ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『Gメン'75』#201

2018-09-26 12:00:22 | 刑事ドラマ'70年代








 
『Gメン'75』と言えば香港カラテ、と連想しちゃうのは私だけじゃない筈です。当時このシリーズはやたら大々的に宣伝されてたし、学校でもよく話題になってました。

草野刑事役の倉田保昭さんは本来、香港に拠点を置くアクションスターであり、現地のスタッフやキャストに顔が利く。そのお陰で実現したシリーズなんだそうです。

前回ご紹介した第105話の香港ロケはほんの序の口で、第175話&176話の『香港カラテ対Gメン』二部作が本格シリーズ第1弾。

もちろん主役は草野刑事。倉田さんの顔で香港のカンフースター=ヤン・スエがゲスト出演し、草野刑事と死闘を繰り広げました。

で、最後にヤン・スエは死んじゃうんだけど、今回の第2弾では「瓜二つの弟」として再登場w、草野刑事と死闘を繰り広げ、最後はやっぱり死んじゃいますw

このシリーズ、ホントかウソか知らないけど香港じゃ視聴率70%だったとか。それだけクオリティーの高いカンフーアクションであり、日本のTVドラマ史上でも類を見ないシリーズでした。カンフーなのに、なぜタイトルが「カラテ」なのか、その理由は誰にも分かりませんw


☆第201話『Gメン対香港カラテ軍団』

(1979.4.7.OA/脚本=高久進/監督=小松範任)

これもまた、物凄いストーリーでした。

草野刑事の行方不明だった父親が、香港で暮らしてることが判明し、香港へ飛ぶ草野。

草野すなわちGメンが入国したもんで、香港コネクション(麻薬組織)が警戒し、幹部を東京へ派遣。驚異的な諜報スキルでその動きを察知したGメンは、幹部を逮捕し、ヘロインを押収します。

Gメン本部の地下取調室(という名の拷問部屋)で幹部に注射器を突き付け、「ヘロインを打たれたくなかったら香港コネクションの正体を吐け」と脅すGメンw

実際にヘロインを打つ描写はさすがに無かったけど、後のシーンで幹部が禁断症状に苦しんでますから、確実に打ってますw

Gメンの取調べ(という名の拷問)は実に合理的で、殴る蹴るなんて面倒なことはしません。他の回じゃ容疑者に防弾チョッキを着せて銃弾を浴びせたりしてましたw

さて、怒った香港コネクションは(そりゃ怒るわw)草野の父を拉致し、その命と引き換えに幹部を釈放するよう草野に要求。

草野はGメンを裏切り、密かに幹部を釈放し、香港へ連れていく。そこで、いよいよ宿敵ヤン・スエ登場! 筋肉が動くたびにメリメリメリメリッ!っていう効果音が入りますw

アーノルド・シュワルツェネッガーがカンフーするようなもんですから、さすがの草野もフルボッコにされちゃいます。

因果応報、今度は香港コネクションが草野を拷問し、ヘロイン浸けにします。国家権力を盾に、やりたい放題やってるからこんな目に遭うw

果たして草野は、無事に日本へ帰ることが出来るのか!?(つづく)

PS. 画像のチャイナ服ガールは、香港で草野の父と一緒に暮らす孤児を演じた、沢井桃子さん(当時25歳)。

『刑事くん』『太陽にほえろ!』『特捜最前線』『大空港』『大捜査線』等の刑事ドラマにもゲスト出演されてますが、この『Gメン'75』にはなんと計12回、全て違う役で出演されてます。(続編『Gメン'82』にもご登場)

プロデューサーか丹波哲郎さんあたりに、よっぽど気に入られたんでしょうねw
 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『Gメン'75』#105

2018-09-26 00:00:21 | 刑事ドラマ'70年代







 
☆第105話『香港―マカオ 警官ギャング』

(1977.5.21.OA/脚本=高久 進/監督=鷹森立一)

この1本のエピソード(正味45分)の中で、立花警部補(若林 豪)&速水刑事(森マリア)という2人の新レギュラーが初登場し、現職刑事の犯罪という大事件も描き、さらに香港ロケまで敢行!という、盛り沢山を通り越して、いくら何でも詰め込み過ぎなこの作劇が『Gメン'75』の特長です。

それだけじゃありません。銀行強盗グループの逃走車に撥ね飛ばされ、即死した主婦と幼児は立花警部補の愛する妻子だった!

さらに、その主犯格が現役の刑事だった! しかも彼は立花警部補の義弟(妹の旦那)だった!というw、二重三重に悪い偶然が重なりまくる悲劇も『Gメン』では日常茶飯事だったりします。

2003年に刊行されたムック『刑事マガジンVol.01』に切通理作さんが寄稿されたコラムに、こんな記述がありました。

「例えば刑事が犯人を追うと、自分の恋人が事件に関わっていて殺されてしまう。そこまでは『太陽にほえろ!』でも回によっては使う話かも知れません。しかし恋人を殺したのが自分の先輩刑事であり彼女の兄だった……というところまで1本の話で描くと『Gメン'75』独特のノリとなります」

「他にも、定年退職を前にした刑事が勤務最後の日の終わる時報とともに殉職するとか、刑事が退職する日に家出していた娘の死を知らされるとか、刑事が犯人を追いつめたらそれが娘の婚約者でつい射殺してしまったとか、現実的に考えたら万に一つもあり得ないような悲運が起きるのです」

「そしてラストは、親の目の前で子が殺されて終わったり、逆に子の目の前で親が殺されて終わったり、恋人にとりすがる女の姿で終わるなど、ゲスト主役にとって悲劇の頂点で終わる回が多かった」

『Gメン'75』とは、そういうドラマですw 私はそもそも辛気臭いのが苦手だし、その回しか出てこないゲストキャラに感情移入できないし、レギュラーの刑事たちが悲劇の傍観者でしかないのも気に食わない。だから好みに合わないワケです。

けれども、もはや現在のテレビ番組じゃ不可能であろう、この極端すぎる作劇が、今となっては新鮮で面白く感じちゃう。やっぱ、昭和サイコーです!w

そして若林豪さん、シブ過ぎ!

『太陽にほえろ!』の山さん=山村警部補(露口 茂)よりシブい刑事はいないだろうと思ってたけど、立花警部補(後に警部に昇格)も負けてないですね。拳銃を構える姿はまるでジェームズ・ボンド。

画像2枚目をご覧下さい。赤ちゃん用のがらがらオモチャを持ってもシブいのは、世界を見渡しても若林豪さんしかいませんw
 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする