








2015年に公開された、柴崎貴行 監督による日本映画。仮面ライダーシリーズとスーパー戦隊シリーズのクロスオーバー企画第4弾で、当時放映中だった『仮面ライダードライブ』が主役になってます。
1973年にショッカーを壊滅させた筈の仮面ライダー1号&2号が、その直後に現れた仮面ライダー3号に殺され、世界はショッカーに征服されてしまった!
……というパラレルワールドに呑み込まれた『~ドライブ』の主人公=進ノ介(竹内涼真)と霧子(内田理央)が、世界を元に戻す為に奮闘するというストーリー。
まず驚いたのは、主役の仮面ライダーが四輪の車しか運転しないこと。彼が「ライダー」って呼ばれる度に「いやいや、ドライバーやん!」ってツッコミを入れずにいられませんw
ずっとシリーズを観てるファンからすれば「何を今さら」って話でしょうが、初めて観た私にとっては衝撃的でした。ジーパン刑事がスーツしか着ないようなもんですからねw
驚いたと同時にとても新鮮で、カーチェイスの場面には従来のライダーシリーズとは全く違ったカタルシスを覚えました。それは多分、刑事ドラマに通じるものがあるからで、進ノ介と霧子の職業も刑事だったりするんですよね。
そんな仮面ドライバーが主役なだけに、新キャラ・仮面ライダー3号の愛車も四輪仕様のサイクロン号。これがまたチョー格好良くて、ストーリーはともかくメカ描写だけで今回は「素晴らしい」認定せざるを得ませんでした。
ちなみに仮面ライダー3号というのは『仮面ライダーV3』以前に検討された幻の企画を復活させたもので、変身前の姿は及川光博さんが演じておられます。
ほか、昭和ライダー代表として『仮面ライダーBLACK』の倉田てつをさんも登場。平成ライダーの主役たちも何人か登場されてますが、私は竹内涼真くんと内田理央さんしか存じ上げませんでした。
竹内くんも内田さんも他のライダー役者の皆さんに比べて演技が達者で、お二人が飛び抜けてメジャーになられたのも納得出来ます。そういう意味でも『仮面ライダードライブ』は歴史に残るシリーズかも知れません。
でも、繰り返しますが「ストーリーはともかく」ですw 例によって歴代ライダーやスーパー戦隊が入り乱れるクライマックスバトルはグダグダで、90分近い尺は長過ぎると感じました。
以前はライダー40分・スーパー戦隊40分の2本立て興行だった筈で、その形に戻すべきだと強く思いました。たぶん、尺が長くても1本立てにした方が製作費が安上がりなんですよね。クロスオーバー映画が常態化した理由は、実は不景気のせいなんでしょう。
なので映画としての出来映えはあまり評価出来ないけど、『仮面ライダードライブ』のTVシリーズは是非観てみたいと思いました。劇場版にはTVシリーズのプロモーションっていう側面もある筈で、そういう意味じゃ大成功と言えましょう。
斜に構えない熱血漢の進ノ介といい、敬語が美しい霧子といい、キャラクターが昭和的なのも心地好いんですよね。竹内くんと内田さんを今まで以上に好きになりました。