はせがわクリニック奮闘記

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自分の骨髄液での再生治療

2013年08月05日 | 医学
今朝の読売新聞に、札幌医科大学の本望修教授が、脳梗塞後遺症の患者に対して実施している、再生治療の臨床試験に関する記事
が掲載されました。

まず患者から骨髄の細胞を数十cc採取。
神経の細胞などのもとになる「間葉系幹細胞」を1万倍に増やして静脈に点滴で戻す。
点滴した細胞の5%から10%が脳梗塞の患部に集まり、細胞が出す「栄養因子」で傷ついた神経細胞を助けたり、血管を新生したり、
神経細胞を再生したりするなど、複合的な治療効果があると期待している。

2007年から12人の脳梗塞患者に実施したところ、全員になんらかの運動機能改善が認められた。

失語症も出ていた40代の男性は、発症2ヶ月後に治療を受け、全く動かなかった右手が、1か月後にはある程度動くようになった。
半年後には、箸を使ったり、鉛筆で字を書いたりでき、日常会話もできるようになるまで回復した。

左半身運動麻痺になった50代の男性のケースでは、治療の翌朝、指が動かせるようになり、2週間後に肩も上がるようになった。

しかも、すべての症例が、発症から1ヶ月半以降に、初めて治療が実施されています。治療効果を検証するためです。
脳卒中のリハビリは早く開始するほど有効です。効果は漸減していき、数ヶ月で後遺症は固定されてしまいます。
1ヶ月半も経過して、症状が固定されかかった症例に対して、これほど著効が認められるのは驚きです。
もしも、発症後まもなくに、この治療が施されたとしたら、どうなるのかと、想像するだけでワクワクします。

いわば、簡易版IPSとも言えるこの再生治療をマスコミが大々的に報じないのが不思議です。


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