新しい年に初めて社寺に参拝することを「初詣」と言います。大晦日の日没を年の区切りとしていた頃には初詣は大晦日の夜に行うものとされていたそうです。
現在でも大晦日の晩に家を出て、新年を迎えてから参拝する方も多く古くは「二年参り」とも呼びました。紅白歌合戦を見届けて、氏神さまへと歩いて行き、「行く年来る年」を見ながら参道で待つ。皆様のNHKの定番はもちろん戦後の風習であるのです。
実は初詣の歴史は浅く、そもそも元日に寺社へお参りする風習は明治以降のものだと言います。江戸時代までは静かに年神さまを自宅でお迎えするのが習わしだったようです。なぜ元旦の寺社詣りが盛んになったかと言えば、明治維新による富国強兵政策のひとつある鉄道網の整備にあると言います。
殊に神奈川県の川崎大師は人気で三が日の100万人の参拝客を集め、1872年川崎駅に急行列車が止まるようになったことから、全国各地で多くの路線で初詣の参拝者が利用するようになったそうです。まだ150年ほどの歴史です。
明治神宮や浅草浅草寺など、多くの初詣の参拝者で賑わっていることでしょう。