和倉温泉
富山湾に面したホテルの窓を開けると心地よい風が吹きこんできた。
しばらくすると紙飛行機のようにしなやかに飛んでいたカモメの数が増えて近づいて、風を切る音を立てて顔をかすめるように飛ぶのもいる。
餌付がされているようだ、部屋のテーブルにあった、茶受けの菓子をちぎって投げてみた、慣れたもので菓子を狙って急降下し空中で見事にキャッチする。
その飛翔する姿は夕焼け空を背景にして天女のように美しい。
青い海と茜空と、白い海鳥の乱舞を飽きずに眺めた。
気がつくと各フロアーの窓からもカモメたちを呼ぶ儀式が始まって、祭りは茜色の雲があせるまで続いた。