二重虹
早朝 小雨の空に架かる巨大な二重虹が現れた。
弧は市街地の上空に始まり、頭上を一直線に伸び、国境の山並を跨ぎ、遠く諏訪湖まで届いているように思えた。
褪色も早い、花火が消えるように色あせて灰色の雲に同化していった。
通勤の途中で稲刈りが終り、綺麗にハゼ掛けされた田んぼを見た。
農繁期が始まる。
学童のころ、田植え時と収穫時に学校が休みになった。
農作業が全て手作業だったその時代、農繁期は猫の手も借りたい程忙しい。
低学年児童も駆り出されて夕暮れまで働いた。
情景を懐かしく思い出す。