アメリカザリガニを最近では見なくなったという人がいますが
その人たちは何を見ているのでしょう。
アメリカザリガニに興味がなくなった→気がつかなくなった
と言うことだと思うのですが。
都市公園の池がある所なら普通にアメリカザリガニはいると思います。
今年の夏、都市公園を何ヶ所か見て回りましたが、どこに行ってもアメリカザリガニはいました。
逆に、いない所があるのだろうかと思うくらいです。
(実際、あるのでしょうか?疑問です)
最近、ある公園に勤めていた方の話を聞くことがありました。
その公園でもアメリカザリガニがワサワサ歩いていましたので
ここではアメリカザリガニは駆除される事もないのだろうなと思っていました。
ですが、そうではなく、駆除しきれないという事でした。
ブラックバス、ブルーギルは池の水を抜いて駆除できた、
でも、アメリカザリガニは池の水を抜いても小さなものが泥の中に入り込んで隠れてしまい
どうしても駆除しきれないのだそうです。
繁殖力が強いので残ったものがすぐに増えます。
おまけにブラックバス、ブルーギルがいなくなったので余計に増えたそうです。
アメリカザリガニが日本に入ってきたのは1927年との事です。
あっと言う間に日本各地に広まったそうです。
80年以上たっていることになります。
80年ですから今の子供達のおじいさんおばあさんが子供の時代にはもういたわけです。
実際に50代くらいの男性から子供の頃にザリガニ釣りをしたと聞くことがあります。
も少し下の年代のお父さん方はアメリカザリガニを見つけると
実に嬉しそうに自分の子供にもザリガニ釣りを教えようとします。
そして自然が残されていていて良かった~と言います。
アメリカザリガニがいる水辺が自然だと思っているのです。
アメリカザリガニさえ住めない水辺があるのですからそう言えないこともないのですが。
近所に公園があります。
つい最近までその公園の事を知らずにいました。
川崎市では一番新しい公園だそうです。
そこは元々は山で、最近宅地開発された所です。
ここに僅かばかりの谷戸の自然の姿を残す事で開発が許可された・・・みたいな感じでしょうか。
川崎市にありますが、横浜市の駅の方が近いです。
ここについ最近、こんな看板が立てられました。
ホトケドジョウやメダカ、モツゴ、トンボのヤゴやホタルが住む環境を目指している
ので、コイやアメリカザリガニを放流しないでくれ
と訴えているのだと思います。
が、既にここはアメリカザリガニがいましたし
赤い鯉の子供がスイスイ泳いでいるのでした。
(こうなってから看板立てても意味ないし~なる前に立ててよ~)
アメリカザリガニや鯉を放流した人たちは自分達がこの池にとって悪い事をしたとは
全然思ってないでしょう。
むしろ良い事をしたと思っているかもしれません。
自然が豊かになっていいじゃないか~と思っているかもしれません。
けれど、
ホトケドジョウやメダカ、モツゴ、トンボのヤゴやホタルが住む環境を目指している人達には
それらの生き物を食ってしまう鯉やアメリカザリガニは迷惑この上ないものです。
例えて言うならアンリカザリガニは在来の生き物にとって人間を食い尽くすエイリアンみたいなもんです。
公園は狭いけれど、どうにかして生き物を残したい
という気持ちが伝わってくる感じがします。
なんだけど、あまりにも狭いのではないのかな~。
きれいな水の流れがあって、ホタルが生きていけそうな感じがします。
この上流の方にはアメリカザリガニは見えませんでした。
公園の横には新しいマンションの工事が進んでいました。
横浜の人気のある駅に近いので川崎市にあるけれど横浜市の駅の名前がつくんだろうな
と思います。
若い子育て中の家族がたくさん引っ越してきて、「子供達が喜ぶから」
この公園はザリガニ釣りのできる公園になってしまうのかもしれません。
「ホトケドジョウやメダカ、モツゴ、トンボのヤゴやホタルが住む環境を目指す」
よりも「子供達が喜ぶ」が市民に支持されればそうなるかもしれません。
けれど私は「ホトケドジョウやメダカ、モツゴ、トンボのヤゴやホタルが住む環境を目指す」が
より多くの市民に支持される世の中になってもらいたいものだと思います。
けれども、住宅地の中の小さな公園の池に、在来の水生昆虫が住む環境を求める事に
そもそも無理があるのかも知れません。