語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【食】植物油脂が超心配 ~塗るだけ簡単な「パン工房」~

2015年11月14日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)すっかりパン食が定着した日本の食生活。朝食は「パンにコーヒー」という人も多いだろう。
 基本的には、パンはごはん同様主食なので、栄養バランスからすると、おかず(副食)が必要だ。
 パンは炭水化物だから、蛋白質や脂質の三大栄養素、ビタミンやミネラルなどが必要だ。

 (2)調理に時間を割きたくない現代人は、パン(主食)におかず(副食)を用意するのは面倒くさいらしく、主食と副食が一体になった「サンドイッチ」や「菓子パン」などの手軽な携帯食が人気だ。
 <例>「ランチパッカー」と呼ばれる「ランチパック」(ヤマザキ)が好きな人は多い。 

 (3)塗るだけで簡単にサンドイッチやおにぎりに利用できる人気商品「パン工房」(キューピー)だが、「ツナ&マヨ」「コーン&マヨ」ともに原材料欄に18~19種類の材料が表記されている。
 JAS法に基づく原材料名を表示する基本ルールは、次のとおり。
   「使用した原材料を全て重量順に表示する」
   「食品添加物はそれ以外の原材料と分けて記載」
   「原材料名欄に、アレルギー、遺伝子組み換え、原料原産地に関する表示を含む」

 (4)「パン工房」の原材料で一番多く使用されているのは、植物油脂だ。
 植物油脂とは、植物から採取した油脂の総称で、血中コレステロール値低下や血液サラサラなどに働く不飽和脂肪酸を多く含んでいるが、分子結合が弱く不安定で、老化・酸化しやすい性質を持っている。
 この欠点を取り除くため、脂肪分子に水素原子を加えて変質や劣化しにくい植物油脂が誕生した。
 しかし、日持ちはよくなったものの、「人為的に作られたトランス脂肪酸」を含有しているため、深刻な健康被害が指摘されている。「人為的に作られたトランス脂肪酸」は、「食べるプラスチック」の異名を持つ。
 しかるに、「パン工房」の原材料表示では、使われている植物油脂が水素原子を添加したものであるかどうかが消費者にはわからない。さらに、その植物油脂の大豆、コーン、菜種などの原材料が遺伝子組み換え食品であるかどうかもわからない。
 日持ちのよい加工食品は、便利である反面、食品添加物ではない植物油脂ひとつにもこんな深刻な危険性が潜んでいる。

 (5)食品の原材料欄において、原材料の後に続くのは、食品添加物だ。
 使われている食品添加物は、
   「ツナ&マヨ」・・・・5種
   「コーン&マヨ」・・・・7種
だ。食品に比べて少ないから安全性が高いと思うのは早計だ。なぜなら、このうちの調味料、増粘剤、酸化防止剤、甘味料は一括表示が認められている添加物のため、単純に考えても、表示されている添加物の数の2~3倍になるのは間違いないからだ。
 「ツナ&マヨ」「コーン&マヨ」は、自分で作れば原材料はツナとマヨネーズ、コーンとマヨネーズのそれぞれ2つで済む。
 少しの手間を惜しむことで、考えられないような「食の危険」を体内に取り込んでしまう。これからの長い人生が待ち受けている若い人たちが、その危険性を気に留めずに安易に体内に取り入れる現状に危惧される。

□沢木みずほ「塗るだけ簡単な「パン工房」は植物油脂が超心配」(「週刊金曜日」2015年10月30日号)
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