昼休みどきのタコ壺保健室の、間の抜けた会話をちょっとだけ諸君に教えてあげよう。
私が、タコ壺の隣の“屋敷”の主、片山教授だ。紳士であるから、安心したまえ。
「連休に1発かました藤川でえす」
「半発のピカイチでえす」
「嘘かますな、3発やったろうが」
「覚えがないし、たとえやったとして、何で知ってんだよ」
「コ“ぴ~”が、おまえんとこで3コ減っていた」
「数えてたのかっ」
「当たり前だ、ただじゃねえんだぞ」
「わかったよ、払えばいいんだろ、払えば」
「自分で用意しろ、それくらい自覚しろよな。じゃなきゃ、もう1人子供が増えるぞ」
「子供背負う前に、肥だめ満杯のタルを背負わされたじゃねえか」
「言うなあ、それ以上言ってみろ、ぶっちのめすぞ」
(-.-;)…。
と、ここで藤川のバカ殿が頭を抱えた。いったい、何があったんだ。
「浜中のバカがよろめいて、満杯の肥だめ樽背負ったままひっくり返りやがったんだ」汚い話だ。
私に似つかわしくないではないか。
しかし…。
「あのバカ、全身クソまみれの状態で俺に抱きつきやがって」
…。
「においがとれねえっ」
そういえば、保健室の窓という窓が全開だ。
通りで寒いと思った。
はははは。
カウンセラーでもある私は、暑さ寒さも超越した存在だ。快川紹喜曰わく、心頭滅却すれば火も亦た涼し、だ。
「だって、あんたのじいさんが悪いんでしょうが」
「やかましい、じじいより腹立つのは、久保田の野郎だ、浜中がクソまみれになった瞬間、肥え樽放り投げて逃げやがったろうが」
「そりゃ、俺だって逃げたかったさ」
「逃げる気だったのか」
「まあ…機会があれば」
「てめえ、この野郎…」
と、バカ殿が立ち上がった時だった。
タコ壺保健室にデカいのが飛び込んできて、叫んだと思え。
「万歳万歳万歳、長男誕生、その名も前田慶次郎…みんな…」
と、途中まで叫んだところで、バカ殿の憎しみを込めた視線とかち合った。
「何だ、義弟ではないか」
「てめえ、あちこちでガキの誕生吹聴しやがって」
「うっ」
「恥ずかしくねえのか、教師のクセにでき婚なんかしやがって」
「愛し合った結果だ」
デカいのは開き直ったのか威張りくさって、バカ殿を見下ろした。
「何が愛し合っただ、一発めで命中しただけじゃねえか」
「運命だ」
保健室内にいた我々は、デカいやつがムッとして言い放った言葉に唖然となった。
「何、下らないこと言うてんのやっ。毎回毎回性懲りもなく万歳三唱して、ここをどこだと思うてんのやっ。そうやなくても、高校の保健室は悪臭で気分の悪うなった生徒が続出して、てんてこまいしてんねんでっ」
と、生徒数名を従えたタコ壺の主が外で仁王立ちしていた。だいぶ、激怒しているとみた。
「バカ殿、あんた、ここまで悪臭運んできて、どないしてくれるんやっ」
「知るかっ、悪臭の根源は浜中だろうが~」
昨日の悪臭、今日の香水。
きれいに全身を洗ったところで、車の中が悪臭まみれでは臭いもうつろうが。バカなやつらだ。
さて、その後の展開は諸君たちの想像に任せるとして、私は講義があるので失敬する。
私が、タコ壺の隣の“屋敷”の主、片山教授だ。紳士であるから、安心したまえ。
「連休に1発かました藤川でえす」
「半発のピカイチでえす」
「嘘かますな、3発やったろうが」
「覚えがないし、たとえやったとして、何で知ってんだよ」
「コ“ぴ~”が、おまえんとこで3コ減っていた」
「数えてたのかっ」
「当たり前だ、ただじゃねえんだぞ」
「わかったよ、払えばいいんだろ、払えば」
「自分で用意しろ、それくらい自覚しろよな。じゃなきゃ、もう1人子供が増えるぞ」
「子供背負う前に、肥だめ満杯のタルを背負わされたじゃねえか」
「言うなあ、それ以上言ってみろ、ぶっちのめすぞ」
(-.-;)…。
と、ここで藤川のバカ殿が頭を抱えた。いったい、何があったんだ。
「浜中のバカがよろめいて、満杯の肥だめ樽背負ったままひっくり返りやがったんだ」汚い話だ。
私に似つかわしくないではないか。
しかし…。
「あのバカ、全身クソまみれの状態で俺に抱きつきやがって」
…。
「においがとれねえっ」
そういえば、保健室の窓という窓が全開だ。
通りで寒いと思った。
はははは。
カウンセラーでもある私は、暑さ寒さも超越した存在だ。快川紹喜曰わく、心頭滅却すれば火も亦た涼し、だ。
「だって、あんたのじいさんが悪いんでしょうが」
「やかましい、じじいより腹立つのは、久保田の野郎だ、浜中がクソまみれになった瞬間、肥え樽放り投げて逃げやがったろうが」
「そりゃ、俺だって逃げたかったさ」
「逃げる気だったのか」
「まあ…機会があれば」
「てめえ、この野郎…」
と、バカ殿が立ち上がった時だった。
タコ壺保健室にデカいのが飛び込んできて、叫んだと思え。
「万歳万歳万歳、長男誕生、その名も前田慶次郎…みんな…」
と、途中まで叫んだところで、バカ殿の憎しみを込めた視線とかち合った。
「何だ、義弟ではないか」
「てめえ、あちこちでガキの誕生吹聴しやがって」
「うっ」
「恥ずかしくねえのか、教師のクセにでき婚なんかしやがって」
「愛し合った結果だ」
デカいのは開き直ったのか威張りくさって、バカ殿を見下ろした。
「何が愛し合っただ、一発めで命中しただけじゃねえか」
「運命だ」
保健室内にいた我々は、デカいやつがムッとして言い放った言葉に唖然となった。
「何、下らないこと言うてんのやっ。毎回毎回性懲りもなく万歳三唱して、ここをどこだと思うてんのやっ。そうやなくても、高校の保健室は悪臭で気分の悪うなった生徒が続出して、てんてこまいしてんねんでっ」
と、生徒数名を従えたタコ壺の主が外で仁王立ちしていた。だいぶ、激怒しているとみた。
「バカ殿、あんた、ここまで悪臭運んできて、どないしてくれるんやっ」
「知るかっ、悪臭の根源は浜中だろうが~」
昨日の悪臭、今日の香水。
きれいに全身を洗ったところで、車の中が悪臭まみれでは臭いもうつろうが。バカなやつらだ。
さて、その後の展開は諸君たちの想像に任せるとして、私は講義があるので失敬する。