黄葉に囲まれた鎮守様の茅葺屋根が風雪に晒されて痩せてきた。
カヤ葺き屋根のふき替えは大事業である、集落の会議では銅板を被せて葺き替えから解放されたいという意見もあったけれど
茅葺の鎮守様は、希少で価値が高く、折角の茅葺を金属で覆うのはもったいないと、偉い先生が言ったので今でも茅葺である。
昔はこの集落の家屋はほとんどがが茅葺であったが、現在では茅葺はこの社のみである。
茅葺の民家はすべて、瀟洒な文化住宅に建て替えられた。
我が家は屋根だけを瓦屋根に変えた、したがって柱も壁も間取りも江戸時代そのままである。
だからそこの住人からは江戸時代の匂いがプンプンするらしい。