花の四日市スワマエ商店街

四日市の水谷仏具店です 譚

こだまでせうか 金子みすず

2011年05月08日 | わたくしごと、つまり個人的なこと
今日の中日新聞に金子みすヾの特集がありました。
     
離婚した夫から、3歳の娘を引き取りたい旨の手紙が再三にわたって届きました。
私は娘を心の豊な子に育てたい。あの人にはそれができないと思う。どうしよう。連れに行くという手紙がテル(金子みすヾ)を追い詰め、ある決心をさせたのでした。
昭和5年3月9日、テルは娘のために、最後の写真を撮りに写真館に行き、帰り道、母と娘のために桜もちを買って帰りました。
その晩、テルは3歳の娘と一緒に風呂に入り、たくさんの童謡を歌ったといいます。きっと歌い続けることで、悲しい言葉が口から出るのをとどめたのでしょう。風呂から上がると、母ミチ、叔父松蔵、そして愛娘と四人で桜もちを食べ、いつもと変わらず明るく過ごしたそうです。
その夜、テルは毒を飲んで自らの命を絶ちました。享年満26歳の若さでした。
(今なら、何も死ぬことはなかったのにと思ってしまいます。おかげで現代では反動が来ておりますが・・・)

大漁
 朝焼小焼だ
 大漁だ
 大羽鰮(おおばいわし)の
 大漁だ。

 浜は祭りの
 ようだけど
 海のなかでは
 何万の
 鰮(いわし)のとむらい
 するだろう。

金子みすヾ童謡集  編解説 矢崎節夫 ハルキ文庫
思いやりのある人でした・・・