姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

クリックで救える命がある

2005年12月31日 | Weblog
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 高校2年生になる娘が,2週間ほど前,このサイトを見つけました。 

「お母さん,これ,毎日クリックして!それだけでたくさんの人を救えるから!!いい?わかった?ネットショッピングばっかやってんじゃないよ~」
 うっ。厳しいおことば。さっそく,このサイトを,私の3つのブログにリンクすることにしました。このサイトでは,たくさんの企業が社会貢献のために,クリック募金に参加しています。その中に,「飢餓や伝染病に苦しむ人にとって,50円は生死を左右します」ということばがありました。

 このことばで,数年前に前任校(小学校)でおこなった授業を思い出しました。そのころ,小学生の間では,「遊戯王カード」なるものが流行っておりました。カードを何枚持っているかとかという競い合いやそれがもとでおこる数々のトラブル・・・。 あんたたち,メディアに踊らされてるよ~。
 たまたま見つけた「社会科教育」という月刊誌に,この遊戯王カードを取り上げた授業がのっていました。どなたの実践だったか忘れましたが,担任にお願いしてこの授 業をさせてもらうことにしました。 以下に授業の概要を紹介します。
(基本的にはメディアリテラシーの授業です)

☆この授業に先立って,学年全体の遊戯王カードの所持数を調査し,それを金額で換算しました。(その金額は35万円でした)
 授業では子ども達に,35万円の意味を知らせずに,「35万円あったら何に使う?」と聴きます。「貯金」「買い物」「旅行」「寄付」などさまざま。 そこで,「こんな使い方もあるんだ」と,世界で飢餓に苦しむ子ども達の写真を見せました。そして,子ども達にこんな問いかけを・・・。 「この学年のみんなが遊戯王カードのために使った35万円でどのくらいに人が救えるのかを計算してみましょう」
といって,次のデータを提示しました。

◆脱水死を防ぐ経口補水塩 一袋7円
◆肺炎にかかった子どもに対する5日分の抗生物質27円
◆予防接種のために必要な一人分の費用 1605円
◆病気予防のためのビタミンA補給剤1錠 一人分6か月分3円 

そして,次のような説明をしました。「資料を見てください。地球上には,食べるものや薬の十分になくて,いのちぎりぎりのところで毎日を過ごしている子どもたちがたくさんいます。食べるものがなくて,病気になっても薬もなくて,1年間に1500万人の人が死んでいます。これは1日では4万人になります。1分間では28人が飢えのためになくなっています。このうち21人が子どもです。」・・・・。

「先ほどの35万円を,飢えに苦しむ子どもたちのために使うことを先生は考えてみました。みんなもいっしょに計算してみてください。電卓あるよね。」

① 脱水死を防ぐ→50000人の子どもに,補給水がいきわたる
② 肺炎の子どものために薬→12963人が薬をもらえる。
③ 予防接種→218人が接種できる。
④ ビタミンA補給剤→116667人の人がもらえる。

「①~④までをすべて揃えると,35万÷1642円=213人 救うことができます。」 

 この授業の後半は,物の価値というものが,視点を変えるとちがったものになるということと,一枚100円もかからない紙のカードにプレミアがついていくメディアのからくりについてふれ,ブームに巻き込まれないで自分の生活を見直すことや,もっと広く世の中に目を向けることを話しました。かれらの楽しい世界(=このときは,遊戯王)を批判するというものではなく,広く世界を知ることで,自分たちの狭い視点での生活を見直すきっかけになればと思って取り組んだ授業です。メディアに振り回されない子ども達をそだてなくちゃ・・・・。(てか,大人もかなり振り回されている・・・・メディアが学校でおこった問題を取り上げる時の姿勢には,常々,???マークを持っている姫です)


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