4日、山口県ではじめて感染者が確認されたあとすぐに、九州で新たに2人の感染者が確認された。1人は、宮崎県の70代男性で、発症前にロサンゼルスに滞在していた。宮崎ではじめての感染者である。もう1人は、熊本県(荒尾市・玉名市・玉名郡いずれか)の40代女性(介護職)で、クラスターが起きたとされる大阪市のライブハウスを訪問していた。熊本は6人で最多、九州の感染者は11人になった。なお、熊本の女性は検査を要望したが無症状として保健所から拒否され、しかも熊本県は愛媛県から忠告を受けていながら聞く耳持たず、3日も感染が見過ごされていた。(詳細は下記事で)
ところで、今日(6日)から新型コロナウイルスのPCR検査に保険が適用される。患者の窓口負担は公費で補助されるため、自己負担は発生しない。さらに、保険が適用されることにより、医師が必要と判断すれば保健所を通さず検査を受けられるようになる。また、民間検査会社が参入することで検査能力が高まるともいわれている。しかし、国は院内感染を防止する観点から、当面、検査を実施するのは、全国約860の「帰国者・接触者外来」か、同様の機能を持つ医療機関に限るとしている。つまり、保健所が検査を断るケースはなくなるが、検査数はこれまでと変わらないということになる。厚労省は民間検査会社が参入するのを嫌がっているのか。きな臭い報道もあるが。
日本医師会は4日、保健所の検査拒否が全国で30件あったと発表した。これまで新型コロナウイルスのPCR検査は、感染症法に基づく「行政検査」とされ、保健所が認めないと実施できなかった。医師会によると、保健所が認めなかった理由は「重症ではない」が5件、「濃厚接触者ではない」が1件、大半は理由が不明だという。この報告を受けてかどうかはわからないが、厚労省は行政検査を続ける一方で、今日から保険を適用して保健所を介さない検査をはじめる。医師会の不満を和らげることが狙いなのか。
こうした中、国内の感染者は増加の一途を辿っている。1日の感染者数をみると、4日は39人とこれまでで最高、5日は17人。6日午前9時現在、国内感染者は1056人に上る。まさに今が正念場なのではないか。5日のNHKおはよう日本で、科学文化部の女性が検査は慎重を極めるため、1件あたりの検査に時間がかかる。だから検査数が増やせないというふうな話をしていた。なにも闇雲に検査しろとは言わない。ただ、医師が検査の必要があると判断した患者がきちんと検査でき、早期に発見されることで感染拡大を防ぐ。そのために、民間検査会社の参入を急ぐ必要があるのではないかと言っている。もたもたしている間に感染は広がり、高齢者は重症化、救える命も救えなくなる。すでに12人の方が亡くなっているのだ。国はあまりに危機感がないのではないか。かけ声だけは立派だが。
これまでの検査の流れ
保健所が仕切っていた (4日、NHKおはよう日本より)
6日以降の検査の流れ
医師の判断で検査できるようになるが、当面、検査機関の数は変わらない(NHKニュースより)
地域の医師(かかりつけの医師)が、感染を疑った場合に検査につなげられるかについては、まだ多くの課題があるとしている
1日ごとの感染状況(3月5日まで)
4日の感染者数は過去最高に (NHK特設サイト・新型コロナウイルスより)
国内の感染状況(3月5日午後11時現在)
愛知県で急速に増えている クラスターが発生したか (今朝のNHKおはよう日本より)
九州における感染者状況(各県の感染情報をもとに作成)
今後、さらに増える可能性も、、
《1日の感染者数56人、過去最高を更新》 2020.3.7更新
昨日(6日)、1日の感染者数は56人で、4日の39人を抜いて過去最高となった。(国内感染者数は1113人)ただ、無症状の人の検査が進んでいないので、実際は相当数の人が感染しているのではないか。国立感染症研究所の鈴木基センター長も報告の数倍以上はいると述べている。ちなみに、火山学者の早川先生の試算だと100万人が感染していると。
56人中13人が大阪市のライブハウスでの感染者 (今朝7日のNHKおはよう日本より)
《関連記事》
・新型コロナ、報告の数倍以上か 拡大時の重症者数推計も―感染研(時事ドットコム 2020.3.7)
・熊本県、当初の検査見送り 3日間、感染見過ごしか 県内6人目の40代女性で(熊本日日新聞 2020.3.6)
・新型ウイルス検査に公的保険適用 保健所を通さず検査可能に(NHKニュース 2020.3.6)
・新型コロナ検査、6日から保険適用 厚労省が発表(日本経済新聞 2020.3.5)
・保健所“検査拒否”7道県で30件 コロナ(日テレ 2020.3.4)
《関連資料》