「おとうさん、いつもあの赤のママチャリに乗って、学校の中をうろうろしてるの?」
「それがこ~いっちゃんの仕事だから」
「なんで赤のママチャリなんだ」
「けんちゃんのはもっとひどいよ」
「だけど…」
ぼくは、ベランダにもたれて夜空を眺めていた。藤川先生はそんなぼくを心配して声をかけてくれた。
「おまえ、うちの学校にきて失敗したと思ってるだろ」
「…うん」
「やけにはっきり言うな、こういう時は少しは遠慮するもんだ」
「藤川先生のおとうさんは…理事なんだよね、藤川先生も将来は理事長とかになるの?」
「殿様じゃ食ってけないからな」
「ふうん」
でも…そんなこと関係ないじゃないか、おとうさんがかっこわるいにかわりはない。
おとうさんのことが理由だけじゃないけど、ぼくは、選択を間違えたんだろうか。
へちま細太郎
でした。
「それがこ~いっちゃんの仕事だから」
「なんで赤のママチャリなんだ」
「けんちゃんのはもっとひどいよ」
「だけど…」
ぼくは、ベランダにもたれて夜空を眺めていた。藤川先生はそんなぼくを心配して声をかけてくれた。
「おまえ、うちの学校にきて失敗したと思ってるだろ」
「…うん」
「やけにはっきり言うな、こういう時は少しは遠慮するもんだ」
「藤川先生のおとうさんは…理事なんだよね、藤川先生も将来は理事長とかになるの?」
「殿様じゃ食ってけないからな」
「ふうん」
でも…そんなこと関係ないじゃないか、おとうさんがかっこわるいにかわりはない。
おとうさんのことが理由だけじゃないけど、ぼくは、選択を間違えたんだろうか。
へちま細太郎
