語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】大福茶 ~六波羅蜜寺~

2019年01月24日 | 医療・保健・福祉・介護
 大福茶は、京都で正月に無病息災を祈って飲むお茶で、煎茶に梅干しと結び昆布を入れて飲む。
 951(天暦5)年、平安京で疫病が流行した際に、六波羅蜜寺を開いた空也上人が病人に梅干し入りの茶をふるまったのが起源といわれる。その後、村上天皇も服用したところから、「皇服茶」の名前が付いた。
 これが庶民の正月の風習として広まる時に、幸福をもたらすという意味で「大福」、または、健康のためにたくさん飲むことから「大服」の文字が当てられるようになったという。
 現在でも、六波羅蜜寺では正月三が日の参拝客に、元日の早朝にくんだ「若水」を使ってこのお茶がふるまわれる。
 お茶の中の梅干しもいただき、種を財布の中に入れると大きな福が舞い込むということだ。
 大福茶には、結び昆布と小梅のほかに、金粉や、玄米、黒豆、サンショウなどが入ったものがある。緑茶に含まれるカテキンには抗菌、抗ウイルス作用が認められている。正月のおなかを休ませるためにも、一服するのはいかがだろう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「大福茶 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2019年1月4日)を引用

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