老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

755;109歳のお婆ちゃん 内視鏡の手術成功

2018-05-23 19:17:51 | 老いの光影 第2章
109歳のお婆ちゃん 内視鏡の手術成功

5月18日の出来事
109歳の安達サタさん(余が担当するケアプラン最高齢)が
熱発、腹部痛により救急搬送により芳賀赤十字病院入院となった
救急外来で診断の結果 総胆管結石であり、治療は急を要する

医師からは3つの治療法を提示された
1つ目は 点滴だけで積極的な治療はしない
食べれなくなり、苦しみながら2,3日後には死亡する

2つ目は 開腹術。これは年齢的には無理。

3つ目は 内視鏡による手術。
主治医からは
過去の症例では90歳代の老人の内視鏡による手術は行ったが、
まだ100歳以上の症例はない
麻酔を行い、手術が成功しても
術後肺炎などの合併症や
麻酔から目が覚めないなどの
危惧があると

家族は
3つ目の治療方法を選択した

総胆管結石の採石をすることを目的とし、
内視鏡により治療を行った

19時頃手術を終え、
医師より説明を受け、
親指以上の大きさの結石が採石された。
翌日、麻酔から目が覚め、ホッとする
合併症もなく無事帰還

5月21日 面会に行った
生命力の強さに圧倒
馬蹄形の歩行器につかまり病棟内を歩く

夫は太平洋戦争で戦死
女手一つで6人の子どもを育てあげてきただけに
生きる力は人一倍強いだけに
束縛されることに抵抗
点滴の針を抜いてしまう
それで
抑制され
身動きができなくなった
抑制帯をするり抜け
外してしまった

病棟看護師に時間をとって頂き
退院に向け話し合いを行った
看護師からは血液検査を行い「異常なし」と
食事が摂れるようになれば
退院ができる

退院できるような状態になれば
1日も早く退院をさせたい旨を伝えた

5月26日の午後 退院が決まった
土曜日だけれど
病院に行くことにした


内視鏡外科手術は腹腔(おなかの中)に小さな穴(3mm~10mm)を数ヶ所あけ、
そこから内視鏡と細い手術器具(鉗子)をいれて、テレビモニターを見ながら行います


754;~に限って

2018-05-23 04:27:32 | 老いの光影 第2章
「~に限って」

子どもがコンビニで万引きをした
そのとき
親は我が子に限って、と思ってしまう
確かに
我が子を信じることは大切
でも
疑ってはいけないが
万引きをした、という
事実に向き合うことは大切

老いた母親が
掌に丸めた団子が握られてあった
よく見ると
それは大便であった

手にした団子を見せられても

母親が
物忘れが増えてきたことは
理解したつもりでも
我が母親が
まだ
重い認知症とは
思ってはいない
いや
信じたくはない

認知症が進んだ事実を
伝えるのは
勇気が居る

癌告知と同じで
告知した後
どうするか
そのことのほうが
大切なのかもしれない

万引きした子どもを叱ることより
物忘れをした老親を
「しっかりしてよ」と叱るより
どうそのことに向き合い
生きていくのか