師走に入って日々せわしなく、時間ばかり過ぎてしまいます。年末年始に向けやるべきことは山積みですが、焦ってはかどることはなく毎日の積み重ねが大切だと改めて感じています。
古河の神社や歴史博物館に足を運び、その街並みや文化にふれてきた数か月でありましたが、市内でも最もにぎわう祭りである「提灯竿もみまつり」を見ることができました。祭の起源は旧古河藩領となる栃木県野木町の野木神社に伝わる神事「七郷めぐり」に由来するそうです。
「七郷めぐり」は現在の小山市に編入する七つの地区にある野木神社の末社を十一月二十七日から「おいで」から一日ずつご神体の神鉾を奉じて順番に訪ねる神事です。裸になった各地区の若者が篠竹に提灯をかざして次の末社に向かう際、地区境にて双方の進路をめぐってもみ合いをしていたと伝わります。十二月三日から四日にかけ、「おかえり」と呼ばれる七郷めぐりから帰った一行を日光街道で多くの人がまちうけ、寒さしのぎに竿をとってもみ合ったことから現在のような形になったそうです。
雀神社から渡良瀬遊水地を眺めた時には、万葉集に謳われた水上交通の要所としての景色が目に焼き付きましたが、古河の町は一方で江戸期の日光街道の重要な宿場の一つでもありました。
矢来と呼ばれる櫓のような中で竹をもみ合います。
地区対抗で高い竹竿の先についた提灯の消し合いの試合は迫力があり、間近で見ると竿の太さもかなりありました。竹を接いでいるのか一本の大竹かわかりませんが、ともかくかなりの高さで、勝負が長引くと竿の先で提灯が燃えてしまうこともありました。
矢来から少し離れた場所では太鼓囃子が披露されています。叩き手は皆さん若い人ばかりでした。
職場の人に聞くと寒い時期でなかなか実際には見に行かないということでしたが、屋台も軒を連ね、たくさんの人で賑わっていました。神事に起源をもつこうした祭が盛大に続いていることを実際に目にすることができまた少し古河の町に溶け込めたような気がしていました。