古来より人々に愛でられ、歌に詠まれてきた桜。桜始開(桜始めて開く)頃とは新暦3月25日過ぎを指すようであるが、既に各地で満開となっていり。あまり咲き急がれでも儚さまでも急かされているように感じてしまうのは、自分の歳のせいかもしれない。
桜を詠んだ最初は『日本書紀』とされる。編纂されて1200年過ぎることから、千本桜ならぬ千年桜であろう。日本の花を代表する国花であり、別名『夢見草』
『花冷え』『花曇』『桜雨』『花冷嵐』といった言葉の通り、人々は桜を通じて、天候を感じてきた。
散りゆく桜は『花吹雪』、水面に落ちて流れ行く様子は『花筏』と称してそれこそ咲き始めから、散りゆく移ろいまで、人々に愛でられてきだのだった。愛する、愛おしむ、愛でる。桜に対する見方にも人々の想いが込められている。
せめてあと十日ほどは美しい姿を留めてほしい。
儚い願いを今も昔も抱えたままでいる。
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