自分に優しくしてくれると愛されていると勘違いする。実に愚かなことである。人に優しくすることには普通理由がなければならない。理由もなしにすべての人にやさしくできる人はノーベル賞に値する人である。いや、それすらノーベル賞を狙うという目的があるのかもしれない。
フィリピンパブでは、優しくすることと優しいふりをすることはほぼ同義語である。いつでもどこでも、どんなに時代が変化しても彼女たちがお金を稼ぐ目的で働いていることは不変である。だからあの限られた時間と場所で繰り広げられる恋愛はお互いに夢であって現実とはかけ離れているものだ。肝心なのは夢はいつか覚めるということだ。それが心地よいからといってもそう寝てばかりもいられない。