語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【消費税】増税がなくても今年増える家計の負担20万円以上

2012年07月06日 | 社会
 4人世帯(会社員の夫、専業主婦の妻、中学生と小学生の子ども)、年収500万円がモデル世帯。

(1)子ども手当
 1人当たり13,000円が10,000円に減額。
  ⇒ 年間72,000円の負担増。

(2)扶養控除
 子ども2人の扶養控除が今年から無くなる。
  ⇒ 所得税が年間39,700円、住民税が年間66,000円、合計105,700円の実質増税。

(3)厚生年金保険料
 2017年まで毎年0.354%(本人負担は0.177%)ずつ引き上げられることが決まっている。
  ⇒ 世帯で、毎年8,000~10,000円ずつ負担増となる。

(4)健康保険料
 ここ3年間は立て続けに値上げしているし、2013年4月に再び値上げされる【注1】。

(5)電気料金
 東京電力の電気料金値上げが予定されている。
 東電は平均10.28%の値上げを申請していた【注2】。しかし、経済産業省電気料金審査専門委員会の審査の過程で、電力会社が企業向け料金を抑え気味にして、家庭向け料金で稼いでいることが明らかになった【注3】。 上げ幅は8~9%台になる見込みだが、消費者庁の点検チームや内閣府の消費者委員会は、過去に公的資金を受けた企業などは年収の30%を削減した(東電の削減は20%強)として、さらなる削減を求めている。再び動く見込みのない福島県内の原発維持費などの削減も【注4】。

(6)負担増のまとめ
 (a)(1)~(5)まで、1年間で、軽く見て20万円を超える。
 (b)給料は、ここ10年で50万円ほど減っている。いわば、年間5万円の負担増と見ることもできる【注5】。
 (c)消費増税が行われると、年収500万円の場合、年間16万円の負担増になる【注6】。
 (d)消費増税は今年はまだ行われないが、仮にこれらを合計してみると、(a)+(b)+(c)=51万円以上となる。

 【注1】「【社会保障】実質増税を説明しない政府 ~健保「総報酬割の導入」~
 【注2】記事「原発費の料金転嫁、焦点に 東電の電気料金値上げ審査」(朝日新聞デジタル記事2012年6月23日03時00分)
 【注3】記事「大半が家庭から…電力利益「偏り是正を」 審査委方針」(朝日新聞デジタル記事2012年7月4日03時00分)
 【注4】記事「東電の家庭用値上げ9月以降 上げ幅8~9%台で認可へ
 【注5】1年を通じて勤務した民間給与所得者の平均年収は、1997年(ピーク)から2007年(ボトム)まで61万円減少した。【「【社会】異常な日本の賃金減少 ~公共サービスの雇用の非正規化~」】
 【注6】世帯年収ごとの負担増は、300万円で10.7万円、500万円で16.76万円、800万円で25.0万円、1,000万円で29.02万円、1,500万円で41.55万円、2,000万円で52.12万円だ。【記事「増税、家計はどうなる?〈教えて!消費税〉」(朝日新聞デジタル記事2012年6月8日03時00分)】 

 以上、萩原博子「家計にとっての「負担増」が目白押し 夏のボーナスは「貯金」するしかない ~幸せな老後への一歩 第292回~」(「サンデー毎日」2012年7月15日号)に拠る。
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