待はないわけで(←)
ラブロマンスの体なんだけど
ひとことで言ってへんてこなストーリでした

セシリア・チャンはチェ・ミンシクと共演した「パイラン」しか見たことがないんだけど
私はそのパイランに非常に感動しまくりまして
大好きな韓国映画のひとつなんだけど
あの印象の彼女しか知らないから
あまりの変貌に正直びっくりしました

綺麗な人なんだろうけどサンウとは似合わないよね
そこがお似合いだったら
多少の脚本の不満があっても(多少じゃないけど)
サンウののツーショットで目の保養になったかもしれないんだけど



7日間の恋人  2012年
監督:プーン・ユンリョン
出演:クォン・サンウ、セシリア・チャン

大企業KNCの社長を務めるクォン(クォン・サンウ)は、婚約者で共同経営者であるパリス(セシリア・チャン)と会社にとって非常に重要な舞踏会に出席することに。しかし、ちょっとした口論が原因となってパリスが何も告げずに失踪してしまう。途方に暮れるクォンは、街の花屋で働くパリスそっくりな女性サム(セシリア・チャン)を見掛け、彼女に舞踏会までの1週間だけパリスの代役を頼む。社交ダンスも踊れず、ハイヒールを履いてもフラつくサムを、上流階級の女性に変えようと奮闘するクォン。そんな彼女にクォンは恋心を抱き始める。


海洋天堂

2011年09月27日 | 香港・台湾・中国
海洋天堂  2010年  
監督:シュエ・シャオルー
出演:ジェット・リー、ウェン・ジャン

海洋天堂


じつはジェット・リーのファンが作った「海洋天堂」の日本公開を願って立ち上げたブログを以前に見たことがあるんですよね
それがこの映画だったんですね
無事に公開されて、そしてこんなに素晴らしい映画だったことが私も嬉しいです

ストーリは予告編で見ればわかるそのまま
ごく単純でストレートで、もう見る前から絶対に泣く!ってわかるストーリなんだけど
もちろん泣いたんだけど
なんていうかぐいぐい泣かされる感じじゃないんですよね
自分でも気がつかないくらいにはらはら泣いてた

21歳の息子の自閉症のターフーをありのまま受け入れたシンチョン(ジェット・リー)の
静かで大きな親の愛情をじんわりとしみじみ感じます
周囲の人も彼に暖かいんですよね
ターフーを演じたウェン・ジャンは本当に自閉症の青年かと思うほど自然でした

死期が迫っているのに亀の甲羅を背負い自分はウミガメだと息子に言い聞かせて
一緒に泳ぐシーンは、辛い状況なのに必死だからこそなんとなくクスッと笑ってしまう
日常生活の送り方を息子に教え込むシーンは楽しくて微笑ましくて
親が子供に残すもの、伝えるものはなんだろうと思わず考えさせられました

自閉症の息子は自分の世界だけで生きているから幸せなんだっていうお父さんの独り言が印象的でした
タイトルは「海の天国」っていう意味なんだそうです
音楽も素晴らしかった
お父さんは息子にちゃんと生きる場所(彼にとっての天国)を作ってあげたんだよねぇ
しみじみ感動するいい映画でした




中国チンタオの水族館で働くシンチョンは妻に先立たれて以来、自閉症の息子ターフーを男手ひとつで育ててきた。ところがシンチョンに癌が見つかり余命がわずかと判明してしまう。これまではターフーの面倒をつきっきりで見てきたシンチョン。しかし、息子の将来を案じた彼はターフーがひとりで生きていけるよう、食事の作り方やバスの乗り方、買い物の仕方を一つひとつ教え込んでいく。