昨日初秋の木曽路を振り子電車に揺られて名古屋に向かった。
木曽福島駅を出てしばらくすると、国道から分岐して右手に幹線道路が伸びる。
その先にあるのが、昭和32年木曽川の支流王滝川で工事が始まった、愛知用水牧尾ダムである
その当時工事現場のの王滝村はにわかに活気を帯び、村の診療所は設備を整え最新の医療機器を揃えた。
医療機械屋も忙しく、週に一度は先輩に連れられて通ったものだ。
土と岩石を100メートルの高さに積み上げるロックフィルダム徐は々に高さを増していった。
その頃日本の土木工事はもっぱら鶴嘴を振り上げる人力であった、昼夜の別なくアメリカ製の大型重機がうなりを上げて土を運び、岩を積み上げた。
アメリカの巨大ダムの建設に使われた重機がそのまま日本にやってきたという。
そのダイナミックな動きに圧倒され、見ていると時の経つのを忘れるほどであった。
宿舎が連なる一帯は牧尾銀座と呼ばれ、飲食店が立ち並び、様々な店が軒を並べた。
さしもの賑わいもダムの完成と共に終り、4年後村には静かさが戻った。
木曽路をゆく時思い出す一こまである。