こんにちは、へちま細太郎です。
今朝、朝の会が終わって、教室を抜け出していつも通り温室に向かった。ジャージに着替えて、農業スパイク…つまり長靴にはきかえていざ作業と思ったら、外が騒がしい。
「なんだ、うるせえな」
今日は朝から姿を見せていた(仮)嵐軍団1号さんが、ドアを開けると、ジャージ姿の僕のクラスの男子全員が立っていた。
「おはよおございまあす」
たかひろの掛声で元気よく挨拶。
「なんだ、なんだ」
高橋さん(この人は大学院生…詳しくは「ひるまのもめごと」をみてね)も、びっくり。
「おれたち、手伝いにきましたあ」
「げっ」
ぼくは、いっしゅん、大変なことになったな、ヤバいな、と気まずく思った。
「ぼくたちも、美都田吾作の気分になりたいでえす」
くそ、言いだしっぺはたかひろだな。
「よっしゃあ、よく言ったあ
。その決意、このプロフェッサー中島、しかと聞き届けた
おまえら、今から畑を耕し、とうもろこしを作る任務を与える。見返りは、とうもろこしだあ
」
中島教授が、農家のおじさんみたいなスタイルで登場し、雄たけびをあげた。
クラスのみんなも、
「お~」
と、こぶしをはりあげ、中島教授のあとに続いて温室から離れていった。
「なんなんだ、あいつらは」
「やけにノリがいいじゃん」
先輩たちは唖然としていたが、ぼくはもっと唖然としたい気分だった。
これからどうなっちゃうんだ。