ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

お笑いコンビ「ブランケット」の、単独ライブを観る。

2017-07-30 21:30:23 | エンタメ
「CDが売れずTVが面白くない今は、真実は小屋の中にある」
先日、私が下した結論である。本当のエンターテインメントに接しようと思えば、コンサートなり寄席なりライブに行くしかない。

私が密かに注目しているお笑いコンビが、この「ブランケット」。

左がしんいち、右がたくちゃ。まだ共に30歳の若いコンビだが、非凡な才能の持ち主だ。
所属は吉本でも松竹でもなく、ケーエープロダクション。関西以外ではあまり知られていないが、関西では「横山ホットブラザーズの事務所」と言えば誰もが理解する老舗である。

やってきたのは、難波・千日前の「トリイホール」。

今回のライブは「LETTER LETTER」と題され、全てのネタが手紙をテーマに進められるとの事である。

そして、私自身なんと23年ぶりにトリイホールの中に入る。

100人も入れば一杯だが、この密室感が演者のテンションを極限まで上げるのである。
あれは23年前、最も脂がのっていた大木こだま・ひびきのネタをこのトリイホールで生で観た事があり、とにかく圧倒させられた。
「ワインの栓は開けにい。コルクが割れて、ついつい茶こしでワインを注がねばならない」
「カップ焼そばは作りにくい。流しに湯を流すと『ベコン』と言ううえ、狭い湯切り口から麺が出るので『オマエらは逃がさへんで』とつかまねばならない」
「2時間ドラマは白々しい。♪バンバンバンバン『何ぃ、犯人が』分かったぁ?♪バンバンバンバン『私は知らないわぁ…』♪バンバンバンバン『同窓会の案内状?』と、オープニングからして思わせぶりだ」
と、まさしく今風に言えば腹筋崩壊のひと時だったのを、昨日のように覚えている。

話がそれたが、今日のブランケットもキレッキレだった。
5分程度の漫才とショートコントをサンドイッチしていくのだが、確かにどのネタも手紙がテーマになっていた。
「片思いの女子にラブレターを出す男子とポストの会話」や
「子どもの頃に未来の自分に宛てた手紙を今読んでいたら、書いたのがなんと去年だった」
「何十年も互いの手紙を読まずに食べてしまう白ヤギと黒ヤギ」
など、その視点のユニークさに驚く。

また30前後の若者なら、物心ついたついた時にはケータイが存在し、小学生の頃にはメールというものが存在していたはずであり、手紙をやり取りした経験そのものが少ないのではないかと想像する。
しかしそんな若い芸人さんが、ともすれば過去の遺物ともなりかねない「手紙」というものが人生の中でいかに大きな位置を占めてきたかというのを、2017年の今になって彼らに教えられたような気になったのである。

予定では1時間20~30分のステージだったのだが、飛ばしすぎて1時間で終わってしまったらしい(笑)。
観ている我々が酸欠になりそうなほどにテンションが高く、練られたステージであったのは間違いない。
是非、ブランケットの二人を応援していただきたいものである…