先週20日、福岡市ではじめて新型コロナウイルス感染者(2名)が確認された。前日(19日)、小川知事は記者会見で「いつ福岡県で発生しておかしくない状況」と危機感を募らせていた。この時点で県は予測できていたのではないか。そうした危機感が県のホームページからも伝わっていた。一方の福岡市、13日以降、全国で感染者が急増していたにもかかわらず、14日から感染者が確認される20日まで感染情報を一切更新せず、「新型コロナウイルス感染症は流行が認められている状況ではない」と事実と異なる情報を流していた。その上、感染経路が掴めず、市中感染の恐れが出たことで基準が見直されてからも、相談は「中国湖北省・浙江省などから帰国・入国、接触された方」と誤った情報を流していた。(ツイッター参照)20日、感染者が確認されて慌ててホームページを更新し、内容をすり替えていた。福岡市の危機感のなさは今に始まったことではないが、こんな出鱈目なことをしていては市民の命は守れないだろう。
ところで、福岡市の感染者の確認を知ったのは、ちょうど山口の実家に着いた時だった。ついに来たと思った。福岡市は中国クルーズ船を1月25日まで受け入れていたので、いつ発生してもおかしくないと思っていた。ただ、どこで感染したのかわかっていない。そんな中、気になるニュースが入ってきた。西日本新聞の取材で、熊本市の感染者(20代看護師)が、今月8日、福岡市でコンサートに行っていたことがわかった。熊本市は友達と食事をしたことしか分からないとしていたが、一転、情報を公開した。それは、ロックバンド「WANIMA」のライブで、場所はマリンメッセ福岡だという。もしかすると、この方は福岡で感染されたのではないだろうか。重症とのことで心配だ。もう一つ、昨夜のNHK福岡ニュースによると、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から19日から21日までの間に下船した乗客のうち、21人が福岡県在住だという。現在、各自宅で保健所による健康観察が行われているらしいが、こちらも気がかりだ。
26日午前7時現在、感染者は862人(クルーズ船含む)、そのうち重症者は50人に上る。死者はクルーズ船で新たに1人が確認されて5人になった。国の専門家会議は、今後1〜2週間が感染拡大のスピードを抑えられるかどうかの瀬戸際だとして、軽症の人は自宅で療養するよう呼びかけている。全ての人に新型コロナウイルスの検査をすることは有効ではないとしているが、自宅で療養している間に症状が重くなっている人もいる。そのため専門家の中で意見が分かれている。東京大学医科学研究所の上昌広特任教授は、「どこの病院でも、医師が必要と判断すれば、遺伝子検査(PCR検査)を行う体制づくりが必須」としている。
新型コロナウイルスは、インフルエンザのように簡便な検査キッドでは対応できず、判定にはPCR検査でウイルス遺伝子を増幅させる必要がある。厚労省は「検査能力が追いつかない」としているが、上教授によれば、国内には約100社の民間検査会社(約900の研究所)があり、ここを利用すれば1日に約1万8千人が可能になる。無症状や軽症の人も検査ができるようになり、感染拡大の抑制につながるという。確かに、早期発見すれば重症者は減らせる。国がやっていることは真逆だ。
何はともあれ、高齢の母を介護している身ゆえ、感染するわけにはいかない。感染経路がわからず、市中感染がはじまってしまった以上、外出を控えることが一番の予防策だろう。自分の身は自分で守るしかない。福岡市はあてにはならないので、、
福岡市ホームページ
20日、感染者が確認される直前まで、ホームページはこの状態だった、、
26日午前7時時点の感染状況(NHKおはよう日本より)
ついに四国も、、
《関連記事》
・新型肺炎 感染の熊本女性 福岡市でコンサートに(西日本新聞 2020.2.25)
・遺伝子検査行う体制作り急げ 上昌広(JAPAN IN-depth 2020.2.25)
・C船下船乗客で21人は県内在住(NHK福岡ニュース 2020.2.25)
・NHK「新型コロナウイルス」ニュース ※随時更新
《関連資料》
・福岡県ホームページ。新型コロナウイルス感染症について ※福岡県内の新型コロナウイルス感染症検査実施件数も公表しています。