パチスロに存在意義を否定された私の心はうつろに彷徨っていた。
「裏切ったな!僕の気持ちを裏切ったな!父さんと同じに裏切ったんだ!」
一度折れた心を立て直し、再度戦いの場へと向かった。
「…僕はいたい。僕はここにいたい。僕はここにいてもいいんだ!」
私は心とお金を取り戻して友人の待つ駅へと向かった。
時間に遅れた弟は置き去りにしたし、自分が店に着いた時間に電話をよこした彼女もシカトした。
暗闇の中で落とした縫い針を聞き分けるくらいその時私の感覚は鋭敏になっていた。
半年ぶりに行った店では大盛り上がりであった。
若いババエもマガンダもいないのに楽しいと思える店はえらいと思う。
以前指名していたババエからも嫌な顔をされずにすんだ。
E嬢にも見習ってもらいたいものだ。なぜならここは飲み屋で、私は客なのだから・・・
金を払っているものに嫌な顔はなしだろう
J嬢の話も聞いた。まだ新宿あたりで働いているそうだ。
私と別れた後、新しい男ができたがそれも長続きしなかったらしい。
どうか幸せを掴んでもらいたいものだ。
池袋の件もそろそろ時効だろう。あの店に行く気はさらさらないけど・・
最後に今の彼女の友達を名乗る輩が出てきた。実に世間は狭い!
しかし、それも昨日のことだ。時は止まらない・・