(1)自民党が、“創価学会党”である公明党と連立政権を組んだのは1999年だ。
だが、その3年前には、自民党の機関誌「自由新報」の「新進党=創価学会ウォッチング」で、8回にわたり学会批判が掲載された。1996年年頭号から1997年10月21日付け号まで。内藤国夫・ジャーナリストと俵孝太郎・政治評論家が交互に執筆した。
連載の開始に当たって同紙編集部は、新進党の党首選挙が小沢一郎と羽田孜の対決になったことに触れ、「声を大にしていわなければならないこと」として、「新進党が政権を担うに足る国民政党をめざすとするならば、党の根本にかかわる問題として党首選挙で最大の争点にならなければならないはずの創価学会との関係について、なんの論争も起きていない点」を指摘している。
この指摘は、それから20年後の今、そのまま自民党にはね返ってくる問題だ。
(3)驚くべし、このシリーズの40回(1996年11月5日付け)で内藤は、自分の居住地の衆議院神奈川2区で「当選が、至難視された新人候補の菅義偉氏」を応援した、と報告している。
内藤は、菅を「小此木彦三郎通産大臣(当時・故人)の秘書官を経て横浜市議を二期務めたあと代議士への飛躍に挑戦した侠気(おとこぎ)にあふれる男」と紹介している。
内藤は、それまで総選挙レベルで自民党の候補者に投票したことはなかった。それが、妻子を説得してませ菅に投票させたのは、菅が「選挙期間中、党本部がハラハラするほど厳しい創価学会批判演説をやってのけた」からだ。
「当確です」
の連絡を受けて、内藤は菅の選挙事務所まで出かけ、菅の当選御礼の挨拶を聞いた。笑顔ではなく悲壮感さえ漂っているように見えたのは、同区で競った相手が学会出身で、現職の上田晃弘だったからだろう。学会は連日1万人前後の全国動員をかけて上田を全面支援した。
表情を引きつらせながら菅は次のように語った。
「私は選挙期間中、政教分離の大切さをずっと訴え続け、創価学会という巨大組織と真っ向から戦った。私の学会批判選挙に対する妨害があまりにも激しく、政党同士の戦いとは思えなかった。戦った相手は宗教団体だったと私は思っている。こういう選挙はもう二度としたくない」
<例>選挙期間中の同年10月18日15時過ぎ、選挙カーに乗った菅が演説していると、
「創価学会を批判するな」
と中年の女性が4、5人絶叫しながら、乗っている自転車もろとも選挙カーにぶつかってきた。また、割れんばかりに窓ガラスを叩いた。
身の危険を感じた菅陣営は、最終日の19日に選挙カーの前後に警備車を2台つけて突発事件の発生に備えた、という。
(4)菅はちょうど20年前のこの時の体験を忘れたのか?
それとも学会の怖ろしさが身にしみて、以後、自ら学会への接近を図ったのか?
(5)周知のように、官房長官として、いま安倍晋三内閣を支える菅は、自公「合体」政権の立役者として、佐藤浩・創価学会副会長と太いパイプを持ち、「政教一致」の政治を切り盛りしている。
「政教分離の大切さをずっと訴え続け、創価学会という巨大組織と真っ向から戦った」かつての“初心”は、とうの昔に捨て去ったらしい。
泉下の内藤は、それをどう思っているだろうか。
自民党と創価学会という水と油との野合の内幕を暴いた佐高信『自民党と創価学会』(集英社新書)は版を重ねているが、菅のような鉄面皮の政治家や、彼と手を組んだ学会の信者には届いていないらしい。
□佐高信「激しい創価学会批判で当選した菅義偉 ~新・政経外科~」(「週刊金曜日」2016年6月17」日号)
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【参考】
「【佐高信】舛添を支援した自公と連合東京の責任」
「【佐高信】自民党と創価学会、水と油の野合」
「【戦争】おやじ、一緒に牧野村へ帰ろう ~戦没者の遺族の声~」
「【政治】岸信介の悪さの研究」
「【読売】「不正」を隠蔽する「不適切」という表現 ~東芝・不正経理~」
「【人】安倍首相とやしきたかじん“純愛妻”の共通点 ~百田尚樹~」
「【政治】巨大脱税疑惑隠しの自分勝手解散 ~安倍晋三~」
「【政経】竹中平蔵とアベノミクス ~ブラック国家ニッポン~」
「【本】『海賊と呼ばれた男』の著者、百田尚樹の実像 ~本屋大賞~」
「【震災】世論を買い占める東電、恥ずかしい広告を出す政府~佐高信と寺島実朗の対談~」
だが、その3年前には、自民党の機関誌「自由新報」の「新進党=創価学会ウォッチング」で、8回にわたり学会批判が掲載された。1996年年頭号から1997年10月21日付け号まで。内藤国夫・ジャーナリストと俵孝太郎・政治評論家が交互に執筆した。
連載の開始に当たって同紙編集部は、新進党の党首選挙が小沢一郎と羽田孜の対決になったことに触れ、「声を大にしていわなければならないこと」として、「新進党が政権を担うに足る国民政党をめざすとするならば、党の根本にかかわる問題として党首選挙で最大の争点にならなければならないはずの創価学会との関係について、なんの論争も起きていない点」を指摘している。
この指摘は、それから20年後の今、そのまま自民党にはね返ってくる問題だ。
(3)驚くべし、このシリーズの40回(1996年11月5日付け)で内藤は、自分の居住地の衆議院神奈川2区で「当選が、至難視された新人候補の菅義偉氏」を応援した、と報告している。
内藤は、菅を「小此木彦三郎通産大臣(当時・故人)の秘書官を経て横浜市議を二期務めたあと代議士への飛躍に挑戦した侠気(おとこぎ)にあふれる男」と紹介している。
内藤は、それまで総選挙レベルで自民党の候補者に投票したことはなかった。それが、妻子を説得してませ菅に投票させたのは、菅が「選挙期間中、党本部がハラハラするほど厳しい創価学会批判演説をやってのけた」からだ。
「当確です」
の連絡を受けて、内藤は菅の選挙事務所まで出かけ、菅の当選御礼の挨拶を聞いた。笑顔ではなく悲壮感さえ漂っているように見えたのは、同区で競った相手が学会出身で、現職の上田晃弘だったからだろう。学会は連日1万人前後の全国動員をかけて上田を全面支援した。
表情を引きつらせながら菅は次のように語った。
「私は選挙期間中、政教分離の大切さをずっと訴え続け、創価学会という巨大組織と真っ向から戦った。私の学会批判選挙に対する妨害があまりにも激しく、政党同士の戦いとは思えなかった。戦った相手は宗教団体だったと私は思っている。こういう選挙はもう二度としたくない」
<例>選挙期間中の同年10月18日15時過ぎ、選挙カーに乗った菅が演説していると、
「創価学会を批判するな」
と中年の女性が4、5人絶叫しながら、乗っている自転車もろとも選挙カーにぶつかってきた。また、割れんばかりに窓ガラスを叩いた。
身の危険を感じた菅陣営は、最終日の19日に選挙カーの前後に警備車を2台つけて突発事件の発生に備えた、という。
(4)菅はちょうど20年前のこの時の体験を忘れたのか?
それとも学会の怖ろしさが身にしみて、以後、自ら学会への接近を図ったのか?
(5)周知のように、官房長官として、いま安倍晋三内閣を支える菅は、自公「合体」政権の立役者として、佐藤浩・創価学会副会長と太いパイプを持ち、「政教一致」の政治を切り盛りしている。
「政教分離の大切さをずっと訴え続け、創価学会という巨大組織と真っ向から戦った」かつての“初心”は、とうの昔に捨て去ったらしい。
泉下の内藤は、それをどう思っているだろうか。
自民党と創価学会という水と油との野合の内幕を暴いた佐高信『自民党と創価学会』(集英社新書)は版を重ねているが、菅のような鉄面皮の政治家や、彼と手を組んだ学会の信者には届いていないらしい。
□佐高信「激しい創価学会批判で当選した菅義偉 ~新・政経外科~」(「週刊金曜日」2016年6月17」日号)
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【参考】
「【佐高信】舛添を支援した自公と連合東京の責任」
「【佐高信】自民党と創価学会、水と油の野合」
「【戦争】おやじ、一緒に牧野村へ帰ろう ~戦没者の遺族の声~」
「【政治】岸信介の悪さの研究」
「【読売】「不正」を隠蔽する「不適切」という表現 ~東芝・不正経理~」
「【人】安倍首相とやしきたかじん“純愛妻”の共通点 ~百田尚樹~」
「【政治】巨大脱税疑惑隠しの自分勝手解散 ~安倍晋三~」
「【政経】竹中平蔵とアベノミクス ~ブラック国家ニッポン~」
「【本】『海賊と呼ばれた男』の著者、百田尚樹の実像 ~本屋大賞~」
「【震災】世論を買い占める東電、恥ずかしい広告を出す政府~佐高信と寺島実朗の対談~」
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