花の四日市スワマエ商店街

四日市の水谷仏具店です 譚

旅館の朝??

2008年09月25日 | わたくしごと、つまり個人的なこと
昭和40年頃の、旅館の朝は楽しい。
すっかり秋の気配が濃くなり、昔の旅の思い出が脳裏をよぎります。
狭い部屋いっぱいに敷き詰められた布団を蹴散らして、野郎ばかりが朝を迎えます。
午前6時。誰かが便所に起きる。他人のメガネを踏んずけて・・・
戻って寝ずにそのまま椅子に腰掛ける。タバコを一本。また誰かが起きた。
二人は、窓のカーテンを思いっきり開けると、ぼそぼそと喋りだした。
こうなると寝ていられない。
「ああ、起きたん?もっと寝とったらええのに」
眩して、やかまして、タバコ臭て、寝とれるかいっ!とは思っても言えない。
時間が来たので階下の広間へ朝食に。そこには、見たことのあるおばさんが二人。
昨晩の宴会に居たおばさん達だ。寝起き顔に薄化粧。(これ時効です)
昨夜はお世話になった。散々騒いで「この後、一緒にどこへ行こうか」と相談して(時効)、結局、コンパさんに連れられて近くのスナックへ繰り出した。
「よく眠れましたか?」とはマニュアル通りの白けたセリフ。
昨夜の色気は微塵もない(時効)。皆さんの合意を得てビールを1本、また1本。できることなら宴会をもう一度。
しかし今日は旅立つ私共でございます。
皆さん静かに箸を動かす。「ご飯のおかわりは?」
このとてつもなく白々しい雰囲気が、良い。
昨夜何かあれば、もっと良い(時効)。
便所に押しかけた後、旅立ちの準備が整いバスに向かうと、おばさんが追いかけてきた。
あとから聞いたところによると、タバコで焦がした畳代を弁償しろということだったらしい。
すっかり酔いがさめて、今日の観光地へ向かう、ご一行様デシタ。
コメント (2)
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