ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『 IT イット/"それ"が見えたら、終わり。』

2018-09-02 18:41:31 | 外国映画









 
2017年に公開された、アンディ・ムスキエティ監督によるアメリカ映画。原作はスティーブン・キングの代表作で、1990年にTVドラマ化もされた作品です。

ホラー映画は滅多に観ないけど、評判良かったみたいだし、映画館で観た予告編が印象的だったんで、WOWOW放映を録画して観ました。

これは要するに、思春期の子供ばかりを狙う殺人モンスターに、スクールカーストの底辺にいる気弱な少年たちが立ち向かう冒険物語なんですね。

冒頭、主人公っぽく見えた少年が無惨に殺されちゃうもんで、この映画はタダモンじゃないぞって身構えるんだけど、それより怖いシーンは以後ありませんw

そうやって最初に観客をビビらせて、実際の主人公たちもいつ死んじゃうか分からないって、言わばミスリードしてスリルを煽る戦略。

でも本筋は彼らが恐怖を克服していく成長ストーリーですから、途中で死んじゃうことは有り得ないんですよね。

イジメっ子たちの標的にされ、いつも殴られたり逃げ回ったりしてる気弱な子供たちが、仲間を救うために勇気を振り絞ってモンスターに立ち向かっていく。

そのモンスターは、子供たちの恐怖心につけこみ、彼らが一番怖がってるものを(幻覚として)見せることで精神的に追い詰めていく。イジメっ子たちも含めて、その恐怖の根元が親の支配だったり暴力だったりする点が興味深いです。

この映画がウケたのは多分、そういった心理学的な側面もあるからで、それを一体どうやって解決していくのか、そのプロセスが気になって最後まで引っ張られました。

だけど結局、目には目をの暴力で解決しちゃうのがアメリカ映画なんですよねw 子が親を殺してハッピーエンドっていうのは、日本じゃちょっと有り得ないでしょう。

そこはモンスターをやっつけた事でコンプレックスを克服し、精神的に自立する形にして欲しかったです。もちろん、その親たちは殺されても仕方がない、根っからのクズとして描かれてはいるんだけど。

モンスターのやっつけ方にしても、子供たちが寄ってたかって殴る蹴るという、ただの集団リンチにしか見えないんですよねw 恐怖心でバラバラになってた気持ちを1つにする、いちばん感動的な場面の筈なのに、表現の仕方があまりにアメリカ的で笑っちゃうw

だから同じスティーブン・キング原作の少年物でも『スタンド・バイ・ミー』とは全然違う作品で、バイオレンスを好まない方にはオススメ出来ません。

ただ、子供たちのキャラがそれぞれ立ってて面白いですから、ホラー仕立ての『グーニーズ』だと思って観れば楽しめます。

特に紅一点=ソフィア・リリス(画像)の存在感が抜群で、彼女の下着姿に少年たちが息を呑むシーンや、淡い初恋描写などが、殺伐とした世界観をうまく和らげてくれます。

単なるお化け屋敷のアトラクションだけで終わらせず、ボンクラ少年たちの成長ストーリーにもしっかり力を注いだことが、大衆に支持された最大の要因だろうと思います。

だから、大人になった彼らが再びモンスターと戦うらしい続編には、私はあまり興味が持てません。この1作で充分ですよね。
 
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『新感染/ファイナル・エクスプレス』

2018-09-02 18:40:07 | 外国映画




 
2017年に公開された、ヨン・サンホ監督による韓国映画。こちらもWOWOWで観ました。

謎のウイルスにより凶暴化した人たちが爆発的に増加。感染者に咬まれた人は同じように凶暴化し、まるで仲間を増やすのが使命であるかのように人々を襲っていく……

そう、これは韓国版ゾンビ映画で、ソウルとプサンを結ぶ特急列車内に舞台を限定した、密室型の災害パニック映画でもあります。

たぶん多くの観客が同じことを感じただろうと思いますが、私は観ながら『ポセイドン・アドベンチャー』を思い出しました。あの災害パニック映画のパイオニアにして金字塔を、創り手たちはかなり意識しながら創ったに違いありません。(ほとんどの災害パニック映画がそうかも知れないけど)

だから、ある程度の映画ファンなら展開はほぼ予想出来ちゃいます。にも関わらずメチャクチャ面白かったし、ラストは号泣させられちゃうんですよね。

主人公は袴田吉彦さんソックリなビジネスマンで、別居中の妻に会いに行くため幼い娘と二人で特急に乗るんだけど、娘が韓国語で「パパ、パパ」って呼ぶのが「アパ、アパ」って聞こえちゃうんですよねw(何が可笑しいのか解らない方は「袴田吉彦 アパ」で検索してみて下さい)

その袴田さんはイマイチ共感しづらい自己チューな人なんだけど、娘を守るべくサバイバルしてる内にジーン・ハックマン化していきます。

で、その袴田さんと最初はソリが合わない、妊娠中の妻を連れた無頼漢がアーネスト・ボーグナインってワケです。

ほか、高校生カップルとか浮浪者、年老いた姉妹、エゴイストのIT社長など、中心人物たちの配置がほぼ『ポセイドン・アドベンチャー』と一致するんじゃないかと思います。

ゾンビのいない車両に避難した袴田さん一行が、4両先の車両にいる生存者たちと合流する為、大量のゾンビたちで溢れ返る3つの車両を突破していく展開も、転覆した船のデッキから船底へと「上っていく」プロセスに似てるし、やっとの事で辿り着いたら生存者たちに閉め出されちゃうという、人間のエゴの方がよっぽどゾンビ(災害)より怖いっていう残酷な教訓も『ポセイドン~』で描かれてたと思います。

そして何より、ラストのアレですよ。もうバレバレだけど、分かってても泣いちゃいますから安心して下さいw

それだけ緻密に練られた脚本で、伏線の回収が実に見事。『ポセイドン~』をアレンジしたパニック映画は五万と存在するでしょうが、この『新感染』はトップクラスの出来と言って間違いありません。

ゾンビ映画と聞いて残虐描写を連想し、敬遠される方も多いでしょうが、必要以上にグロい場面はありません。その点はブラッド・ピット主演の『ワールド・ウォーZ』と同程度で、ホラーマニアには物足りないかも知れないけど、私にはちょうどいい加減でした。

日本でも最近『アイ アム ア ヒーロー』っていうゾンビ・パニックの傑作が生まれたけど、面白さでも感涙度でも『新感染』は上を行ってると思います。

未見の方は、騙されたと思って観てみて下さい。『ポセイドン・アドベンチャー』以来の感動がそこにあるかも知れません。

で、男たるもの、やっぱ喧嘩は強くなくっちゃなあって、身体を鍛えたくなること請け合いですw(その理由も、観れば分かります)
 
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『散歩する侵略者』

2018-09-02 18:38:40 | 日本映画






 
2017年に公開された、黒沢 清 監督による日本映画。劇作家・前川知大さん率いる劇団「イキウメ」の舞台を映像化した作品です。WOWOWで観ました。

何日か行方不明だった夫・真治(松田龍平)が、まるで別人みたいに無感情な男になって帰って来たから妻・鳴海(長澤まさみ)が驚いた!

一方、バラバラ殺人事件を取材してたジャーナリストの桜井(長谷川博己)は、被害者の娘・あきら(恒松祐里)を探す為、彼女の友達だという少年・天野(高杉真宙)と行動を共にするんだけど、天野もあきらも地球を侵略しに来た宇宙人(に身体を乗っ取られた人)だったもんで驚いた!

実は真治も同じで、彼らは地球人を知る為に「家族」「仕事」「所有」といった概念を人々から吸い取っていく。そうする事で徐々に人間らしくなって来た彼らは、行動を共にする人間と奇妙な絆を築くのですが……

宇宙人の真治が地球人の妻に影響されて人類擁護に傾いていくのに対して、地球人の桜井が宇宙人に影響されて侵略の手助けをしちゃう、その逆転の構図が面白かったです。

それと、概念を奪われた地球人たちが何となく楽しそうというか、肩の荷を下ろしてラクになったように見えるのも興味深かったです。もし実際に固定概念ってヤツを捨てられたら、我々はもっともっと生き易くなるかも知れないって事ですよね。

どんどんボケていく私の両親の姿にも重なるものがあり、それをあまり深刻に捉える必要は無いのかも?なんて思ったりもしました。

(以下、ネタバレ注意です)


最終的に真治は、妻の鳴海から究極の概念=「愛」を吸い取ったことでほぼ完全に地球人と同じになり、恐らく彼のメッセージにより宇宙人の侵略は中止になったという、非常にファミリー映画的なオチがつきました。

冒頭シーンが血みどろのバラバラ殺人現場だった事を思えばアンバランスだし、そもそも侵略しに来た宇宙人がなぜ、わざわざ地球人の概念を吸い取る必要があるのかがよく解らない。いざ侵略が始まるとミサイル撃って来ましたからねw

「愛」の力が侵略を食い止めるっていう結末ありきで、そのお膳立てをする為にこじつけた設定なんだとしたら、ちょっと興醒めです。

そうじゃなくて、人間が「概念」から解放されたら一体どうなるか?っていう興味からスタートして、どうやって概念を失うのか?→誰かに奪われる→誰が何の為に奪う?→宇宙人が地球侵略の為に奪う、みたいな連想から生まれた設定なんだと思いたいですね。

いずれにせよ、これは舞台演劇だからこそ成立したストーリーのような気がします。映像化すると世界観がリアルになる分、ちょっとした矛盾やウソが眼についてしまう。これは徹頭徹尾ファンタジーであるべきで、舞台演劇の方が絶対合ってると思います。

先に書いた通り地球人と宇宙人の奇妙な交流は楽しめたんだけど、それなら舞台でも充分味わえますから、わざわざ映画化する意味があったのかどうか。面白いストーリーを、より多くの人達に伝えるという役目は果たしたかも知れませんが……

そんなワケで辛口レビューになりましたが、最後まで退屈せずに観られたのも事実で、決してつまらない作品ではありません。キャスティングも良いし、一見の価値はアリです。(少なくとも、ポスター=画像1枚目のキャッチコピーから連想するようなメロドラマとは違います)

セクシー画像は、宇宙人に身体を乗っ取られた女子高生=あきらを演じた恒松祐里さんと、ヒロインの妹を演じた新婚・前田敦子さん、そしてヒロイン=鳴海役の長澤まさみさん。

恒松さんは子役から活躍されてる方で、朝ドラ『まれ』等で注目され、最近では日テレの連ドラ『もみ消して冬』で主人公に想いを寄せられる美人婦警の役でレギュラー出演されてました。

今回は警官2人を瞬殺するなどハードなアクションも披露。そう言えば、彼女がそんなに強い理由も不明だったなぁw 松田龍平くんはひ弱な感じだったし、宇宙人だから強いってワケじゃなさそうなんだけど……

そういう曖昧さも、たぶん舞台演劇だと気にならないんですよね。映画と演劇はそれくらい違うもんなのだと思います。
 
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「素晴らしいブログを始めます」

2018-09-02 17:37:04 | 日記
 
約5年間やってた『ハリソン君の素晴らしいBLOG』が諸事情によりw、閲覧出来なくなっちゃいました。

すぐに問題点を修正し、ブログの運営者さんに再表示をお願いしたのですが、それを確認してもらうのに途方もない日数がかかっており、延々と待たされるのがアホらしくなってしまいました。

修正すればブログの方向性も変わってしまうし、それならいっそゼロから再スタートするのもアリかな?と思い立ちました。

正直なところ、前ブログに自分で設けたいくつかのルールが、最近は窮屈に思えて来て、もっと自由なスタンスでやりたいなあっていう思いもありました。

例えば、作品をいちいち「素晴らしい」か「素晴らしくない」かジャッジしたり、日記カテゴリーの記事は必ず『素晴らしい○×○×』っていうタイトルに統一したりとか、もう面倒臭いですw

なので、新ブログはもっと自由に、ラフな姿勢で、だけど公序良俗には出来るだけ気をつけてw、皆さんが家族や同僚に見られても大丈夫な内容でやって行きたいと思ってます。

よろしくお願い致します!
 
コメント (11)
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