竹村登茂子・読売新聞編集委員は、読売新聞の「今日のノート」で、次のように書いた。
---------------(引用開始)---------------
松江市にある明治期の文学者・小泉八雲の記念館の展示物に、妻・セツが作った「単語帳」がある。
後に日本に帰化し、怪談「耳なし芳一」などを残した、当時ラフカディオ・ハーンだった八雲が住む家に、実家を支えるため住み込みのお手伝いさんとなたセツ。その後、夫婦となり、ハーンの言葉を書き留めて勉強したものだ。
「シウ 靴、カタン 綿、アエロン 鉄、ワエン 酒、アブ ~の」など、記述はすべて発音通り。英語がわからないセツの、なんとか理解したいという熱意が見え、ほほ笑ましい。
夫婦はその後、もっと分かり合うため、助詞などを省いた日本語を使った。ハーンのローマ字読みから「ヘルン言葉」と呼ぶ。
たとえば最後の時、八雲はセツに「私死にますとも、泣く、決していけません。悲しむ、私喜ぶないです」と言ったと、セツの著「思い出の記」にある。文法はともかく、伝えたい思いがあふれ、温かい言葉だ。
(後略)
---------------(引用終了)---------------
所見。
(1)「シウ 靴、カタン 綿、アエロン 鉄、ワエン 酒」は、今なら「シュー 靴、コトン 綿、アイロン 鉄、ワイン 酒」と表記するところだ。
(2)シウ、カタン、アエロン、ワエン・・・・と聞こえても、かつ、そう発音しても英語圏の人に通じる。ちなみに、五木寛之によれば、スパシーボと言う代わりに「千葉水郷」と言ってもロシア人に通じた。
(3)文法無視の日本語であっても、伝えたい内容があれば、伝わる。・・・・逆に言えば、伝えたい内容も感情もない場合には、文法に則った文章であっても、何ひとつ伝わりはしない。
□竹村登茂子(編集委員)「今日のノート」(読売新聞 2014年3月2日)
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<小泉八雲旧居>
---------------(引用開始)---------------
松江市にある明治期の文学者・小泉八雲の記念館の展示物に、妻・セツが作った「単語帳」がある。
後に日本に帰化し、怪談「耳なし芳一」などを残した、当時ラフカディオ・ハーンだった八雲が住む家に、実家を支えるため住み込みのお手伝いさんとなたセツ。その後、夫婦となり、ハーンの言葉を書き留めて勉強したものだ。
「シウ 靴、カタン 綿、アエロン 鉄、ワエン 酒、アブ ~の」など、記述はすべて発音通り。英語がわからないセツの、なんとか理解したいという熱意が見え、ほほ笑ましい。
夫婦はその後、もっと分かり合うため、助詞などを省いた日本語を使った。ハーンのローマ字読みから「ヘルン言葉」と呼ぶ。
たとえば最後の時、八雲はセツに「私死にますとも、泣く、決していけません。悲しむ、私喜ぶないです」と言ったと、セツの著「思い出の記」にある。文法はともかく、伝えたい思いがあふれ、温かい言葉だ。
(後略)
---------------(引用終了)---------------
所見。
(1)「シウ 靴、カタン 綿、アエロン 鉄、ワエン 酒」は、今なら「シュー 靴、コトン 綿、アイロン 鉄、ワイン 酒」と表記するところだ。
(2)シウ、カタン、アエロン、ワエン・・・・と聞こえても、かつ、そう発音しても英語圏の人に通じる。ちなみに、五木寛之によれば、スパシーボと言う代わりに「千葉水郷」と言ってもロシア人に通じた。
(3)文法無視の日本語であっても、伝えたい内容があれば、伝わる。・・・・逆に言えば、伝えたい内容も感情もない場合には、文法に則った文章であっても、何ひとつ伝わりはしない。
□竹村登茂子(編集委員)「今日のノート」(読売新聞 2014年3月2日)
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<小泉八雲旧居>