元ラーメン屋店主のツイート集

ラーメン屋を10年経営し、今は閉店し、介護士をしています。

NOと言えない日本人と、グレーゾーン

2007年08月10日 | 店主の人生哲学
10年ぐらい前までは「NOと言えない日本人」と
言い、物事をはっきり決められない曖昧な人種と
して「NO」が言えない事を日本人の欠点と捉える
傾向にありました。

しかし、昨今はモラルや思いやりが軽薄になり、
相手の事など気遣わずズケズケと自己中心的に
自己主張したがる国民性に変貌しつつある傾向
を見ると「NOと言えない日本人」だった頃の
日本人が奥床しく感じられます。

アメリカ人のように「YES」「NO」をハッキリ
言えないのは、日本人には本音と立前文化が
根付いているからだと思います。本音と立前
は、ただの裏表ではないです。本心は
決まっていても、立場上や状況上などで
場の空気に合った発言をすることで、角が
立たず、協調性を乱しません。多分、日本人
特有の集団心理で、周りに配慮し遠慮しなが
ら生きてきた人種だと思います。

だから、中間色のグレーゾーン的な曖昧さが
日本人カラーに成っていたと思います。

だから、一昔前までは、好きじゃない人から
告白されても

「ちょっと考えさせてください」

と答えの
先送りをし、相手を傷つけず断る言葉を考え
たり

「今、好きな人がいるので、ごめんなさい」

と、告白した相手に申し訳なさそうに謝罪し
相手をなるべく傷つけないように、やんわり
断ったものです。

昨今の若者事情は知らないので想像ですが、

「好きです。付き合ってください」

とか言われると

「はぁ?ありえないから。ウゼーーー。ぶっちゃ
け寒いし。って言うかキモイ」

とか言い、告白し
た人に深い傷を与えたりするのでしょう。また、
翌日、学校中に言いふらされ、傷口に塩や唐辛子
を塗りこむような追い討ちをかけられるのかも
しれません。

適当な極論ですが、例1つとっても日本は
変革期にあると思います。

じゃ、僕は「NOと言えない日本人」なのか
「NOと言える日本人」なのか自問自答してみると、
この問いにすら曖昧で「時と場合による」という
中間答しか出せません。

いかなる場合でも自分の信念、意見を曲げずに
主張できるか?となれば、そうでもないです。
かと言って、いつも周囲に流され、長いものに
巻かれる生き方をしている訳でもないです。

日本人の常用語に「どっちでもいい」「どこで
もいい」という曖昧な返答があります。日本人
は決断を迫られるのに弱く、自分の決断が結果
的に悪かったり、自分の決断を否定されるの
が怖くて、決断の逃避法として、相手に決断を
させたがります。でも、「どっちでもいい」と
言う人は、大抵相手の決断に不服があっても
立前で共感したりします。

長くなりましたが、本日の本題はここからです。

僕はセールスマン(訪問販売)が苦手です。

僕の友人に血の気が多い人がいますが、彼は
セールスマンを頭ごなしに怒鳴り散らし追い
返します。また、セールスマン側も気が短い
く喧嘩に発展したケースもあったようです。

セールスマンは大変な仕事です。あちこち
で冷たくあしらわれて、時には怒られて
本当に大変だと思います。

だから、セールスマンが苦手ですが、なるべく
笑顔で、丁重にお断りするようにしています。

僕同様に気が小さく、断るのが苦手なタイプ
は、ついつい話を聞いてから断りがちですが、
セールストークを聞いてしまったら3割方
不利な状況になります。

だから、相手が商品説明をする前に、先手を
打って、話をさせないようにしています。
先に何度も断った状態でも、粘り強く相手が
話したがるなら、話をさせますが、
「最初から要らないと言ってますが(笑)」
と言って断っています。

でも、当店のお客様として食事をされた方が
ついでにセールスをされた場合は結構困り
ます。一見さんで終わるお客様か、今後も
ご来店になるお客様か見極める事は出来ま
せんので、軽く話は伺い、失礼が無いように
お断りしますが、セールスを断って
次にお客様として来て頂けた人は1人
もいません。多分、このケースで数十人の
セールスを断りましたが、当店で食事を
して頂いた感謝とセールスの品を僕が買う
かは別問題です。

当店に今まで数百人ぐらいのセールスマンが
来ていますが、ほとんど断らせて頂いています。
もし、全ての業者と取引したり、契約したら
間違いなく破産しています。

自分で言うのも何ですが知らない相手にも
結構義理堅く(ただの小心者かな)小さな店
などに入ると何も買わずに帰るのが申し訳な
く、何か安いものを買ってしまいます。

コンビニでも一緒です。入店した以上、欲しい
物が無くても手ぶらじゃ帰れないと、勝手に
思ってしまいます。
だから、オーナーが1人でやっているCD屋と
かに入ると「うわー演歌ばっかりじゃん。
どうしよう欲しいCDが無い。ハードロックな
んて1枚も無い・・。あんまり興味ないけど
エルビス・プレスリーでも買うか・・。」って
要らないものに3000円払う事もあります。
だから、試食品なんて絶対に食べません。
試食したら最後。買わなければいけない
という観念をいだきます。

このように、自分から行動した事に対しては
(店に行く、試食をするなど)
妥協行動として責任をとりますが、受身
状態のセールスに対しては殆ど「NO」です。

で、ここからが僕が本当に書きたかった
今回の最大ポイントです。

今度は僕が店に行く客の立場で書いてみま
す。

僕は結構多くの馴染の店があり、オーナー
と気さくに喋る店もありますが、僕が店に
行っている目的以外の商品を薦められたり、
変なお願いを強要されると、好きな店でも
行かなくなります。

誤解しないで頂きたいけど、新商品情報や
入荷情報などは客としてありがたいけど、
本業とかけ離れたセールスなどは迷惑でし
か無いです。何度断ってもしつこいような
ら、もう僕はその店との縁を切ります。

例をあげると何処の店かバレそうですが、
もし店の本人が見ていたら、自分の首を
しめる行為を悔い改めてほしいです。

例えば某飲食屋で食べに行く度に
「私は保険の外交もやってるからコレ読んで。
ノルマ足りないから生命保険に入ってよ。」
などと保険の勧誘をしてくる。

某飲食店
「新聞をとってくれませんか?」

某飲食店
「とてもありがたい話をするセミナーがある
から来て。」何なのか詳しく聞いても
「来たら分かるから」と不気味な勧誘。

某飲食店
「この洗剤は汚れの落ち方が全然違う。
この洗剤の良さを多くの人に広めたら収入
になるよ。やってみん」ネズミこうじゃん。

某物販店
「私たちの神様の教えに従えば、絶対に
幸せになるから」信仰宗教じゃん。

某飲食店
選挙について「○○さんに絶対投票してく
ださい。○○さんしか日本を変えられない。」
選挙の時期はあちこちからお願いされます。

某バー
「頼みにくいけど、金貸して。うちの店やば
いから、助けると思って・・・」客から
金を借りるようになったらお終いです。実際
倒産しました。

某飲食店
「今度飲みに行こう」
「明後日、イベントがあるから絶対に来て」
等、その店に行く度に何かに誘われました。
僕はその店の料理が好きで、少しオーナーと
世間話をする程度で満足なのに、友達感覚の
付き合いを求めてこられると引きます。

もちろん、それらのセールス、勧誘、お願い
は全て断り、今は行かなくなった店ばかりです。
僕が思うに店とは、10-1=9ではなく、
10-1=0だと思います。店の商品が良くて
も、安くても、何かしら不満があったら評価は
0になり行かなくなってしまいます。

僕も店を運営する者として最高のサービスで
最高の満足をお客様に与えれるように精進します。