トヨタ自動車が販売店ごとの取り扱い車種を撤廃して、どのお店でもすべての車が商談できるようになって久しい。若い人がアルファードやヴェルファイアといった高級ミニバンを颯爽と乗り回しているのをいつもうらやましく思う。残価設定プランの導入が大きいのだろう。資産である高級車を乗り継ぎながら、ドライブLIFEの最先端を行く。「いつかはクラウン」といった価値観は自分が子供のころの団塊の世代の合言葉だったのに。
そもそも貨幣経済の根本も揺らいできている。大学時代労働基準法の中で賃金とは労働の対償として使用者が労働者に支払うもので、特に第24条の規定によって賃金は通貨で直接労働者に支払わなければならないとされてきた。
自分が労働者となって約30年。まさか通貨の仕組みが変わる時代になるとは思ってもいなかった。いつしか私自身の給料も電子マネーで支払われる日もそう遠くはないだろう。ただしそこまで自分がサラリーマンでいられるかの方が不確定だ。
コロナ禍の社会となってすでに1年以上過ぎるが、先行きが見えない国と出口が見えてきたところと別れてきたようだ。アメリカにおけるワクチン接種率は40%を超えたという。かつてNYの病院の惨状をメディアが伝えたのはいつのことだったか。出口が見えることで、企業活動の先行きが見通せることから、金利上昇に舵を切るらしい。要するに体力のある企業に自由に活動を任せる。自由主義経済の流れを堰き止めない。金利のコントロールはそれほど難しいのだそうだ。
翻って日本ではワクチン接種率は先進国として最低レベルで、出口どころか高齢者を除く一般市民の接種がいつになるのかさえも全く見えてこない。金利など上げようもない状況がずっと続いているのが現状だ。
よって投資先も国債を中心とした安全投資で、企業業績も本業の成績よりも保有する株式や金融資産で決まることばかり流されている。そう行先は安全地帯。
いつまでぐずぐずしているのだろうか。思い切ってリスクをとるのはいつだれなのだろう。