老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

758;白骨化した蔓

2018-05-27 21:50:04 | 老いびとの聲
白骨化した蔓

我家の庭は
一面雑草に覆われ
不在のとき
誰かが訪れたとき
本当に人が棲んでいるのか、と
一瞬思ってしまいそうな
草屋敷
30坪の小さな平屋

9時過ぎに
三菱ミニカ2ドアのハンドルを握り
ホームセンターへ行き
電動草刈機と柄の長短2種類の草刈り釜を買った

30坪ほどの荒れた庭と3坪のミニ菜園の草刈り、草取り作業
シロツメクサが庭の半分ほど占領され
羊、仔馬などを放し飼いにすれば
シロツメクサを食べきれいにしてくれるのだが
今日は釜でシロツメクサやハルジオンなどを
草刈り釜で刈り取りきれいにした
大のビニール袋のゴミ袋 6袋もあった

ミニ菜園も草ぼうぼう
昨年栽培した胡瓜の蔓が
白くなり白骨のようであった
野菜の蔓が枯れると
火葬場で焼かれた人間の白骨と同じであった
野菜も生きている
胡瓜も死んだら白骨化することに
不思議さを感じた

余と結婚する前の出来事
妻は二度ほど・・・・を試みたが失敗
人間死ぬ寸前 花畑を見るというが
そんなことはない
ぼんやりと多色(7色であったかどうかはわからない)が
ぼんやりとしていたがきれいだった
母親の声で意識が覚めた
白骨化にならずにすんだ妻
その後に余と遭遇した
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757;ジッとしている

2018-05-27 05:45:13 | 老いの光影 第2章

ジッとしている

路傍に咲く雑草花
何処に行けず
此の地に生き
毎年花を咲かせる

余は流転の暮らし
花を咲かせることもない

在宅を訪れると
91歳の美紗緒婆さんは
歩行器につかまり自宅の庭位なら歩けのに
太陽を浴びることもなく
一日中
炬燵のなかに潜りジッとしている
用足しには3、4回トイレに行くが
そのときは歩かず
這うか躄(いざ)りで
蟹のように移動している
何もせずに
掘り炬燵に足を垂らし
ジッと坐ったまま
何もするわけではない
ジッとしている
首を垂れたまま
眠っているのか
起きているのか
わからない
楽しいのであろうか
毎日同じことの繰り返し

或る特別養護老人ホームを訪れた
全ての特別養護老人ホームや老人保健施設がそうだとは言わないが
介護施設で過ごす多くの老人は
テーブルの前に置かれ
車いすに座りジッとしている
両隣や向かい側にも
車いすや椅子に座ったままの老人がいる
お互い言葉を交わすこともなく
此処でも
眠っているのか
起きているのか
わからない
定時のおむつ交換か
食事の時間まで
ジッとしている

ジッとしたまま
老いを過ごすのは
辛く悲しい

でも
住み慣れた家で
ジッとしているのと
介護施設で
ジッとしているのとでは
ジッとしている意味は違うような気がする

それは風景の違い
そのことは次回に述べていきたい


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