俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

麦の秋

2009年05月16日 | 俳句

『先達の 旅の日に降る 五月雨よ』
(せんだつの たびのひにふる さみだれよ)

『瀧の音 静かに聞き入る 水芭蕉』
(たきのおと しずかにききいる みずばしょう)

『バラ園の 薔薇を撮らば 泪降る』
(ばらえんの ばらをとらば なみだふる)

『まだありし ベランダ越しの 鯉幟』
(まだありし べらんだごしの こいのぼり)

『薔薇朽ちし 色も形も くすんでる』
(ばらくちし いろもかたちも くすんでる)

『老いの目か 水仙と見えし 菖蒲かな』
(おいのめか すいせんとみえし あやめかな)

『義弟の 容態変わらず 五月雨て』
(おとうとの ようたいかわらず さみだれて)

『薫風や 漏れ来る匂い 避け通る』
(くんぷうや もれくるにおい さけとおる)

『薫風や 網フェンスの 木々揺らす』
(くんぷうや あみふぇんすの きぎゆらす)

『薫風よ 雨はいらぬぞ 明日は旅』
(くんぷうよ あめはいらぬぞ あすはたび) 

『聖五月 たまり忘れし マグロ丼』
(せいごがつ たまりわすれし まぐろどん)

『再会も 二年半ぶり 麦の秋』
(さいかいも にねんはんぶり むぎのあき)

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万緑

2009年05月15日 | 俳句

『眉濃ゆく 凛々しき赤子 聖五月』
(まゆこゆく りりしきあかご せいごがつ)

『石段を 踏みしめる毎 汗の落つ』
(いしだんを ふみしめるごと あせのおつ)

『どこ見ても 五月の緑 目に痛し』
(どこみても さつきのみどり めにいたし)

『万緑の 蒼きを秘めて 生駒あり』
(ばんりょくの あおきをひめて いこまあり)

『シャッター街 主を待ちし 燕の巣』
(しゃったーがい あるじをまちし つばめのす)

『食べすぎか 低空飛行 鴉の子』
(たべすぎか ていくうひこう からすのこ)

『新緑や 若き時代を 想い出し』
(しんりょくや わかきじだいを おもいだし)

『夏の雲 秋雲に似て 掠れけり』
(なつのくも あきぐもににて かすれけり)

『蝸牛 過ぎにし過去は 光あり』
(かたつむり すぎにしかこは ひかりあり)

『芍薬や 妹の姿を 合わせ見て』
(しゃくやくや いものすがたを あわせみて)

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さくらんぼ

2009年05月14日 | 俳句

『城址に 登ればみんな 風薫る』
(しろあとに のぼればみんな かぜかおる)

『このごろは 木に成るを見る さくらんぼ』
(このごろは きになるをみる さくらんぼ)

『眠る生徒を こつんと小突いて 夏の昼』
(ねむるこを こつんとこづいて なつのひる)

『夏めくも 土曜日曜 いつも雨』
(なつめくも どようにちよう いつもあめ)

『手を結ぶ 汗の多さに 老い増せり』
(てをむすぶ あせのおおさに おいませり)

『今は無き 黒きボタ山 夏暑し』
(いまはなき くろきぼたやま なつあつし)

『母娘三人 写りし顔は さくらんぼ』
(ぼしさんにん うつりしかおは さくらんぼ)

『街中で 聞き取れなくて ほととぎす』
(まちなかで ききとれなくて ほととぎす)


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竹酔日

2009年05月13日 | 俳句

『竹酔日 竹の酔いなら 良いけれど』
(ちくすいび たけのよいなら よいけれど)

『夏嵐 義弟倒るる 北の国』
(なつあらし ぎていだおれるる きたのくに)

『紫陽花は 日毎に色の 濃ゆくなり』
(あじさいは ひごとにいろの こゆくなり)

『玉砂利に 日陰の欲しき 薄暑かな』
(たまじゃりに ひかげのほしき はくしょかな)

『展望台 遠目で判る 白日傘』
(てんぼうだい とおめでわかる しろひがさ)

『唇の 乾きに合わす 夏歩き』
(くちびるの かわきにあわす なつあるき)

『たおやめも ますらおもみな 麦の秋』
(たおやめも ますらおもみな むぎのあき)

『下町の 工場に見る 薄暑かな』
(したまちの こうじょうにみる はくしょかな)

『孫の眉 凛々しかりしも 早乙女よ』
(まごのまゆ りりしかりしも さおとめよ)

『つくばいに 身を屈めれば 若葉風』
(つくばいに みをかがめれば わかばかぜ)


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若葉

2009年05月12日 | 俳句

『よぼよぼの 虻飛び来たり 会議止む』
(よぼよぼの あぶとびきたり かいぎやむ)

『急ぎ足 若葉光りて 笑うごと』
(いそぎあし わかばひかりて わらうごと)

『ぽっつりと 松の花咲き 休講です』
(ぽっつりと まつのはなさき きゅうこうです)

『見るだけで 無花果若葉 口かゆし』
(みるだけで いちじくわかば くちかゆし)

『さくらんぼ 採るには早いよ 椋鳥よ』
(さくらんぼ とるにははやいよ むくどりよ)

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紫陽花

2009年05月11日 | 俳句

『薔薇園の 門をば避けて 入りけり』
(ばらえんの もんをばさけて はいりけり)

『裏門に 近きバス停 夏の暮』
(うらもんに ちかきばすてい なつのくれ)

『マグカップ ベトベトしてる 薄暑かな』
(まぐかっぷ べとべとしてる はくしょかな)

『老いされば 新緑求め 外へ出ん』
(おいされば しんりょくもとめ そとへでん)

『鳶襲う 餌付けの報い 夏の空』
(とびおそう えづけのむくい なつのそら)

『豆飯や 不味くなけれど 喰わぬなり』
(まめめしや まずくなけれど くわぬなり)

『紫陽花の 色が醸すか ミステリー』
(あじさいの いろがかもすか みすてりー)

『緋鯉跳ね 紫陽花の色 際立てり』
(ひごいはね あじさいのいろ きわだてり)

『紫陽花の 昨日と違う 色変化』
(あじさいの きのうとちがう いろへんげ)

『汗のシャツ 同じところが 濡れている』
(あせのしゃつ おなじところが ぬれている)

『その昔 かかざりし自慢 夏の汗』
(そのむかし かかざりしじまん なつのあせ)

『萍の 隙間に見える 鯉の影』
(うきくさの すきまにみえる こいのかげ)
                   =9604
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藤棚

2009年05月10日 | 俳句

『藤棚を 腰首曲げて 下通る』
(ふじだなを こしくびまげて したとおる)

『公園に 一つはあるか 藤の棚』
(こうえんに ひとつはあるか ふじのたな)

『薄暑かな まどろみ深く 時流る』
(はくしょかな まどろみふかく ときながる)

『空いている 回転寿司に 薄暑かな』
(すいている かいてんずしに はくしょかな)

『薔薇の露 朝日を浴びて 自己主張』
(ばらのつゆ あさひをあびて じこしゅちょう)

『風薫る 晴天の日の すがすがし』
(かぜかおる せいてんのひの すがすがし)

『木苺を 見つけて自慢 妹の顔』
(きいちごを みつけてじまん いものかお)

『夏に入るや 石の上には 亀親子』
(げにいるや いしのうえには かめおやこ)

『川泳ぐ 目高の学校 探しけり』
(かわおよぐ めだかのがっこう さがしけり)

『気の抜けし 昨日残せし ビール飲む』
(きのぬけし きのうのこせし びーるのむ)


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夏は来ぬ

2009年05月09日 | 俳句

『川べりに 鴉水浴び 夏は来ぬ』
(かわべりに からすみずあび なつはきぬ)

『夏は来ぬ にぎりの烏賊の 旨きかな』
(なつはきぬ にぎりのいかの うまきかな)

『先達と 同じふるさと 夏の昼』
(せんだつと おなじふるさと なつのひる)

『学び舎は 新樹輝く ひともまた』
(まなびやは しんじゅかがやく ひともまた)

『学び舎は 若き香りの 夏の園』
(まなびやは わかきかおりの なつのその)

『初夏らしき 歩く姿に 夏の色香』
(しょからしき あるくすがたに なつのいろ)

『満月を 求めて外へ 薄暑かな』
(まんげつを もとめてそとへ はくしょかな)

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蝸牛(かたつむり)

2009年05月08日 | 俳句

『やっと来た 五月の予報 晴れマーク』
(やっときた ごがつのよほう はれまーく)

『藤棚の 花越しに見る 陽の光』
(ふじだなの はなごしにみる ひのひかり)

『たはむれに 手を握っては 汗をかき』
(たはむれに てをにぎっては あせをかき)

『これからは 薔薇の季節と 説く女も』
(これからは ばらのきせつと とくひとも)

『夏の陽に 光る瓦の 哂いけり』
(なつのひに ひかるかわらの わらいけり)

『歩いても 座っていても 百合の花』
(あるいても すわっていても ゆりのはな)

『夏来たり 晴れの満月 明日は見ん』
(なつきたり はれのまんげつ あすはみん)

『青き空 葵の花の 高く咲く』
(あおきそら あおいのはなの たかくさく)

『蝸牛 行きも帰りも 同じ位置』
(かたつむり いきもかえりも おなじいち)

『夏の道 老いの溢れて 体操す』
(なつのみち おいのあふれて たいそうす)


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夏めく

2009年05月07日 | 俳句

『早乙女の 月となりても 誰も来ず』
(さおとめの つきとなりても だれもこず)

『聖五月 いつになったら 晴れるやら』
(せいごがつ いつになったら はれるやら)

『夏の昼 回転寿司が スパゲッティ』
(なつのひる かいてんずしが すぱげってぃ)

『夏めくも 夕焼け子焼けの 集塵車』
(なつめくも ゆうやけこやけの しゅうじんしゃ)

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薫風

2009年05月06日 | 俳句

『義母帰り 再び戻る 凪の夏』
(ははかえり ふたたびもどる なぎのなつ)

『夏立つや 烏賊の塩辛 底をつき』
(なつたつや いかのしおから そこをつき)

『桃つぼむ 何とか判る 唄なりし』
(ももつぼむ なんとかわかる うたなりし)

『店先に 光りて笑う さくらんぼ』
(みせさきに ひかりてわらう さくらんぼ)

『夏立つや 空に欲しきは 陽の光』
(なつたつや そらにほしきは ひのひかり)

『薫風や 空は曇りて 香うすし』
(くんぷうや そらはくもりて こううすし)

『いいかげん 表われ出でよ 五月晴れ』
(いいかげん あらわれいでよ さつきばれ)

『夏来たる 何の変わりも あるじゃなし』
(なつきたる なんのかわりも あるじゃなし)


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立夏

2009年05月05日 | 俳句

『義母帰る 立夏の雨の 残り香よ』
(ぎぼかえる りっかのあめの のこりがよ)

『目に青葉 緑の黒髪 夏来たる』
(めにあおば みどりのくろかみ なつきたる)

『雨音の 弾んで聞こゆ 立夏雨』
(あまおとの はずんできこゆ りっかあめ)

『若葉雨 明日は緑の 色映えん』
(わかばあめ あしたはみどりの いろはえん)

『五月雨に 幟早々 仕舞いけり』
(さみだれに のぼりはやばや しまいけり)

『手をたたき 足はばたかす 吾子の夏』
(てをたたき あしはばたかす あこのなつ)

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聖五月

2009年05月04日 | 俳句

『ベランダに 隠れて泳ぐ 鯉幟』
(べらんだに かくれておよぐ こいのぼり)

『吾子の歯の 下一本生えて みどりの日』
(あこのはの したいっぽんはえて みどりのひ)

『義母妹来て 賑やか増せり 聖五月』
(おやこきて にぎやかませり せいごがつ)

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花屑

2009年05月03日 | 俳句

『花屑に 縁を取られて 道となり』
(はなくずに ふちをとられて みちとなり)

『花屑を 吸っては吐きぬ 池の鯉』
(はなくずを すってははきぬ いけのこい)

『花屑を 足に絡ませ 亀眠る』
(はなくずを あしにからませ かめねむる)

『花屑の 水面を分かち 鴨進む』
(はなくずの みなもをわかち かもすすむ)

『浮き沈み 堰に溜まりし 花の屑』
(うきしずみ せきにたまりし はなのくず)

『藤の花 ゆらゆら揺らす 風誘う』
(ふじのはな ゆらゆらゆらす かぜさそう)

『雲誘う 春の名残りの 朧月』
(くもさそう はるのなごりの おぼろづき)

『若葉光 石段の道を ケンケンパッ』
(わかばこう いしだんのみちを けんけんぱっ)

『葉桜に 出くわす路地の 曲がり角』
(はざくらに でくわすろじの まがりかど)

『花屑に 縁を取られて 花街道』
(はなくずに ふちをとられて はなかいどう)

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八十八夜

2009年05月02日 | 俳句

『八十八夜 上弦の月 春の月』
(はちじゅうはちや じょうげんのつき はるのつき)

『天に向く 水木に合わせ 我も向く』
(てんにむく みずきにあわせ われもむく)

『晩春の 日陰冷たく 風きつし』
(ばんしゅんの ひかげつめたく かぜきつし)

『花筏 堰の関所を 妹助く』
(はないかだ せきのせきしょを いもたすく)

『目に青葉 駅吊り広告 夏の旅』
(めにあおば えきつりこうこく なつのたび)

『粽なく 柿の葉寿司の 酢の効きて』
(ちまきなく かきのはずしの すのききて)


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