『宝満の 畦の傍ら 野梅咲く』
(ほうまんの あぜのかたわら のうめさく)
『電話口 明るき妹や 梅一輪』
(でんわぐち あかるきいもや うめいちりん)
『梅社 木鷽も土鈴も 真道』
(うめやしろ うそもどれいも まことみち)
『ニャーニャーと この世の春や 猫の戀』
(にゃーにゃーと このよのはるや ねこのこい)
『義理義理の バレンタインデー 通り過ぐ』
(ぎりぎりの ばれんたいんでー とおりすぐ)
『菜の花の 咲き出す季節 つん椿』
(なのはなの さきだすきせつ つんつばき)
『二度楽し 鮪の山かけ お茶付けと』
(にどたのし まぐろのやまかけ おちゃづけと)
『冴え返る 来週半ば 冴え返る』
(さえかえる らいしゅうなかば さえかえる)
『バレチョコを 来年こそはと 妹電話』
(ばれちょこを らいねんこそはと いもでんわ)
『紀元節 ここにもあった さざれ石』
(きげんせつ ここにもあった さざれいし)
『紅梅や 眉凛として 初節句』
(こうばいや まゆりんとして はつぜっく)
『春暖か しぶとき風邪も 抜ける筈』
(はるあたたか しぶときかぜも ぬけるはず)
『韓ドラは 字幕が一番 春一番』
(かんどらは じまくがいちばん はるいちばん)
『春めきて 漬物旨き 飯屋かな』
(はるめきて つけものうまき めしやかな)
『野の梅は 咲きたかったから 咲くんだね』
(ののうめは さきたかったから さくんだね)
『日曜と 安堵してする 朝寝かな』
(にちようと あんどしてする あさねかな)
『押しくらも 石蹴りに変わる 暖かさ』
(おしくらも いしけりにかわる あたたかさ)
『白梅は 青い空が合う 晴れの日の』
(しらうめは あおいそらがあう はれのひの)
『宰相も 大臣も皆 目借り時』
(さいそうも だいじんもみな めかりどき)
『うららかや 百年一度の 出来損ない』
(うららかや ひゃくねんいちどの できそこない)