yamanba's blog

報道されない情報を発信します
気分転換に山の話題など

【新型肺炎】保険適用後も検査数増えず ピークはこれからか(最終更新3月15日)

2020-03-13 21:33:00 | 新型コロナ

新型コロナウイルスの国内感染者数は、3月13日午前10時半現在、1387人。3月6日(午前9時現在)、1056人だったので、この1週間で331人増えたことになる。気になる検査件数だが、厚労省が公表しているPCR検査の実施状況(3月12日)をみると、保険が適用されるようになった6日以降も大して数は変わっていない。むしろ少なくなった日もある。陽性率(陽性者数/検査人数)をみると、最初の患者が確認された、1月15日から3月11までの検査人数は9376人、陽性者数は604人で、陽性率は約6%となっている。検査数が少ないので陽性率は高く、100人に6人が陽性ということになっている。(下表参照)

検査数についてはSNSでもいろいろ意見がある。検査数を増やすと医療崩壊につながるというもの。一方、検査と医療崩壊とは別問題、患者がどれくらいいるのか把握しなければならない。医療崩壊を起こさないために軽症者が病床を奪わなければよいというもの。確かに検査をしたからといって、全ての人が陽性なわけではないし、逆に、熱があっても大したことはないと自宅にいる人もいるだろう。これではどれほどの人が感染しているのかわからない。今の検査体制のままだと知らないうちに感染は広がっていくのではないか。事実、感染者数はじりじり増えている。早期発見こそ拡大防止につながるはずだが、国が4日以上発熱が続いた場合という条件を付けているので検査数は増えない。そんな中、和歌山県は国には従わないと仁坂知事が宣言し、検査数は群を抜いている。その結果、感染者数は増えていない。

まずは、リスクの高い高齢者の患者を増やさないことだろう。PCR検査で陽性反応が出たとしてもワクチンなど薬があるわけではなく、治療は対処療法しかない。結果として、22人の方が亡くなっている。(15日7時時点)そのほとんどが高齢者である。致死率をみると日本は2.7%、武漢の4.2%と比べてみても高い。こうした状況の中、人工心肺装置を使った高度な治療を受けて回復に向かっている人もいる。肺炎が悪化し、肺が機能しなくなった患者に、「ECMO」と呼ばれる人工心肺装置を使って血液中に直接、酸素を送り込み、肺の機能を一時的に代行しながら、患者自身の免疫によってウイルスが排除されるのを待つという。この治療は高度な医療技術を必要するらしいが、朗報である。このニュースを見ながら、肺炎のため(人工呼吸器をつけたまま)亡くなった父のことを思った。この治療を受けていたなら苦しまずに済んだのではないかと。

ところで、福岡県は陽性者が3人(福岡市2人、北九州市1人)にとどまっている。これについて、先日、高島市長がブログで「福岡市が陽性2件のままって本当?」と題し、得意のQ&A方式で答えている。見ると、「PCR検査を断って陽性者を出さないようにしているのでは?」との問いに「福岡市では各病院が判断して保健所に相談いただいた場合は、海外への渡航歴などに関係なく、帰国者・接触者外来と保健所が相談、診察して必要と判断されれば迅速にPCR検査を実施します」とある。どの口が言う。福岡市は、検査基準が見直されてからもホームページを更新せず、1週間近く検査基準を海外渡航歴がある人と誤った情報を流していた。が、勿論、このことは触れていない。都合の悪いことは隠す(Q&Aで誤魔化す)のが高島市長だが、何も知らずに信頼している市民を裏切るようなマネだけはしないでほしい。福岡市の検査数をみると、この1週間で36件と少ない。医師が必要と判断した場合はきちんと検査をしてほしい。

 

※一番下に3月15日更新分を掲載しました。

 

PCR検査実施状況(3月12日掲載分)

保険適用以降も件数は大して変わらない (厚労省資料より)

ちなみに、九州ではPCR検査のできる民間検査機関は1件もないという。このため、民間に依頼する場合は、検査設備がある関東の研究所に検体を輸送しなければならず、時間がかかるという。これでは検査数は増えない。(3月15日更新)

PCR検査の態勢は? 民間検査機関、九州はなし (西日本新聞 2020.3.15)

 

 

都道府県別・陽性者数(チャーター便帰国者を除く) とPCR検査実施人数(3月12日掲載分)

全体の陽性率は約6%、和歌山県の陽性率は1%、抑え込みに成功している(厚労省資料より) 

 

 

 

《佐賀、長崎も感染者確認 九州残るは鹿児島のみ》2020.3.14.17:00更新

昨夜(13日)遅く、佐賀県佐賀市で20代の男子大学生の感染者が確認された。男子学生は先月27日からフランスへ旅行し、今月4日に帰国、9日になって39度の発熱と頭痛の症状が出たという。さらに今朝、長崎県壱岐市で30代男性の感染者が確認された。京都府から12日に転入したばかりの方で、同日、福岡市から船で壱岐市へ入り、濃厚接触者は2人だという。このように福岡市は感染者の中継地点となっているので、実際はかなりの人が感染しているのではないか。検査数が少ないので表面化してないだけで。

 

《14日は1日63人、これまで最多》2020.3.15.10:00更新

昨日(14日)の感染者数はこれまで最多の63人となった。2次感染が広がっているのだろう。やはり検査体制を変えない限り、感染者を抑え込むことはできないのではないか。そろそろ各自治体は対応を見直すべきではないか。行政機関に強い権限を持つ「緊急事態宣言」が出されてしまうとアウトだ。というか、そもそも安倍政権自体が緊急事態なのだが。

 

 

3月14日時点の感染状況(15日NHKおはよう日本より)

14日は1日63人で最多に 愛知県では死者が11人に上っている  ※最新情報はJX通信社をご覧下さい

 

 

 

 

これからピークになるのか、、

 

 

 

《関連記事》

国内感染者数1日最多の63人 計773人に(クルーズ船など除く)( NHKニュース2020.3.15)   

新型肺炎で重篤な患者 「人工心肺装置」使い過半数が回復へ (NHKニュース 2020.3.13)

5人以上の「クラスター」 9都道府県の計21か所で発生(NHKニュース 2020.3.13)

 

《関連資料》

厚労省。新型コロナウイルス感染症について

福岡市内における感染状況