事務所の窓を細めに開けて景色を切り取った。
つたの絡まる赤レンガと洋風建築が狭い空間に収まって不思議な世界に誘われる。
フィレンツエは全て石造りの街であったから、多分このような景色は見られないだろう。
しかし 洋館の紅い丸屋根からフィレンツエの風情が伝わってきた。
数を増やした水鳥達
濠に浮かぶ水鳥の数がおおくなった。
1年を通して生息するカルガモの他に、北の国から越冬のため渡ってきた水鳥が混じっているのだろう。
濠に番いの白鳥が住んでいる、この番いは主翼の主羽を切ってあるから空を飛べない。
夏でも狭い濠の中で観光客を迎えている。毎年抱卵するのだけれど、親鳥と一緒に泳ぐ灰色の雛は見る事はない。
暑さで死んだり、野生動物の餌食になってしまうらしい。一代限りなのだろう、だから今の白鳥は初代の末裔ではない。
動物園ではないのだから、自然の摂理を捻じ曲げて白鳥を濠に浮かべる不自然を考える。
自由に飛び、泳ぎ 水に潜る 水鳥を見ているのは楽しい。
金木犀
城のにぎわい
けやきの紅葉始まる
落葉
昼休みに松本城の周りを歩いた。
城を囲む公園内では、土曜から始まる松本蕎麦祭りの準備に追われていた。
金木犀が盛りと咲いて、小道に香りが満ち溢れて、行き交う人は皆さわやかな笑顔である。
帰りに歩道わきの事務局に立ち寄って例会資料を受け取った。
桂の紅葉が歩道に散っている、事務局員さんが落葉掃きするというから「掃かない方がいいよ」と無責任なことを言った。
ほんの1キロに満たない散歩コースであったが、落葉を踏んで歩くとそこはいつもと違う世界に思えた。
踏まれて朽ちた落葉は歩道を汚す、やっぱり落葉掃除が正解なのだろう、落葉を踏む風流に浸りたいのなら早起きすれば済むことだ。
帰宅するとカミサンが道にころがっていいたクワガタ虫を拾ってきたとぃう。
部屋の中で伏せた金笊に入れておいたら、しばらくしてごそごそ動き出した、寒さに仮死状態になっていたのだろう。
何か餌になる物をといわれて、昔葡萄を与えたことを思いだしてそういった。
完熟のナイアガラを潰して与えたら汁を少しなめたらしい。
珍客を今朝になって良く観察した。
子供の頃クワガタ類の甲虫は土地固有の呼び方があった。
カブトムシは一本角と呼んでクワガタ類とは1ランク下の扱いだった。
それでクワガタ類を総称してカブトと呼んだ。
家で保護したクワガタは、カブトの中でもめったに手に入れる事ができないオニカブトに違いない。
夏休み、里山のクヌギ林でオニカブトを捕まえて昂奮し、その夜は嬉しくて眠れなかったことを思い出した。
寒い朝
気象情報の日本地図北半分が10℃以下の白色に塗りつぶされた。
山脈の遠くに見える白い嶺は初冠雪である。
ここから見る事は出来ないが、通勤途中で見た爺が岳、鹿島槍、五龍、白馬は純白の雪化粧であった。
冬が駆け足でやって来る。
独法大学が物品調達に「リバースオークション」方式を試行するという、ついにここまで来たかというのが偽りのない実感である。
春の訪れと見るか、厳寒期の到来と見るか、立場により分かれるところである。
安曇野、松本を舞台に展開したテレビの朝ドラ「おひさま」が終わった。
あまり見る機会がなかったのでドラマの中身はよく知らない。
しかし おひさま効果で松本・安曇野を訪れた観光客は例年を大きく越えたと報道され続けた。
夏休期間の最盛期、松本城天守閣は長蛇の列が続き、炎天下2時間待ちが珍しくなかったという
単に一過性ブームで終わることのないように、迎える市民の細やかな気遣いが好評だったと聞いた。
今年来ていただいたお客様に、来年も是非来てほしいと、松本市民はこぞって、切望している。
溝蕎麦