姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

お母さんたちの保健室コーチング実践事例 ~学校、行かない!の小学生の娘への対応~

2015年03月13日 | 保健室コーチング

 (2015年の記事)

 

 



弊社の脳科学コーチング(保健室コーチングの一般向けバージョン)を受講された 子育てママA子さんが

娘さんの登校しぶりに

心のアプローチグッズや脳科学コーチングで学ばれた「状態管理」の概念で対応されました。

その記録を、実践事例として送ってくださいましたので、許可を得て、ご紹介いたします。

 

~娘さんの登校しぶりへの対応事例~

 

小学校一年生の娘が学校に行けなくなったのは、冬休みが明けて2週間たった頃でした。

幼い頃から喘息があり、入学後は、季節を問わず発作がありました。

(冬休みに入った途端に収まったので、精神的なものもあったようです。)

加えて2学期終わりからは、腹痛を訴えるようにもなりました。

学校に行けなくなる少し前からは、毎朝と学校でも腹痛を訴え、夜寝る前も泣きながら寝る日もありました。


「学校に行きたくない!」となった最初の日、とりあえず2日休ませて欲しいと娘が言ってきました。


今までの頑張りを見ていた私は、

「大人もリフレッシュのためにお仕事をお休みする日があるから、お休みしよう。月曜から行こうね」

といってお休みすることにしました。

そして、月曜日から行けたかというと…行けずでした。

2日間、ゆっくり安心した環境の中で過ごしたけれど、それでは彼女の気持ちは向かなかったようでした。

そうなると、やはり親として理由を詮索したくなり、「なぜ、学校に行けないのか…」聞いてみますと、

娘:学校が遠くて…授業が進むのが早くて…通学班の並び順がいや…ママと一緒にいたい…


最後には「ママと一緒にいたい」 ことを切々と語ってきました。

 

行けない日が1、2日と続くと、担任の先生もすぐ動いてくださり、

学校での様子でいじめがあるわけではなく、勉強や友だちに問題があるわけではないので、

本人と話をしたいと電話を頂きました。

娘との話し合いは平行線だったので、あるあるレンジャーカードを使いました。

 

「家で出てくるのはどのレンジャー?学校では?」など、話している中で

「学校に行く時に出てくるレンジャーは?」の質問で、

泣き虫レンジャーが出てきました。

 

「なんで泣いてるの?」

「学校が遠くて…周りの男の子たちがいやなこといってくるから…」


といって、娘は横によけてあったいじわるレンジャーとわるい子レンジャーをなき虫レンジャーの横に置きました。


そういえば、以前登校時にからかわれて、怪我をしたことがあったこともありました。

 

「他はなんか言ってる?」


「私の周りは男の子ばかりでいやだ。女の子がいいよ~って泣いてる」



毎年、子ども会で並び順を決めるのですが、たまたま周りが男子の並びになっています。



「じゃあさ、もしこの子(なき虫レンジャー)の隣が◯◯ちゃん(女子)だったら、どうなりそう?」


「…それなら、おしゃべりできて、(泣いているのも)にこにこして行けると思う」


このカードから得たことを担任に話したところ、学校側、子ども会側の素早い協力を経て、

2日後には年度途中ではありましたが、並び順を変更して頂くことが出来ました。

そうして、娘は学校に行けるようになったかというと、朝も泣き叫び、徒歩通学できず、職員室まで抱っこしていき、担任へ渡す日が続きました。

 

今度は、母親である私の問題ではないかと気づき、質問カードで自分自身に問いました。


その中で、私自身の不登校の経験から「学校に無理に行かなくても」という思いがありながら、

実際「行ってもらいたい」思いの矛盾があることに気づきました。


そして再度娘との話し合いの中で、

「ママも同じ思いをしたことがあること」

「ママは学校に行ってほしいと強く思っている」

ことを話しました。


私自身の中の迷いが消えたこと

娘自身が行くことを決めたことで

通学班に入って登校出来るようになりました。


学校へ行くようになってから、

「楽しいこと見つけて、帰ってきたら話してね~!」

と言って送り出すことも毎日続けていて、

帰宅するとすぐ

「今日ね~、こんな楽しいことがあって…楽しかったよ!」

と、笑顔の日が増えた娘を見て、一つ壁を乗り越えたことを感じます。

 

 

【事例は以上】

 

弊社には、子どもたちが自分と向き合ったり、内面にあるものを話しやすくしたりする 心のアプローチグッズがあります。

今回ご紹介したA子さんは、ふだんからこのカードを使って、お子さんとのコミュニケーションを楽しんでいらっしゃいます。

なんどか、この方には、子どもさんたちとの楽しいコミュニケーションについて

お話を聴いたことがありました。

A子さんのいつもすごいな、と思うのは、

目の前の「問題」にとらわれるのではなく

常に「子どもの内面で、今、何が起きているのか」 に焦点をあてて、対応されるところです。

 

よく質問されるのが、「このカードを使えば子どもの問題が解決しますか」という質問です・

残念ながら、弊社の「心のアプローチグッズ」は、子どもの問題を解決するためのものではありません。

 

「子どもたちの内面でどんなことが起きているのか」

「子供たちが心の中でもやもやしていたり、表現にくいことを、話し出すためのきっかけづくり」

「混沌とした想いを整理する」

という目的で作られています。

 

解決ばかりを目的にするとき、大切なことを見失ってしまうことがあります。

「何とかしなくては」とか「助けてあげたい」「解決させよう」「気づかせよう」と 強く思えば思うほど、

相手はその想いに反応して うまくいきません。

今、全国の学校や家庭で「心のアプローチグッズ」を使っていただいています。

子どもたちの内面理解をするために、使っていらっしゃる先生方は 結果として

子どもたち自身が「スッキリした」「わかった」「こうすればいいんだ」と、答えを出しています。

 

そして、最後にA子さん自身が 「自分の問題ではないか」と、自分自身の状態を振り返っていらっしゃいます。

母親と子どもは 見えないへその緒でずっとつながっている。

だから、自分の状態や本音が、子どもに瞬時に伝わります。

ということを 保健室コーチングや脳科学コーチングでは ワークとともに体験していただいています。

そのことを思い出されたAさん。

本当に素敵ですね。

ママが本音に気づいたことで、子どもさんも「行く」という意志決定ができたのですね。

 

 

 


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