カルテ番号 れ・1(16)
美和は質問した。
「癌になりやすい家系とか遺伝子とかあるのでしょうか?
私の両親も親戚も癌になってしまいました。
遺伝でも大丈夫なのですか?」
ずっと自分の中のモヤモヤする思いだった。
親がそうだったから、自分もなるのかもしれない。
歳を重ねるにつれ、次第にモヤモヤは濃くなってきていた。
院長は静かに言った。
「大丈夫ですよ。
確かに多い家系があります。
でも、遺伝よりも環境だといわれています。
例えば食事や生活パターン。
それに病に対する対応の仕方などです。
睡眠や食事をおろそかにしても、無理をしてしまう。
それは遺伝よりも、その育つ環境が多いでしょう。
遺伝としても、癌になりやすい遺伝ではないと思います。
無理して頑張ってしまう遺伝。
生真面目な生き方の遺伝。
自分が犠牲になってもいいと思ってしまう生き方」
美和は言った。
「頑張ったり、生真面目な生き方はダメなのですか?」
院長は少し笑った。
「ダメとかいいとかではないのです。
頑張る、無理を続ける、生真面目な生き方は、病になりやすいのです。
癌にとっては、育ちやすい肉体なのです。
人の生き方としては、いろいろでしょうが、なりやすい生き方はあります」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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