カルテ番号 は・9（14）
「異性を好きに感じる。
同性愛は、ひとまず置いて下さい。
同性愛は、これはこれで、少し厄介な不明な種の部分です。
正常、異常という区分では、どちらも正常となりますが・・・
まず、大多数の異性を好きになること。
この底は、種の保存本能という極めて生物的、肉体的なものからなのです。
心の分野だと思われがちですが、異性を好きになる、というのは根本的ですね」
院長の話は面白いが、どんどん広がっていく。
「そして、性交という、底の交わりがあり、受精という生命の始まりがあります。
無から有が出現するわけです。
生命というのは、とんでもない奇跡でもありますが、同時に普遍でもあります。
社会的には、その男女が両親となり、子がやがて同じように相手を探し、両親となる。
そして、人類という種がある一定に繁栄して、今の世の中となっているわけです。
そのキッカケ、大元は、とても個人的な性からなのですよ」
ここで院長は少し照れた。
「久しぶりに性の話ができるので、すぐ横道に入ってしまいますね。
でも、もう少しお付き合い下さいね。
次に、性力について、簡単に説明します。
性力、インドなどでは、大いなる生命の力、などといいます。
でも、まぁ、個人的に押し込めれば、生命力のことだと思って下さい。
混同されやすいのですが、性力と性欲が比例すると思われています。
性は5つの種類が影響し合いますが、独立しています。
例えば、性欲がとても強くても、性力はとても弱い場合もあります。
むしろ性力がとても強い場合は、性欲はあまりないことが多いようです」
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
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