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優秀な介護人キャシーは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。
生まれ育った施設ヘールシャムの親友トミーやルースも提供者だった。
キャシーは施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。
図画工作に力を入れた授業、毎週の健康診断、
保護官と呼ばれる教師たちのぎこちない態度…。
彼女の回想はヘールシャムの残酷な真実を明かしていく。
(「BOOK」データベースより)
2017年のノーベル文学賞受賞によって、カズオ・イシグロを知り
初めて読んだのが、「遠い山なみの光」
その時、英国最大の文学賞であるブッカー賞を受賞した
「日の名残り」も一緒に買ったのですが、
読んだのは昨年8月でした。
執事として働いてきた老人が、過去の仕事を振り返るお話ですが、
よその国の少し昔の物語としか感じられず、
ブログには特に感想までは残しませんでした。
「わたしを離さないで」を読むきっかけは、2016年1月~3月に放送された
TBSの同名ドラマをネット配信で見て衝撃を受けたからで、
ドラマではヘールシャムが陽光学園に、
キャシー(恭子)役を綾瀬はるか、トミー(友彦)役を三浦春馬、
ルース(美和)役を水川あさみが熱演していました。
ドラマは冒頭から衝撃的なシーンで始まる。
手術室に横たわる友彦の臓器摘出。それを見つめる恭子。
手術が終わり、恭子が看護師から渡された注射をその体に打つと
今まで息で曇っていた酸素マスクの中が透明になる。
そのまま友彦を焼却炉に入れスイッチを押す。
見ているのが辛くなるようなシーンですが、
原作では31歳のキャシーが、ヘールシャムでの思い出を
一人称で淡々と語るところから始まります。
解説に細部まで抑制が利いて、入念に構成されていて
かつ我々を仰天させてくれる、きわめて稀有な小説である、
と書かれていましたが、まさにその通りだと思いました。
ドラマは映像があるし、より刺激的に表現されているので、
ここまで原作と離れてしまうのかと思ったところもありましたが、
原作者の思いはちゃんと伝わってきました。
クローンと人間の差ってどこにもない。
恋もするし、好きな人と一緒に暮らし、家族を作りたくもなる。
臓器が欲しいなら、臓器だけ作ればいい。
心なんていらないって言っていた恭子の言葉が虚しく響きました。
2005年発表のカズオ・イシグロによる長編小説。
臓器提供のために生み出された子供たちが、短い生涯をどのように生きたか、
人間とは何かを問われた一冊でした。
2010年にイギリスで映画化されたそうです。
レンタルビデオ屋さんにあったら、借りてみようかしら。
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河津桜が終わったころから、我が家の紅梅にも、
また野鳥がよくやってくるようになりました。
室内からガラス戸越しにメジロやヒヨドリを写しましたが全ボケです
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_z.gif)
(2021.03.05撮影)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/83/c93c6a2344d04ee7d5ec312ee55890a9.jpg)
オンシジウム・トゥインクル ‟フレグランスファンタジー”(手前)
とキンギアナム(奥)
花が大分終わったので、小さな花瓶に挿しました。
まだよい香りがします。
(2021.03.01撮影)