<新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします>
(橋の話題ですが)
遠距離介護通勤に欠かせない関門橋が、今年11月で開通から49年を迎える。来年は50年。九州と本州を繋ぐ大動脈として、半世紀近く活躍している。いつも大変お世話になっているが、一方で老朽化は進んでいる。昨年は1月から4月まで大規模リニューアル工事が行われていたが、橋脚や橋桁には今も足場がかかっている。
調べてみると、関門橋(関門自動車道)は平成23年度から10年かけて予防保全を考慮したリフレッシュ工事が行われる計画となっていて、昨年はちょうど10年目の年だった。(それで大掛かりな工事が行われていたのかもしれない)具体的には、補剛桁の塗替えや腐食しているボルトの交換、床版の補修、舗装の打替え、ケーブルの防錆対策、ハンガーロープの塗替え、支承の取替え、検査路の取替など。中でも、吊り橋のメインケーブルの取替は不可能に近いため、錆の進行を抑制して長寿命化を図るしかない。そのためケーブル外面の錆を落として塗替えを行い、内部の湿度を抑制するシステムを導入しているという。
なお、既存塗膜には低濃度PCBや鉛化合物が含まれているらしく、既存塗膜層を剥がしたうえで重曹を用いてブラストし、亜鉛溶射下地を傷めずに塗膜を剥ぎ取り、その上で重防食塗装により塗り直しているという。関門海峡上(海面上143m)の高所でこうした作業を行わなければならないのだから、命がけであることは想像に難くない。安全に走行できるのもこうした作業をされる方々のお陰、感謝しかない。昨年は母の介護に加え、姉の緊急入院などで過去最多の62回も関門橋を通っていた。果たして、今年はどうなることやら。もしかすると、関門橋の有難味をますます感じる年になるかもしれない。
撮影日:2022.1.4
来年、開通から50年を迎える関門橋(橋長1068m、塔高140m)
橋脚にかかる足場 (橋脚寸法:横40m✖縦20m✖高さ下関側14m、門司側30m)
対岸に見える門司のまち(手前に門司港レトロ)
昨年6月にリニューアルした壇之浦PAに新設された展望デッキ
《参考記事》
・NEXCO西日本北九州高速 関門橋を10年間かけてリフレッシュ(道路構造物ジャーナル 2015.12.16)
《参考資料》