語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【ミステリーの雑学】紙幣が流通する期間は何年間か?

2016年12月10日 | ミステリー・SF
 <銀行をはじめとする各金融機関は、利用者から預かった紙幣のうち当面使用しないものを、日々日本銀行本支店に持ち込んでいる。日本銀行当座預金に預け入れるためだ。こうして銀行券が日銀に戻ってくることを、環収という。>

 <1万円札の寿命は、およそ4年から5年程度だという。銀行券が再流通に耐えられるか否かの判断は自動鑑査機が行う。廃棄となる銀行券は、自動鑑査機に組み込まれたシュレッダーにかけられ、1.5ミリ×11ミリの大きさにまで細かくされ、処分されるという。>

 <「そうだ、普段は100枚単位で裁断されるらしいが、(後略)」>

 <かつては回収した紙幣を溶解設備で溶かし、段ボールやティッシュペーパーの材料の一部などに再利用していた。古びた紙幣の最終処理はすべて本店で行っていたらしい」>

 <いや、現在では7割程度、住宅用の建材や固形燃料などにリサイクルされているんだよ。それ以外の裁断屑は、一般廃棄物として各地方自治体の焼却施設において焼却処分されている」>

 <「1万円紙幣1枚は約1グラムとして、(1,500億円の重量は)15トンだな。(後略)」>

 <「日本の紙幣には靱皮(じんぴ)繊維のミツマタや、天然繊維の中で最も強く弾力のあるマニラ麻の葉脈繊維など、特殊な原料が使われている。そのため特に普通紙にリサイクルするのは、なかなか難しいと聞いたことがあります。また、紙幣の塊を焼却するのは意外と大変だそうです。普通紙より紙幣は水分量が多いからと言われています」>

 <「(前略)世界の紙幣の中で物理的に最も強度があるのはアメリカドル紙幣。次が日本紙幣だということです」>

 <「シークレットサービスですが、設立時の本来の任務は、偽造通貨の取締り、様々な不正経理犯罪、個人情報窃盗の捜査、地域犯罪における科学捜査情報の提供だったのです。(後略)」>

 <寿命が過ぎたお札は、年間およそ3,000トンあると言われていますから、数にして30億枚が廃棄されていることになります。これがすべて1万円札とすれば、1年で30兆円相当の紙幣が棄てられているのですか・・・・」>

□濱嘉之『ゴーストマネー』(講談社文庫、2016)
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