こんにちは、へちま細太郎です。
今日は雨で、どこにも出かけられず、部屋でふてくされていた。
おとうさんとはほとんど会話もなく、事情を知っているはずの藤川先生も何も言わない。
部屋にこもって、ネットの動画の画面を見ていたら、いきなり、
「よ、坊主、元気だったか」
と、見た顔が画面いっぱいに広がった。
「あ、鎧甲のおじさん…」
役者になる、と言って家出?したご先祖様だった。
「今までどこで、何をしていたの」
と、懐かしさでいっぱいになり思わず声を張り上げた。
「何って、とある劇団に入ってな、役者の修行中だ」
「げきだあん?」
「そうだ、ここだけの話、おれが幽霊だってことは内緒な」
「内緒って…実態はどうやって手に入れたの?」
「よくわからん。思いが募れば、人間は思わぬ力を発揮するらしいぞ」
「人間って…おじさんは…」
「元だろうが、なんだろうが、おれは人間様だからな」
「そうだけど…」
鎧かぶとのおじさんは元気そうで、どういうわけか輝いていた。
ぼくは、なんだかうらやましくなった。
「なんだなんだ、しょぼくれおって…」
というなり、おじさんは画面から抜け出してきた。
「うわっ、貞子かっ」
「ばかもん、ドンガバチョといえ」
「何それ…」
ぼくは知らないが、『ひょっこりひょうたん島』という伝説の人形劇の番組の登場人物らしい。
「まったく、近頃のガキは頭でっかちでこまるな」
おじさんは、懐かしいぞ~と部屋をきょろきょろして、
「まあ、なんだな。ここのうちに来て、夢も希望も持てて俺は幸せだぞ。生きてるころは常に戦いに明け暮れていたからなあ」
「ふうん」
「なんだ、元気ないぞ、まあ、今日はヒマだからな。話しを聞いてやるから何でも話せ」
おじさんは、ベッドの上にあぐらをかいてどっかりと座りこむと、ぼくを見て笑った。
おじさ~ん、ぼく…。
なんだか、泣けてきたよ~。
今日は雨で、どこにも出かけられず、部屋でふてくされていた。
おとうさんとはほとんど会話もなく、事情を知っているはずの藤川先生も何も言わない。
部屋にこもって、ネットの動画の画面を見ていたら、いきなり、
「よ、坊主、元気だったか」
と、見た顔が画面いっぱいに広がった。
「あ、鎧甲のおじさん…」
役者になる、と言って家出?したご先祖様だった。
「今までどこで、何をしていたの」
と、懐かしさでいっぱいになり思わず声を張り上げた。
「何って、とある劇団に入ってな、役者の修行中だ」
「げきだあん?」
「そうだ、ここだけの話、おれが幽霊だってことは内緒な」
「内緒って…実態はどうやって手に入れたの?」
「よくわからん。思いが募れば、人間は思わぬ力を発揮するらしいぞ」
「人間って…おじさんは…」
「元だろうが、なんだろうが、おれは人間様だからな」
「そうだけど…」
鎧かぶとのおじさんは元気そうで、どういうわけか輝いていた。
ぼくは、なんだかうらやましくなった。
「なんだなんだ、しょぼくれおって…」
というなり、おじさんは画面から抜け出してきた。
「うわっ、貞子かっ」
「ばかもん、ドンガバチョといえ」
「何それ…」
ぼくは知らないが、『ひょっこりひょうたん島』という伝説の人形劇の番組の登場人物らしい。
「まったく、近頃のガキは頭でっかちでこまるな」
おじさんは、懐かしいぞ~と部屋をきょろきょろして、
「まあ、なんだな。ここのうちに来て、夢も希望も持てて俺は幸せだぞ。生きてるころは常に戦いに明け暮れていたからなあ」
「ふうん」
「なんだ、元気ないぞ、まあ、今日はヒマだからな。話しを聞いてやるから何でも話せ」
おじさんは、ベッドの上にあぐらをかいてどっかりと座りこむと、ぼくを見て笑った。
おじさ~ん、ぼく…。
なんだか、泣けてきたよ~。