先週末の「五ヶ山ダム試験湛水開始」の一報を受け、早速、現地へ向かった。現場事務所で交渉した結果、現場員同行の上、ダムサイトへ入ることができた。実際に足を踏み入れてみると、それはでかかった。尋ねると、五ヶ山ダムに使われたコンクリート量は92万5千m3 というから、それもそのはず。(この数量だとそうでもないらしいが)今回、全国で初めて巡航RCD工法が採用されたことで、今年1月にはダム本体のコンクリート打設が完了。聞けば、予定より1年も早く完成したらしく、それで試験湛水も早まったということらしい。
しかし、貯水池内にはまだ重機などの工事車両が作業を行っており、本格的に試験湛水がはじまったとは言えない状況だった。ダム直下を覗いてみると、川の形状はそのままで少し水量が増えた程度、これから降雨によって徐々に貯まっていくことになりそうだ。聞けば、満水になるには少なくとも1年半はかかるとのことだった。五ヶ山の気温は割と高いらしく、(福岡市のヒートアイランド現象の影響か、確かにここ十数年で高くなった)ダム湖になると、表面の水温はさらに高くなるため、選択取水設備を使って、適温の水を川に流すのだとか。そういえば、福岡県が行った五ヶ山ダム検討委員会では、識者から水温の上昇による生態系への影響を懸念する声が上がっていた。
今回の視察は、現場の方の案内もあって色々と貴重な話を聞くことができた。福岡県は当初11月に予定していた試験湛水を早めた。そのため現場が追いつかず、貯水池内ではまだ工事が行われていた。もしかすると、来月3日の「ウォーキングイベント」で湖底内の見学が企画されているから(形式的に)はじめたのでは。行政のやることだから、あり得ない話でもない。来月8日には新倉谷七隈線が開通すると聞いた。これでダム周回道路の通行が可能になり、五ヶ山ダムの全容を見ることができる。次回(来月中旬予定)はそこから報告したい。
撮影日:2016年10月24日
ダム堤体から見た貯水池 まだ重機で作業を行っている
ダム直下 少しだけ貯まっていた すでに川はダム湖の色に
選択取水設備(ブルー) これを使って適温の水を川に流す
下流側 こちらもまだ工事中
転流用のバイパスはすでに閉塞されていた(写真中央)
手前の山(岩が見えているところ)は、南畑ダム(写真奥)をつくる時に使われた原石山(現場の方の話) 遠くに福岡空港が見える
堤頂部(全長556m、高さ102.5m) 舗装工事が行われていた
立派なダム管理所だけど無人 管理はすべて南畑ダムで行われる
南畑ダム入口 五ヶ山のダムの下に位置する ちなみに五ヶ山ダムの上には脊振ダムがある どれだけつくればいい?
那珂川沿い ようやく紅葉がはじまる(写真右に五ヶ山ダム堤体) かつてここで子供たちが遊んでいたが、、
《関連記事》
・五ヶ山ダムの湖底見てみよう 11月3日にイベント(2016年10月26日 佐賀新聞)
《関連資料》
・福岡県HP。五ヶ山ダム「試験湛水」を開始!(2016年10月20日)