今度彼女が勤めることになった店はずいぶんと遠い所にあった。
「ここは黄泉比良坂か?」と思われる長く暗い道を歩き、
やっとたどり着いた先にはフィリピンパブが全盛期だった頃そのままの建物があった。
「また魔界に誘われてしまったようだ・・・」
早九字を唱え、ドアを開けると大きなステージとそれを囲むように席が配置されていた。
かつては大勢のタレントがこのステージで歌や踊りに、それは賑やかだったことだろう。
・・今はステージでは亡霊がショータイムをやっている・・・
席を見れば枯れススキのようなババエが10人ほど・・
・・さながらホーンテッドマンションである。
そして席には魂を抜かれて土色の顔をした客が・・・
「ハニー!ちゃんとリングしてる?」と彼女は指をみせるが当然していない。
「ごめん。会社で禁止されてるんだ。大事に家に置いてあるよ。」口からでまかせを言う私。
「そうなの・・でももう少しの辛抱よ」
「何が辛抱で、辛抱したからどうだというんだ?」口には出せなかった。
出したらきっと、私も隣のおじさんのように魂を抜かれ土色になってしまうことだろう・・
後で迎えに来てくれた友人にその話をすると
「面白いジョークだ。でも義理がけも大変だね。」と大笑いであった。
途中でうどんを食べた時こちら側に戻って来られたことを実感した。
「ここは黄泉比良坂か?」と思われる長く暗い道を歩き、
やっとたどり着いた先にはフィリピンパブが全盛期だった頃そのままの建物があった。
「また魔界に誘われてしまったようだ・・・」
早九字を唱え、ドアを開けると大きなステージとそれを囲むように席が配置されていた。
かつては大勢のタレントがこのステージで歌や踊りに、それは賑やかだったことだろう。
・・今はステージでは亡霊がショータイムをやっている・・・
席を見れば枯れススキのようなババエが10人ほど・・
・・さながらホーンテッドマンションである。
そして席には魂を抜かれて土色の顔をした客が・・・
「ハニー!ちゃんとリングしてる?」と彼女は指をみせるが当然していない。
「ごめん。会社で禁止されてるんだ。大事に家に置いてあるよ。」口からでまかせを言う私。
「そうなの・・でももう少しの辛抱よ」
「何が辛抱で、辛抱したからどうだというんだ?」口には出せなかった。
出したらきっと、私も隣のおじさんのように魂を抜かれ土色になってしまうことだろう・・
後で迎えに来てくれた友人にその話をすると
「面白いジョークだ。でも義理がけも大変だね。」と大笑いであった。
途中でうどんを食べた時こちら側に戻って来られたことを実感した。