五ヶ山ダム周辺のアウトドア拠点「五ヶ山クロス」(那珂川市)がオープンして2ヵ月が過ぎた。そこで、先週(6月1日)、五ヶ山ダムの状況を確認する前、キャンプ場に立ち寄った。この日、朝早かったこともあり、まだテントは張られていなかったが、準備をしている人の姿があった。梅雨入り前のひと時、多くの人で賑わうのだろうと思いつつ、あたりを見渡していたところ、気になる光景を目にした。
キャンプ場近くの山に土砂崩れの跡があった。前回(3月30日)は気付かなかったが、いつ発生したものなのか。キャンプ場がある桑河内は九千部山と石谷山を結ぶ稜線の西側に位置し、ここは谷筋の下部にあたる。(下地図参照)もともとこのあたりの地質は脆い花崗岩で出来ているため、昔から土砂崩れが多かった。キャンプ場の計画当初から心配はしていたが、これから本格的な梅雨シーズンに入るだけに気になる。福岡県や那珂川市はこの状況を把握しているのだろうか。
福岡管区気象台によると、今年の夏も南米ペルー沖で海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」が継続する見通しだと。エルニーニョ発生時の梅雨は、九州北部を含む西日本の日本海側で雨が多く、梅雨明けが遅くなることが統計上多いといわれている。災害への備えは万全にしておく必要があるだろう。
(今週、山口に居たため掲載が遅れました)
撮影日:2019.6.1
キャンプサイト テントの準備をする人の姿も
山に目をやると、土砂崩れの跡が(写真右上)
巨岩が見える
キャンプ場の下から見る (白く見えるのはウォールテンテッドキャンプサイト)
キャンプ場と土砂崩れの位置(国土地理院地図に記入)
国土地理院地図に五ヶ山ダムがいつの間にか表示されている。昨年、国土地理院に問い合わせをした際、五ヶ山ダムは試験湛水中で本格運用に至っていないため、地図には反映されないと言うことだったが、もしかすると、福岡市への放流がはじまり試験湛水の見通しが立たなくなったからだろうか。
キャンプ場付近の地質図 地質は花崗岩、近くに活断層も(ルーペ印がキャンプ場 産総研地質図Naviより)
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・九州北部は長梅雨の恐れ 多雨傾向、災害への備え急務(西日本新聞 2019.6.5)